2013 NEWS
タチアナ・カルデロン、コロナ禍に苦しんだ2021年SUPER FORMULAを締めくくる。
今季、ThreeBond Drago CORSEのレギュラードライバーに起用されていたタチアナ・カルデロンだったが、コロナ感染防止対策によりSUPER FORMULA第3戦~第5戦までの3大会の欠場を余儀なくされた。そのシーズンもいよいよ最終戦となり、タチアナは悔いのないレースを目指して、鈴鹿サーキットの大舞台へ挑戦した。
11月30日(土) 公式予選日
朝のフリー走行(8:50-10:20)は、秋晴れに恵まれ、タチアナ・カルデロンは、マシンのセッティングを進めながら29周をドライビングし、1’39.657の19番手でセッションを終えた。
そして、公式予選Q1の時刻を迎え、タチアナはBグループ(14:05-14:15)にて果敢にアタックするも1’39.627のタイムに甘んじQ2への進出には届かなかった。
11月31日(日) 決勝日
朝のフリー走行(9:05-9:35)は、生憎の小雨となり、レインタイヤでのセッションとなった。カルデロンは10周をドライビングし、午後の決勝レースへ駒を進めた。
天候は徐々に回復し、決勝スタート時刻の14:00 に雨はほぼ止んだことから、全車スリックタイヤでレースの火蓋が切られた。
最後尾からスタートしたタチアナ・カルデロンは、ストールした1台のマシンを巧みに交わし、30周にわたるレースに挑んだ。コースオフやペナリティーを受けたマシンを尻目に一時は17番手を走行。やがて、11周目にチームは12号車をピットインさせ、タイヤ交換を行い、再びタチアナ・カルデロンはコースへ戻った。
そして、体力的にも厳しい世界屈指のグランプリコースにもかかわらず、唯一の女性ドライバーとして30周を走りきり19位でチェッカーフラッグを受けた。
タチアナ・カルデロン
「3戦連続欠場となったシリーズで、ハンディーを負う結果となり、今日の自分のパフォーマンスにも全く満足していません。でも、このF1の次に速くハイレベルなSUPER FORMULAを経験できたことは私にとって貴重な経験となりました。ThreeBond Drago CORSE、スポンサー各社、そして沢山のファンのサポートを頂き、心から感謝しています。有難うございました!」
Photos by MASARU HIRATA
半年ぶりに参戦を果たしたタチアナ・カルデロン、意気込みと期待とは裏腹にリタイヤに終わる。
日本には入国できるものの、EUでの活動の日程との兼ね合いで日本政府が設けたコロナ感染拡大防止措置(14日間の自粛隔離)に沿えず、過去3戦を欠場を余儀なくされていたタチアナ・カルデロン。そのままならない状況からようやく解放され、2021年シーズン残り2戦を戦うため入国を果たし、まずもてぎ大会へ出場となった。
「日本に戻って来られたこと、ThreeBond Drago CORSEとの再会、そして12号車のドライビングができることが本当に嬉しい。」と喜ぶタチアナは、満面の笑みを浮かべて舞台となるツインリンクもてぎへ乗り込んだ。
10月16日 公式予選日
朝のフリー走行(9:10-10:40)は、どんよりとした曇り空(気温19℃、路面温度23℃)のもとでスタートし、終盤細かい霧雨となったが、ドライタイヤのみでセッションを終えることとなった。
ThreeBond Drago CORSEとタチアナ・カルデロンは、今季第2戦鈴鹿(4/24-25)以来の走行、タチアナのもてぎでのドライビングは昨年の開幕戦(2020年8/29-30)遡り、気候条件もまったく違うことから、様々なセッティングを模索しながらのセッションとなった。
そんな中、残り時間でニュータイヤを装着してマシンの仕上がりを確認しようとしていた矢先、タチアナは最終コーナーでコースオフを喫し、18番手(1’32.292)に甘んじた。
そして、プログラムは公式予選へと進んだ。
タチアナ・カルデロンは予選1回目Q1のBグループ。13:56からスタートした10分間のセッションは辛うじてドライコンディションのもと行われた。朝のフリー走行でのマシンチェック後、ニュータイヤを装着して出走したタチアナだったが、タイヤのピークをつかむには1ラップ足りないまま、10番手(1’31.780)で終わり、Q2への進出は叶わなかった。
10月17日(日) 決勝日
決勝日のフリー走行(10:50-11:20)は予報通り冷たい雨が降る中、19台のマシンが出走。気温15℃/路面温度17℃と前日よりタイヤが温まりにくい条件となった。
SUPER FORMULAのウェットコンディションでは初めての経験となるタチアナ・カルデロンだったが、本降りとなる路面状況やレインタイヤの感触を確かめながら慎重にドライビングを行った。
その雨も、決勝レーススタート時の14:45までには止み、35ラップにわたるレースの火蓋がきられた。
