2020/12/20
2020 SUPER FORMULA Rd.7 Final (Fuji)

2020年シーズンを締めくくる最終戦。タチアナ・カルデロンはスタート時のトラブル跳ねのけ、ポテンシャルを披露し17位完走。

 


新型コロナウィルスの世界的感染拡大に始まり、SUPER FORMULAも大幅なレースカレンダー変更を強いられたが、そのシリーズ最終戦は富士スピードウェイを舞台に無事開催された。
ThreeBond Drago CORSEから参加のコロンビアの新星、タチアナ・カルデロンは前回の鈴鹿大会における2レースを経て、更なる飛躍を目標に最終戦に臨んだ。

 

 

 

 

 

 

 

12月19日(土)フリー走行

タチアナ・カルデロンにとり、他のサーキットとは違い、富士スピードウェイは3月24-25日の公式テストで走行経験済み。タイヤウォーマーの使用もあり、走り出しから躊躇することなく午前の走行(10:00-11:00)を開始し、徐々にラップタイムを縮め、12番手(1’22.280)。

 

午後(15:00-16:00)は気温が下がり、自己ベストタイムは1’22.118と更新したものの、ライバル勢のタイムからは19番手へ後退。マシンのバランスは良かったもののニュータイヤの温めにルーキーは悩んだようだ。

 

 

 

 

12月20日(日) 公式予選&決勝

富士山麓は底冷えする寒さだったが、上空には真っ青な空が広がるレース日和となった。

公式予選Q1(B組10:15-10:25、気温7℃/路面温度13℃)に出走したカルデロンは、トップとの差を0.976秒まで縮めた1’21.674と健闘。それでも、僅差でQ2への切符を得られず、決勝レースを19番手からスタートすることとなった。





決勝レーススタートは、ウォームアップ走行中に火災車両があったため、その処理のために約20分のディレイ、28周のレースとなり、14:47にフォーメーションラップが開始された。(気温8℃/路面温度10℃)

しかし、そこで、なんとタチアナ・カルデロンの12号車にクラッチトラブルが発生!スタートが出来ないまま、マシンはピットへ戻され、再度エンジンをかけた状態からレースへ加わるアクシデントに見舞われた。このことにより、既に戦列から1ラップ遅れとなり、勝負権は失ったタチアナだったが「レースでは起こりうること。その瞬間、ともかく完走し、より多くのマイレージによってマシンやタイヤのことを学ぶことに考えをスイッチした」とレース後に語っている。

最後尾でドライビングを続ける12号車は15周を終えたところでピットイン。フレッシュタイヤに交換しコースへ戻ったカルデロンは、そこから果敢にハイペースでタイムを刻み、なんと18周目時点ではセクター2の総合ベストタイムを叩き出すなど、その健闘ぶりにピットで見守るチームから歓声が沸いた。

 

その後も、疲れを見せず快走を続けたタチアナ・カルデロンは1ラップ遅れとなったものの、17位でチェッカーフラッグを受け、2020年のSUPER FORMULA シリーズを終えた。






タチアナ・カルデロン
「鈴鹿でのタフな経験の後、私は更に成長したと感じています。マシンにもだいぶ慣れ、自信も生まれてきました。今日のレースもスタートでのトラブルさえなければポイント圏内で終われたと思います。


今年はコロナ禍で2戦も参加できず、そのフラストレーションは大きかったですが、参加した5戦はすべて完走し、多くのことを学びました。こうして最終戦を終えられ、SF19の素晴らしさに改めて感動し、ThreeBond Drago CORSEチームとの絆を深められ、本当に幸せに思っています。日本のファンの皆さんからの温かい応援にもとても勇気づけられ、感謝しています。有難うございました!

来年も、このF1に次ぐハイレベルな選手権に是非参加したいと願っています!」

 

 

 

 

Photos by MASARU HIRATA