2012/09/30
SUPER GT Rd.7 Autopolis

アンドレ・クート、ポールポジションから2戦連続表彰台へ!!
アンドレア・カルダレッリは13位にとどまる

2012年 AUTOBACS SUPER GTも残り2戦となる第7戦「SUPER GT IN KYUSHU 300km」が9月29日~30日、オートポリス(大分県)で開催された。
大型台風17号の影響で、サーキットのある阿蘇一帯も天候の不安定な週末となったが、この九州唯一の本格的サーキットではチャンピオン争いに向けた熱い戦いが繰り広げられた。(主催者発表観客動員数:土11,200人、日21,100人)

9月29日(土)、気温16℃と肌寒く、フルウェットコンディションのもと、朝の公式練習(9:00-11:00)がスタートした。セッション中、雨脚は弱まっていったものの、ライトオンした各マシンは常に高い水しぶきを上げ続けての走行となった。そして、セッション終盤のGT500のみによる10分間の走行時間帯になると再び雨脚がやや強まり、視界は悪化。天候に翻弄される難しいレースウィークの始まりとなった。
そんな中、GTマシンでオートポリスを初めて走るLEXUS TEAM KeePer Kraft(35号車)のアンドレア・カルダレッリは、入念にレコードラインを確認しながらも8番手タイム(1’47.702)をマーク。一方、中高速コーナーが多く、アップダウンのある難しいこのコースを知り尽くしているLEXUS TEAM WedsSport BANDOH(19号車)のアンドレ・クートは9番手(1’47.762)で公式予選へと駒を進めた。

そして、公式予選最初のセッションであるQ1。GT500クラスの開始時間は14:15。相変わらず雨が落ち続ける中、GT500クラス参加全15台が出走した。19号車のQ1ドライバー、アンドレ・クートは2度に渡ってセッションが赤旗中断となる中、果敢なアタックを見せて3番手となる好タイムをマーク(1’55.465)し、Q2を担当する荒聖治にWedsSport ADVAN SC430のステアリングを委ねた。雨が弱くなったQ2(Q1の上位10台が参加)でも19号車は4番手(1’49.178)の好位置に就ける。そして、7台に絞りこまれたマシンがポールポジションを争うQ3で再びステアリングを握ったアンドレ・クートが渾身のアタックを披露。1’46.534を記録してタイミングモニターの最上位に位置する。他の6台も果敢なアタックを試みるが、クートのタイムを破る者は遂に現れず、クートがWedsSport ADVAN SC430の初ポールポジションを獲得した!!

アンドレ・クート
「このポールポジションは息子のアフォンソ、そして僕を支えてきた家族に捧げたく思います。今日は朝の練習の時点からとても良いフィーリングがあり、予選では、マシンもタイヤもすべて完璧で、チームの皆、ヨコハマタイヤに感謝しています。明日のレースでもベストを尽くして、優勝を目指します!」

一方、LEXUS KeePer SC430はアンドレア・カルダレッリの僚友、国本雄資がQ1を担当。ヘビーウェットの中タイムは伸びず13番手(2’00.633)に甘んじ、Q2に向けてスタンバイしていたアンドレアが予選を戦うことは叶わなかった。


9月30日(日)、心配された台風の接近は避けられたが、朝のフリー走行は雨が残り、9:20、霧の中でセッションがスタートした。しかし20分ほどで濃霧による視界不良のためセッションは終了。また代替として予定された11:00(30分間)からの走行も天候回復がせずにキャンセルされた。ドライバー達はグランドスタンドにて選手紹介などのイベントに参加し、荒天にも関わらず来場したファンに感謝の気持ちや決勝レースへの意気込みなどを伝えた。