路面状況はまだウェットだったため、全車レインタイヤでスタート。19番手(エンジン交換によるグリッドダウン)からのスタートをきったタチアナ・カルデロンも果敢にドライビングを続け、14番手までポジションを上げていった。そして、路面が乾き始めた11周目、セーフティーカーが導入された絶好のタイミングでチームはタチアナへピットインを指示。レインタイヤからスリックタイヤへ交換し、そこからの追撃に期待がかかった12号車は再びコースへ戻った。
しかし、なんと17周目に入った2コーナーで、タチアナ・カルデロンは痛恨のスピン!マシンをコントロールできないまま、ガードレールにマシンをヒットさせてしまった。幸いドライバーに怪我はなかったが、自身にとって、SUPER FORMULAでは初めてのクラッシュを喫し、悔しいリタイヤで幕を閉じることとなった。
タチアナ・カルデロン
「ふう・・・。なんと言えばいいのか・・・本当にタフでチャレンジングな週末でした。走行時間を最大限に生かせず、日本で初めて完走が果たせなかったレースとなりとても残念です。これからチームと問題点をチェックし、鈴鹿では万全な体制で臨みたいと思います。
でも、久しぶりに日本のファンの皆さんの応援を頂いて、とても嬉しく感謝しています。次回、最終戦の鈴鹿では悔いのないレースをお見せしたいと思っています。引き続き、応援をどうぞよろしくお願いします!」
Photos by MASARU HIRATA
タチアナ・カルデロン、世界屈指のサーキットの攻略を果たせず、予選19位、決勝17位に終わる。
コロナ禍の様々な厳しい制限が続くものの、”Suzuka 2&4 Race”は鈴鹿サーキットを舞台にファンを迎えての開催となった。
開幕戦の富士にて好感触を得たSUPER FORMULA唯一の女性ドライバー、ThreeBond Drago CORSEのタチアナ・カルデロンは、ポイント獲得を目標に鈴鹿サーキットへ乗り込んだ。
4月24日(土) 公式予選
鈴鹿サーキットは穏やかな天候に恵まれ、朝の公式練習(10:15-11:45)に19台のマシンが出走。タチアナ・カルデロンは、午後の予選に向けてマシンの調整を行いながら28周をドライビングした。
しかし、3月11-12日に同サーキットにて行われた合同テストとは気温、路面条件も異なり、また中高速が続く難易度の高いコースレイアウトなため、カルデロンは満足できるようなマシンのセットアップを煮詰めることができず、12号車のタイムは1’40.377に留まった。
この状況を打破するために、チームはマシンのセッティングを変更したものの、公式予選Q1(B組)では、タチアナのパフォーマンスが大きく改善することが叶わず、ここで敗退。タチアナ・カルデロンの予選結果は19番手タイム(1’39.187)となった。
タチアナ・カルデロン
「3月のテストとは別もののサーキットで、あらゆる面でエンジニアと話し合って朝のセッティングを進めましたが、自信を持ってプッシュできる状態までには至りませんでした。ですから予選に向けては、もう一度やや基本的なセットアップに戻してチャレンジしました。走り出しでバランスの良さは感じましたが、10分間のQ1、許される1アタックでは自分のパフォーマンスを出し切れませんでした。これが私たちの課題・・・残念です。」
4月25日(日) 決勝日
やや風は強かったものの、決勝日も終日ドライコンディションのもと、2輪・4輪のレースが開催された。
8:40から30分に渡るフリー走行を経て、いよいよ30周に及ぶ決勝スタートの時刻(14:30 )を迎えた。
タチアナ・カルデロンは19番手からスタートをきめ、前方の集団から引き離されることのないペースで序盤をプッシュ。そして、トラブルを抱えたマシンによりSCが導入された10周目終わりで、ピットイン!チームは素早いタイヤ交換作業を終え、タチアナを再びコースへ送った。
そこから、粘り強いドライビングを続けたタチアナ・カルデロン。しかし、タイヤの摩耗を感じ、順位を大きく上げるには至らないまま30周完走を果たしたものの、17位でチェッカーを受けた。
タチアナ・カルデロン
「タフなレースでした。決勝でのマシンバランスは悪くなかったのですが、リアタイヤのグラデーションも大きく、厳しいドライビングとなってしまいました。
今回のレースウィークは、走り出しから良い流れをつかめず、ストレスの大きな悔しい結果でした。ファンの皆さんへも私の良いパフォーマンスをお見せできずに残念・・・。色々反省して次戦へ挑戦したいと思っています。」
2年目のSUPER FORMULAに挑むタチアナ・カルデロン。目標だった予選Q1を突破し、決勝は13位完走を果たす。
2021年SUPER FORMULAが4月24-25日、桜が満開の富士スピードウェイを舞台に開幕し、厳しいコロナ感染拡大防止策がとられながら、2日間延べ19,100人の観客を迎えての開催となった。
