2012/10/28
SUPER GT Rd.8 Motegi

アンドレ・クート、5位フィニッシュでシーズンを締めくくる。アンドレア・カルダレッリは、マシントラブルで無念のリタイヤ。

2012年シリーズを締めくくる2012 AUTOBACS SUPER GT “MOTEGI GT 250km RACE”が、ツインリンクもてぎを舞台に10月27日~28日開催された。
GRMドライバーのアンドレ・クートとアンドレア・カルダレッリは、今季の集大成としてこの1戦に臨み、両日延べ39,500人のGTファンが見守る中、それぞれチームと共にベストを尽くした。

10月27日(土)、穏やかな秋晴れに恵まれた公式予選日。
朝の公式練習(9:30~11:30)は、LEXUS TEAM WedsSport BANDOHのアンドレ・クート/荒聖治組が6番手(1’42.555)、LEXUS TEAM KeePer Kraftのアンドレア・カルダレッリ/国本雄資組は13番手(1’43.275)でセッションを終え、午後のノックアウト方式による公式予選へと駒を進めた。

そして、14:15~14:30(気温21℃)、GT500 15台によるQ1がスタートした。19号車WedsSport ADVAN SC430は、まず荒聖治がステアリングを握ってアタックし、11番手(1’42.501)のタイムでQ2への進出をきめた。そして、Q2(14:50~15:00)を担当したアンドレ・クートが1’42.141の好タイムを叩き出して3位をゲット! こうしてQ3へ難なく進んだWedsSport ADVAN SC430は、再び荒聖治がドライブして6番手(1’42.159)でセッションを終え、スターティンググリッド3列目を確定した。

アンドレ・クート
「朝の練習でセットアップやタイヤに幾つか問題があったので、その点を改善して予選に臨みました。チームのお陰で予想以上の良いマシンに仕上がり、トップ6の結果で終えられたのは良かったです。明日は悔いの残らないレースをしたいですね。」

一方、LEXUS KeePer SC430(35号車)のQ1を担当したアンドレア・カルダレッリだったが、朝からのマシンセッティングが詰めきれなかったためか、タイムは1’42.562にとどまり、12番手で予選を終えることになった。

アンドレア・カルダレッリ
「9月にここで行ったテストでは、マシンはとても競争力があったので、今回は自信を持ってサーキットに乗り込んだんですが、路面がかなり変わったのか・・・朝から思うようなタイムが出せず、予選もQ1で敗退する結果に終わってしまいました。でも、明日の決勝は天候次第で、また違った展開になるかもしれません。ともかく上位でフィニッシュできるようガンバリマス。」


10月28日(日)、厚い雨雲に覆われたツインリンクもてぎの朝のフリー走行(9:15~10:00、気温14℃/路面温度19℃)は、かろうじてドライコンディションで行われた。WedsSport ADVAN SC430は先ず荒聖治が乗り、次にアンドレ・クートが乗り継ぎ、決勝へのセッティングの最終チェックを行った。その中で、アンドレは全車中最速となる1’43.373のタイムを記録した。
また、LEXUS KeePer SC430にはアンドレア・カルダレッリがまず乗り込み、後半、国本雄資がドライビングし、15番手(1’45.209)で午後の決勝を待つこととなった。

フリー走行セッションの終了時間10:00を過ぎる頃から小雨が落ち始め、53周の決勝スタート予定時刻14:00(気温15℃)には完全にウェットコンディションとなった。スタートはローリングラップ中もレース周回に数えられる「セーフティカースタート」方式とされた。
セーフティカー先導によるローリングが2周に渡って行われた後、3周目からレースがスタートした。GT500クラス15台、GT300クラス23台が水しぶきを上げ、高いウォータースクリーンが作られる中でレースの火蓋がきられた。
スタートから3周目に2位を走行していたマシンがスピンしたことが原因の混乱により、6番手でスタートした19号車WedsSport ADVAN SC430のアンドレ・クートは一旦9番手まで順位を落としてしまう。しかし、クートは6周目に6番手まで挽回し、翌周には5番手、更に8周目に前を行くマシンを見事に交わして4番手へと順位を上げる。その後もクートは1分52秒台のハイペースで猛追し、11周目には3番手に浮上! そのポジションを堅持するクートは33周を終えてピットイン。タイヤ交換、給油を済ませた19号車は荒聖治に託された。タイヤ無交換、或いは2本のみ交換するという作戦をとったマシンの先行を許し、5番手でコースに戻った荒聖治の駆るWedsSport ADVAN SC430はレース後半をコンスタントに走行し、5位でチェッカーフラッグを受けた。

アンドレ・クート
「僕のスティントは、走り始めにタイヤが温まりにくくポジションを下げましたが、徐々に速いペースで攻められるようになり、3位まで浮上し、その順位のままセイジにバトンタッチすることができました。残念ながら戦略的にライバルに勝てず5位フィニッシュに甘んじましたが、最終戦でポイントを獲得できたことは良かったですね。本当に多くのファンの応援に背中を押されながらシーズンを闘うことができました。有難うございました!」

一方、12番手でレースをスタートしたLEXUS KeePer SC430のアンドレア・カルダレッリは11番手へと上がるが、ウェット路面に強いダンロップタイヤを装着する32号車(EPSON HSV-010)に交わされて12番手へ。そのポジションで我慢の走りを続けるアンドレアだったが、13周目にはスピンしたマシンを交わして11位に上がる。しかし、その2周後には再び12位へ。さらに21周目には早めのピットインを行うマシン2台、接触によって後退したマシンを尻目に9位へと浮上する。ところが27周目、何と35号車が“ダウンヒルストレート”でスローダウンしてしまう。アンドレアはピットまでマシンを戻したもののコースへ復帰することは叶わず、そのまま無念のリタイヤとなった。

アンドレア・カルダレッリ
「駆動系のトラブルでした。スタート直後、雨に強いライバルに交わされましたが、中盤はかなり良いペースでドライビングができました。当初の戦略どおり、ピットストップを遅らせ、ひとつでもポジションアップをして行く予定でしたが・・・最終戦がこういうカタチで終わってとても残念でした。今年はSUPER GTデビューイヤーで、数々のことを学びました。このチャンスを下さったTOYOTAさんやKRAFTのすべての方々に感謝しています。また来年もこの素晴らしいシリーズで戦いたいと思います。そして、ファンの皆さん、応援をどうも有難うございました!」

Photos by T.Moriyama