そして、いよいよ14:00を迎え、65周によって戦われるレースがスタート。霧は晴れ、雨はほぼ霧雨に変わったもののコースは依然としてしっかりと濡れている状態。ポールポジション獲得の興奮から一夜明けたLEXUS TEAM WedsSport BANDOHのアンドレ・クートは、セーフティカー先導による2ラップを経て決勝レースのスタートを切った!
GT500クラス全15台のマシンが高い水しぶきをあげてスタートダッシュ。アンドレはポジションをキープするが、3周目に23号車(MOTUL AUTEC GT-R)にトップの座を譲り、2番手で走行を続ける。11周目、GT300クラスの 1台がクラッシュしたため、セーフティカーが導入された。SC先導による隊列走行は3周に渡って続けられ、トップと2番手とのギャップは振り出しに戻った。その頃になるとコースの一部でレコードライン上の路面が徐々に乾き始めていた。
グリーンフラッグが振られ、レースが再開された17周目、19号車は後方の24号車(D’station ADVAN GT-R)に交わされ3番手へ。しかし、WedsSport ADVAN SC430を操るアンドレ・クートは落ち着いてレースを進める。
やがて27周目。トップのマシンを2番手、3番手が交わし、アンドレ・クートは2位に戻る。そして、31周目、クートはGT300の1台につまった24号車を見事に交わしてトップを奪回! しかし34周目には再び2位へ・・・と2台のヨコハマユーザーの激しいトップ争いのバトルが続く。
そして41周のスティントをアグレッシブに走りきったアンドレがピットイン! 給油、タイヤ交換を終えたWedsSport ADVAN SC430には荒聖治が乗り込み、レース後半へと挑んだ。
4番手で戦列に戻った19号車は50周目に3番手の23号車をパスして3位へ浮上! しかし後方から猛追してきたミシュランユーザーの1号車(S Road REITO MOLA GT-R)に交わされて4位に後退する。それでも次の周には24号車をパス・・・ところがその矢先、GT300との接触を避けようとして思わずスピン! 19号車は4位をキープしたままコースに戻った。そして何と最終ラップに24号車を再び交わして3位に上がると、そのままチェッカーフラッグを受け、2戦連続のポディウムフィニッシュを飾った。

アンドレ・クート
「とても良い週末でした。特にポールポジションもとれましたしね。今日のレースは、僕のスティントもとても混戦で、バトルも激しく大変でしたが、タイヤもマシンのセットアップも良かったので、楽しいレースができましたし、2戦連続で表彰台に立てました。今日チャンピオンが決まった友達、ロニー(クインタレッリ)には心からおめでとう! 僕達も是非このペースで最終戦(10/27-28 もてぎ)で優勝を目指します!」

また、アンドレア・カルダレッリはKeePer Kraft SC430を操り、13番手からのスタートを任された。滑りやすい路面を巧みなドライビングを見せて7周目に12位に上がる。しかし18周目、セミウエットコンディションを得意とするダンロップタイヤを装着した32号車(EPSON HSV-010)に交わされ13番手へ。しかし、20周目に8号車(ARTA HSV-010)をパスして12番手に浮上。 やがて、33周を終えたところで9番手で挽アンドレアはピットイン。KeePer Kraft SC430をチームメイトの国本雄資に託した。既にピットストップを終えたマシンに交わされ12番手でコースへ戻った国本も他車とのバトルを制し、或いはスピンしたマシンを交わして41周目までに10番手までポジションアップ。しかし52周目に39号車(DENSO KOBERUCO SC430)に先行を許して11位へ後退するが、そこからミスないドライビングで順位を上げ、9番手まで浮上した。だがそのペースも61周まで。リヤタイヤのパフォーマンスが低下したことから緊急ピットインを余儀なくされ、13位で今日のレースを終える結果となった。

アンドレア・カルダレッリ
「今日は13番手から追い上げる展開で、厳しいレースになるとは思っていました。僕のスティントは、序盤チョイスしたタイヤに少し苦しみましたが、少し路面が乾き始めてからはタイヤを温存しながらも良いペースでドライビングでき、ポジションもいくつか上げることができました。でも、結果は残念でしたね。ともかくこの週末は流れが悪かったので、次戦ではチームと一丸となって納得のゆくレースをしたいと思います。応援をよろしくお願いします!」



Photos by T.Moriyama