ThreeBond Drago CORSEとタッグを組み、2シーズン目となるコロンビアの女性ドライバー、タチアナ・カルデロンは、3月11-12日(鈴鹿サーキット)と3月23-24日(富士スピードウェイ)にて行われた公式テストを経て、その第1戦へ挑んだ。
4月3日(土) 公式予選
春の富士山麓は晴れ、9:00より90分にわたるフリー走行が行われた。タチアナ・カルデロンは、12号車のセッティングを進めながら35ラップを走り、13番手タイム(1’22.427)でセッションを終えた。
そして、公式予選Q1へと時刻は進んだ。タチアナはA組(14:40-14:50、9台)の枠から出走。フリー走行で得たマシンの好感触もあり、全力でアタックをし、6番手(1’22.820)のタイム!自身が目標としていたQ2への進出を果たした。
そして、Q1のA組・B組上位14台で競われるQ2(15:20-15:27)では、1’22.584とタイムは更新したものの、僅差で11番手に甘んじ、Q3への切符を手に入れることは叶わなかった。
タチアナ・カルデロン
「チームが本当に良い仕事をしてくれたおかげで、Q2へ進み、まずは目標を一つクリアーできて良かったです。
Q2ではセクター3で若干タイムロスしてしまいQ3へ進めず、残念でした。明日は11番手からのスタート。天気がちょっと心配ですが、ウェットも好きなので、次の目標のポイントゲットに向けて頑張ります!!」
4月4日(日) 決勝日
9:25から行われたフリー走行はドライコンディションのもと行われ、各チームとドライバーは決勝に向けた最後のマシン調整を行った。その後、ピットヴューイングなどのファンサービスが行われ、タチアナは笑顔で写真撮影に応じるシーンも見られた。
そして14:10、上空には予報通り雨雲が広がっていたが、18台のマシンはドライコンディションのもと、スタートの火蓋を切った。
6列目のThreeBond Drago CORSE 12号車のタチアナ・カルデロンは、低い路面温度で温まらないタイヤに苦しみ、若干ホイルスピンからスタートダッシュとはならず、オープニングラップで2ポジション落としてしまった。しかし、タチアナは果敢に戦列の中で周回を重ねてゆく。
しかし、タチアナとチームを結ぶ無線に不具合が生じ、ピットインを指示するエンジニアからの声がタチアナへ届かないハプニングが起こった。サインボードによってチームの作戦から4周遅れて、24周終わりにようやく12号車はピットへ戻り、規定のタイヤ交換を行い、再びコースイン。
やがて、レースが30周目に入りウェット宣言が出され、後半は霧雨が落ち始め難しい路面コンディションへとなっていったが、全車スリックタイヤでコースに留まり、41周のレースはフィニッシュ。終盤、タチアナ・カルデロンは3台のマシンとのバトルを展開したものの、イェローフラッグに阻まれ、13番手でチェッカーフラッグを受けた。
タチアナ・カルデロン
「ポイントを取れず、本当に悔しいです・・・。マシンバランスはとても良かったのですが、路面温度が低かったのでタイヤのウォームアップが難しく、ストレートスピードも他のマシンに負けていて、私たちはそれらの課題をクリアーにする必要があります。それでも、今週末、私たちは更に進歩しているので、ポジティブな気持ちで次戦へ向かいます。
第2戦(4/24-25)はタフな鈴鹿サーキット。難しいサーキットですが、それだけにどんなチャレンジになるのか、ワクワクしています。どうぞ引き続き応援をよろしくお願いいたします!」
2020年シーズンを締めくくる最終戦。タチアナ・カルデロンはスタート時のトラブル跳ねのけ、ポテンシャルを披露し17位完走。
新型コロナウィルスの世界的感染拡大に始まり、SUPER FORMULAも大幅なレースカレンダー変更を強いられたが、そのシリーズ最終戦は富士スピードウェイを舞台に無事開催された。
ThreeBond Drago CORSEから参加のコロンビアの新星、タチアナ・カルデロンは前回の鈴鹿大会における2レースを経て、更なる飛躍を目標に最終戦に臨んだ。
12月19日(土)フリー走行
タチアナ・カルデロンにとり、他のサーキットとは違い、富士スピードウェイは3月24-25日の公式テストで走行経験済み。タイヤウォーマーの使用もあり、走り出しから躊躇することなく午前の走行(10:00-11:00)を開始し、徐々にラップタイムを縮め、12番手(1’22.280)。
午後(15:00-16:00)は気温が下がり、自己ベストタイムは1’22.118と更新したものの、ライバル勢のタイムからは19番手へ後退。マシンのバランスは良かったもののニュータイヤの温めにルーキーは悩んだようだ。
12月20日(日) 公式予選&決勝
富士山麓は底冷えする寒さだったが、上空には真っ青な空が広がるレース日和となった。
公式予選Q1(B組10:15-10:25、気温7℃/路面温度13℃)に出走したカルデロンは、トップとの差を0.976秒まで縮めた1’21.674と健闘。それでも、僅差でQ2への切符を得られず、決勝レースを19番手からスタートすることとなった。
決勝レーススタートは、ウォームアップ走行中に火災車両があったため、その処理のために約20分のディレイ、28周のレースとなり、14:47にフォーメーションラップが開始された。(気温8℃/路面温度10℃)
しかし、そこで、なんとタチアナ・カルデロンの12号車にクラッチトラブルが発生!スタートが出来ないまま、マシンはピットへ戻され、再度エンジンをかけた状態からレースへ加わるアクシデントに見舞われた。このことにより、既に戦列から1ラップ遅れとなり、勝負権は失ったタチアナだったが「レースでは起こりうること。その瞬間、ともかく完走し、より多くのマイレージによってマシンやタイヤのことを学ぶことに考えをスイッチした」とレース後に語っている。
最後尾でドライビングを続ける12号車は15周を終えたところでピットイン。フレッシュタイヤに交換しコースへ戻ったカルデロンは、そこから果敢にハイペースでタイムを刻み、なんと18周目時点ではセクター2の総合ベストタイムを叩き出すなど、その健闘ぶりにピットで見守るチームから歓声が沸いた。
その後も、疲れを見せず快走を続けたタチアナ・カルデロンは1ラップ遅れとなったものの、17位でチェッカーフラッグを受け、2020年のSUPER FORMULA シリーズを終えた。
タチアナ・カルデロン
「鈴鹿でのタフな経験の後、私は更に成長したと感じています。マシンにもだいぶ慣れ、自信も生まれてきました。今日のレースもスタートでのトラブルさえなければポイント圏内で終われたと思います。
今年はコロナ禍で2戦も参加できず、そのフラストレーションは大きかったですが、参加した5戦はすべて完走し、多くのことを学びました。こうして最終戦を終えられ、SF19の素晴らしさに改めて感動し、ThreeBond Drago CORSEチームとの絆を深められ、本当に幸せに思っています。日本のファンの皆さんからの温かい応援にもとても勇気づけられ、感謝しています。有難うございました!
来年も、このF1に次ぐハイレベルな選手権に是非参加したいと願っています!」
Photos by MASARU HIRATA
世界中のドライバーの憧れ、鈴鹿サーキットにタチアナ・カルデロンが初挑戦。ポイントゲットも見えた活躍で荒れた2レースとも完走を果たす。
1大会2レース制として開催されたSUPER FORMULA Rd.5 & Rd.6。舞台はF1 GPも行われる世界屈指の鈴鹿サーキット。コロンビア出身の女性ドライバー、タチアナ・カルデロンは、事前にシミュレーターなどを駆使し予習しサーキット入りをしたものの、実走ではその高速でタフなレイアウトに驚くと同時に、SF19のマシンのスピード、ハイダウンフォースの走りに魅了され、2日間にわたる公式イベントで更なる進歩を遂げた。
12月5日(土) 第5戦 公式予選&決勝
前日のフリー走行での慣熟走行とマシンのセッティングをベースに、タチアナはThreeBond Drago CORSEの12号車を操り、9時30分から10分間で行われた公式予選Q1(B組)に出走。今回から使用が許可されたタイヤウォーマーの助けもあり順調な周回を進め、ベストタイムは9番手(1’37.649)で、Q2への進出は逃したものの、ベテラン勢の多い中での活躍は高評価を得た。
そしていよいよ20台のマシンによる30周にわたる決勝レースへと時刻迫っていった。(ドライコンディション、気温16℃/路面温度19℃)。
13:15、フォーメーションラップがスタート。しかし、そこで停止車両があったため、エクストラフォーメーションが2周加わり、レースは28周で競われることになった。
実質16番手からスタートをきった12号車だったが、開始早々に2台のマシンが戦列を離れたため、SCが導入され、波乱のレースの幕開けとなった。しかし、タチアナは落ち着いてドライビングを重ね、11周を走り終えたところでルールのタイヤ交換のためにピットイン。しかし、タイヤ交換に手間取り、さらにタチアナはクラッチミートが合わずにエンジンストールを喫してしまった。そのことにより、12号車は大きく順位を落としてしまった。
しかし、その後他車のアクシデント等によるSC導入により、タチアナはそのギャップを縮め、終盤ではコースやドライビングになれてきたため、自己ベストタイムを更新する快挙も見せ、13位でチェッカーフラッグを受けた。
タチアナ・カルデロン
「レース関係者や友人のドライバーから聞いていたとおり、鈴鹿は“ワオ!”というのがSFで最初に走った時の第一声でした。本当にチャレンジングでタフなコースですね。F1と予選タイムが匹敵するほど素晴らしいSFマシンですが、まだ私には自信とマシンへの信頼がもう少し必要。でも今日1日の走行で、エキストラフォーメーション、SC解除後のプッシュの難しさ、ピットストップ、チームとのコミュニケーション等々、色々多くの事を更に学ぶことができました。セッションごとにマシンセッティングも前へ進んでいることが実感できて、とてもポジティブで喜んでいます。明日は今日の経験を踏まえて、更にタイムアップし、決勝では一つでも上位を目指したいと思っています。」
12月6日(日) 第6戦 公式予選 & 決勝
前日のタフなレースの疲れも見せず、好天の続く中、タチアナ・カルデロンは2レース目の朝を迎えた。
再び公式予選Q1(B組、9:35-9:45)に挑んだ12号車は、前日の予選よりタイムを0.885秒縮め、1’36.764を記録。ルーキーにとり、10分間で行われる予選の壁は厚く、Q2への進出は叶わなかったが、確実な進歩を遂げていた。
そして13:15 迎えた決勝レース(ドライコンディション、気温16℃/路面温度24℃)の火蓋が切られた。
タチアナ・カルデロンはエンジンストールで止まった車両を交わし、17番手でレースをスタート。しかし2周目で2台のマシンが起因するSC導入となり、16番手へポジションアップ。その後もトラブルが出たマシンによるSC導入により13番手となった12号車は、10周を終えたところでピットイン!見事なピットワーク、タチアナのリスタートが功を奏し、なんと11番手でコースへ戻った。
その後、3回目のSCが導入され、レースは荒れた展開。粘り強くポジションをキープし、プッシュを続けゴールを目指していたカルデロンだったが、最終ラップで後方の1台のマシンに交わされ、12位でレースを終えた。
タチアナ・カルデロン
「鈴鹿デビューのドライバーは私一人だったこともあり、なかなか難しい2日間でした。それでも、もう少しでポイント圏内という結果までいけたのは良かったと思っています。今日のレースは戦略的にも、ピットストップも上手くゆき、コース上でのファイトもできたので、楽しめました。
次戦富士では、Q2への進出、ポイントゲットを目標に、悔いのない最終戦としたいと思っています。ThreeBond
Drago CORSEへの応援をどうぞよろしくお願い致します!」
オートポリス戦より復帰のタチアナ・カルデロン、タフなコースで16位完走の健闘!
SUPER FORMULA 開幕戦(もてぎ)で念願の日本最高峰のフォーミュラーレースでデビューを果したタチアナ・カルデロンだったが、その後、ヨーロッパでのレースとコロナ感染拡大防止策の制約の狭間により第2戦(岡山)、第3戦(菅生)の連続欠場を余儀なくされていた。
しかし、ようやく第4戦からの出場が叶い、再びThreeBond Drago CORSE SF19を操り、チャレンジングなレースウィークを過ごした。というのも、カルデロンにとり、舞台となったオートポリスは未知のサーキットであり、また彼女がイメージしていたコースよりはるかに高低差があり、中高速コーナーが続く手ごわいレイアウトだったからである。
11月4日(土) 公式練習
コロナ禍で11月開催となった阿蘇の外輪山に位置するオートポリスは、快晴に恵まれたこともあり予想に反して暖かい週末となった。
2か月半ぶりにフォーミュラーカーに乗り込み、2回にわたるフリー走行で、タチアナはコースの習熟走行とThreeBond Drago CORSEのチームクルーと共にマシンのセッティングを煮詰めていった。
前日に続く見事な秋晴れのもと、朝10時20分より、公式予選1回目Q1 (A組、気温21℃/路面温度25℃) がスタート。この組で出走したカルデロンだったが、これからアタックという場面で他車のコースアウトによる赤旗中断となる。そして、予選再開後の許されたセッションは残り3分・・・装着したニュータイヤを温めきれず、9番手タイム(1’27.168)に甘んじ、Q2への進出は果たせなかった。
そして時刻は決勝スタートの14時40分を迎えた。(気温22℃/路面温度28℃)
18番手からのスタートとなったタチアナの12号車は、スムーズなスタートをきり、ストップした前方のマシンをも巧みにかわし、42周に渡る戦いへ挑んでいった。オープニングラップで1ポジションダウンとなるが、粘りの走りでライバル達に喰らいついてゆく。
その後12ラップを終えたところで、タイヤ交換のためにピットインを行い、素早くコースへ戻った。そして、終盤には体力の消耗もみせず、39ラップでは自己ベストタイムを更新(1’30.432)。更に前方のライバルに0.6秒のところまで迫るパフォーマンスも見せたが、オーバーテイクには至らず、16位フィニッシュとなった。
タチアナ・カルデロン:
ようやくシリーズに戻れたことが何より嬉しいです。私は2戦連続レースに出場できず、本当に悲しかったですが、その間チームは、経験豊富な塚越選手と共にさらにマシンを進化させてくれたのでとても感謝しています。
まだSF19をドライビングするのはテストを含めて3回目で、すべてのサーキットが初めての私にとっては学ぶことが多い段階ですが、ThreeBond Drago CORSEと一緒にこのオートポリスでもセッションごとにポジティブな方向へ進むことができたので、これからの進歩がとても楽しみです。
次は憧れの鈴鹿サーキットでの2レース。私にとってはとてもタフな、でも、とても挑戦したいレースです。
本当にハイレベルなシリーズですが、ポイントゲットを目標に邁進してゆきますので、引き続き応援をどうぞよろしくお願いします!
Photos by MASARU HIRATA
SUPER FORMULAがコロナ禍で遂に開幕! ルーキー女性ドライバー タチアナ・カルデロン、デビュー戦で大健闘!!
全世界で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け、今季のSUPER FORMULAはカレンダーの大幅見直しを余儀なくされ、本来4月4、5日に鈴鹿サーキットで開催予定だった開幕戦が8月29、30日、ツインリンクもてぎに舞台を移し、主催者、関係者による万全の感染防止対策のもとで行われた。レースは通常の土曜日に公式予選、日曜日に決勝というスケジュールではなく、決勝日朝に公式予選を行うワンデーイベントとして実施された。
GRMのマネージメントのもと、コロンビア国籍の女性ドライバー、タチアナ・カルデロンが今シーズンからThreeBond Drago CORSE TEAM に加わり、SUPER FORMULAにフル参戦することになった。3月24、25日に富士スピードウェイで実施された公式合同テストでSF19の初ドライブを果たしたカルデロンだったが、その後はコロナ禍でテストもままならず、約5か月のブランクを経験することになった。
この間、自身の居住地(スペイン)もロックダウンされたカルデロンだったが、体力づくりのトレーニングを欠かさず行い、7月からはヨーロピアン・ル・マン・シリーズのトップカテゴリー、LMP2クラスで2戦に参加した(https://www.europeanlemansseries.com/pilot/9665?year=2020)。
こうした期間を経て、来日を果たしたタチアナ・カルデロンは、8月28日金曜日に2時間に渡って行われた公式練習に臨み、久しぶりのSF19を初めてのサーキット、ツインリンクもてぎでドライブした。改めてSUPER FORMULAマシンの素晴らしさに感動したカルデロンは、「ドライビングがとても楽しかった!」とセッション後、興奮気味に語った。
翌8月29日土曜日には午前、午後各1時間のフリー走行が実施され、ここで本格的にマシンのセッティングへとメニューを進めていった。
しかし、8月30日日曜日朝に行われた公式予選では、タチアナはルーキーならではの苦戦を強いられ、タイムを伸ばせないままQ1で敗退してしまう(B組1分33秒227)。「タイヤを上手く温められず、ドライビングも酷かった」と悔しさを滲ませた。
そして、いよいよ2020 SUPER FORMULA第1戦、カルデロンにとって初の決勝レースへと駒が進められた。スタート予定時刻の14時15分時点の天候は晴れ、気温40℃、路面温度46℃。ドライバー、マシン、そしてタイヤにとって非常に過酷なコンディションとなった。
そんな中、カルデロンは35周にわたるレースへ。前方には百戦錬磨のベテランドライバー達も多い17台が控える中、最後尾から好スタートを見せた12号車のタチアナはライバル達に喰らいついてゆく。オープニングラップで戦列を離れた2台を尻目に、2周目からは16番手に順位を上げる。
その後、チームからの指示により、タイヤの摩耗でペースが落ちてきた17周終了時点でピットイン。クルーは素早い作業でタイヤ交換を行い、タチアナを再びコースへと送り出す。ここでタチアナは、チームの期待に応えて果敢なドライビングで好タイムを連発(ベストタイム1分36秒724はホンダエンジン搭載車で3位)。この絶妙な戦略と12号車の好走により、タチアナ・カルデロンは後半を12番手を死守しレースを進めた。
そして、なんと最終ラップには後方から迫る山本尚貴とバトルを展開。最終コーナー手前からオーバーテイクを狙うSUPER FORMULA2冠の山本尚貴を見事に抑え込んだタチアナ!この瞬間、場内では大きな歓声が沸き、紅一点で闘うドライバー、タチアナ・カルデロンの気迫ある走りに大きな称賛の拍手が送られた。そのままポジションをキープしたカルデロンは12位でチェッカーフラッグを受けた。
タチアナ・カルデロン
「まずは、SUPER FORMULAデビューを無事終えることができ、ほっとしています。このレースウィークに多くのことを学びました。それらは次戦以降に大きく役に立つことばかりなので、その点では満足しています。ただ、予選では本当にがっかりでした。タイヤの使い方や、戦略など反省すべき点が多くあります。とはいえ予選は常に難しく、課題がつきまとうもの。次戦ではこの経験を生かして、もっと上を狙います。
決勝レースは、最後尾からのスタートで、私たちは失うものはありませんでしたが、チームが素晴らしい戦略と見事なピットワークをしてくれたおかげで、ポイントこそ逃しましたが、12位で完走できましたし、最後の山本選手とのバトルもとても楽しめました。SFマシンで35ラップをプッシュし続けたのは初めの経験でしたし、気温が高く、自分のレースキャリアの中でも最もタフなレースでしたが、体力や精神力は大丈夫でした。それに、タイヤの摩耗などレース中に学べたことがたくさんあり、今後の自信にもつながりますし、とても良い週末になりました。
このような素晴らしいシリーズの大舞台に立つことを可能にして下さったDrago CORSEチーム、サポートして下さるThreeBond, BANDERO, KOEの各社様、そして関係のすべての方々に心から感謝しています。皆さんとこれからのシーズンを共有できることを本当に嬉しく思っていますし、沢山のファンが応援して下さるよう、良いレースをお見せしてゆきたいです!この後、私はフランスでル・マン24時間への参戦が控えていますが、次のSUPER FORMULA第2戦(9月26、27日、岡山国際サーキット)で、日本の皆さんとまたお会いできるのを楽しみにしています!」
アンドレ・クート、オーストラリア初開催のアジアン ル・マン第2戦はクラス7位で完走
アジアン ル・マン第2戦 ” 4 Hours of The Bend“は、1月11日-12日、初夏の南オーストラリアの新設サーキット、ベンドモータースポーツパークにて開催された。
アデレードより車で約1時間の位置にある広大なスケールのサーキットは、全長7.77km、35コーナーで構成されているドライバーにとってはタフで攻めがいのあるレイアウトとなっている。
JLOCから出場のアンドレ・クートも、1月10日(金)に行われたプライベートテストでLamborghini Huracan GT3 EVOでの初めての走行後、「他に似たサーキットはない。ストレートがほとんどなく、右へ左へ、微妙な上り、下りがあるコーナーが連続し、またそれぞれのコーナーの深さ、浅さに特徴がある難しいコース。でも、僕たちのマシンには合っていると思うよ。」とコメントしている。
1月11日(土) 公式予選
前日のフリー走行1回目に続き、予選日午前中に行われたフリー走行2回目でも、アンドレ・クート、元嶋祐弥、柴田優作を擁するJLOCは好調にタイムを更新し、それぞれのセッションで、GTクラスのトップタイム(1回目 2:59.913、2回目 2:58.787)で好調さをアピールした。
やがて、GTクラスの公式予選(14:00-14:15)がドライコンディションのもとに行われた。
アジアンル・マンは1名のドライバーのみが15分間のアタックを行うルールで、JLOCからはアンドレ・クートがその大役を務め、フリー走行まで順調な仕上がりだった88号車のポールに期待が高まった。しかし、ライバル勢のタイムが勝り、JLOCの順位は6番手(2:58.605)に留まった。
1月12日(日) 決勝
快晴に恵まれたベンドでは、多くのレースファンが集まり、11:00からのピットウォークではドライバーのサイン会などが和やかに行われた。
やがて時刻は決勝スタートの13:00を迎え、4時間にわたるロングレースの火蓋が切られた。
JLOCのスタートドライバーを任命されたアンドレ・クートは、ローリングスタート直後に前の3台の間をすり抜ける好ダッシュをみせたが、その矢先、T26付近で前2台の接触のあおりで1台のマシンと絡み、またその勢いで他車にもヒットされてしまう不運が重なった。その際に負ったマシンダメージにより、88号車はピットでの修復を余儀なくされ、戦列からは大きく後退。それでも、メカニックの力で修復されたマシンは再びコースへ!元嶋、柴田、クートの順でステアリングを繋ぎ、クラス7位でレースを終えた。
アンドレ・クート
「このレースを落としてしまったことが悔やまれ、言葉になりません。前にいたドライバーは経験が浅いのか、右へ左へ蛇行、そして執拗なハードブレーキングで僕ともう1台のLMP3をブロックしてきたので、この3台が絡む接触を避けきれませんでした。本当に競争力のあるマシンを用意してくれたチームに申し訳ない気持ちで一杯です。でも、このレースウィークでも僕たちのペースが良いことを再確認したので、残り2戦では必ず優勝を狙ってゆきます。引き続き、応援をどうぞよろしくお願いします。」
アジアンル・マン第3戦は、マレーシア セパンインターナショナルサーキットを舞台に、2月15日-16日に開催される。
アンドレ・クート、JLOCとの初参戦で 2019-2020 アジアン ル・マン開幕戦にて GTクラス2位表彰台を獲得!
Asian Le Mansシリーズは、ル・マン24時間耐久レース等を主催するACO(Automobile Club de l’Ouestフランス西部自動車クラブ)がアジア地域を中心に展開するプロトタイプLMP2/LMP3とGT3が混走する耐久レースである。このシリーズでクラスチャンピオンを勝ち取ったチームはル・マン24時間耐久レースへのシード権を得られることもあり、年々盛んになっているインターシーズンイベントである。
そして、アンドレ・クートはSUPER GTで2019年シーズンを戦ったJLOCにより、アジア各地のサーキットも熟知しているベテランドライバーとして抜擢され、初参戦となるチームと共に2019-2020 Asian Le Mansシリーズ全4戦の開幕戦 ”4H of SHANGHAI”を戦った。
11月22日(金)練習走行
開催地となった上海インタナショナルサーキットでのレースウィークはまずプライベートテストで始まった。午前中にはチームとアンドレ・クート、元嶋裕也、柴田優作の3ドライバーは、サーキットの習熟と、シェイクダウン後、上海へ輸送されたニューマシン“Lamborghini Huracan GT3 EVO(88号車)”とミシュランタイヤとの相性を確認しながら無事ランオフを終了。また午後のフリープラクティス1(13:50-15:20)では、更にセッティング方向を見据えながらセッションを順調に終了した。
11月23日(土)予選日
フリープラクティス2(11:30-13:00)を経てGTクラスの予選が行われた。16:00から15分間で行われる予選に、JLOCはアンドレ・クートをアタッカーとしてコース送り出したが、88号車は7番手タイム(2:05.050)に留まった。セッション後、アンドレは「ミスなく渾身のアタックはしたが、思うようなペースは得られなかった。でも、レースは4時間だしグリットの位置は気にしていないよ。」とコメントした。
11月24日(日)決勝
9:45、総勢23台による4時間にわたる耐久レースの火蓋が切られた。
スタートドライバーを任命されたLamborghini Huracan GT3 EVOを操るアンドレ・クートは、GTクラスの7番手からスタートながらオープニングラップから果敢に攻め、34ラップを終えた1回目のピットストップまでになんと2番手まで浮上!そしてマシンを引き継いだ柴田も前のマシンを捕らえ、GTクラスのトップに躍り出て56ラップまでを走りきる快挙を見せた。
続く3つ目のスティントは、元嶋が担当。59周目にはGTクラスのファステストタイム(2:05.822)を叩き出しながらトップを快走!しかし、柴田から元嶋へ交代したピットストップ時に、チームは1分50秒以上の停止義務が1分49秒台だったという判定を受け、79周目で痛恨の1秒間のストップエンドゴーペナリティーを受けてしまった。
このことにより、88号車は2位へポジションダウン。チームは元嶋へダブルスティントを指示し、元嶋も最後まであきらめず順位の挽回を試みたが万事休す。JLOCは初陣を2位(18ポイント獲得)でフィニッシュすることとなった。
アンドレ・クート
「チェッカーまで30分というところまでレースをリードしていましたが、わずか0.7秒ピットストップ時間が足りなかったために残念ながら優勝を逃してしまいました。悔しいですが、これも次への教訓として生かしていきます。それに、私たちは初エントリーながら、開幕戦で表彰台に立てたことには満足しなくてはいけませんね。
レースでのマシンは、チームの力でとても良くなって、ミシュランタイヤとのマッチングもベストなセッティングで、SUPER GTとは違うワンメイクタイヤでのレースも楽しめました。チームJLOCとチームメイト達に心から感謝しています!」
次戦なるAsian Le Mans第2戦は、2020年1月10-12日、南オーストラリアに位置する新サーキット The Bend Motorsport Parkにて開催される。
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