世界中のドライバーの憧れ、鈴鹿サーキットにタチアナ・カルデロンが初挑戦。ポイントゲットも見えた活躍で荒れた2レースとも完走を果たす。
1大会2レース制として開催されたSUPER FORMULA Rd.5 & Rd.6。舞台はF1 GPも行われる世界屈指の鈴鹿サーキット。コロンビア出身の女性ドライバー、タチアナ・カルデロンは、事前にシミュレーターなどを駆使し予習しサーキット入りをしたものの、実走ではその高速でタフなレイアウトに驚くと同時に、SF19のマシンのスピード、ハイダウンフォースの走りに魅了され、2日間にわたる公式イベントで更なる進歩を遂げた。
12月5日(土) 第5戦 公式予選&決勝
前日のフリー走行での慣熟走行とマシンのセッティングをベースに、タチアナはThreeBond Drago CORSEの12号車を操り、9時30分から10分間で行われた公式予選Q1(B組)に出走。今回から使用が許可されたタイヤウォーマーの助けもあり順調な周回を進め、ベストタイムは9番手(1’37.649)で、Q2への進出は逃したものの、ベテラン勢の多い中での活躍は高評価を得た。
そしていよいよ20台のマシンによる30周にわたる決勝レースへと時刻迫っていった。(ドライコンディション、気温16℃/路面温度19℃)。
13:15、フォーメーションラップがスタート。しかし、そこで停止車両があったため、エクストラフォーメーションが2周加わり、レースは28周で競われることになった。
実質16番手からスタートをきった12号車だったが、開始早々に2台のマシンが戦列を離れたため、SCが導入され、波乱のレースの幕開けとなった。しかし、タチアナは落ち着いてドライビングを重ね、11周を走り終えたところでルールのタイヤ交換のためにピットイン。しかし、タイヤ交換に手間取り、さらにタチアナはクラッチミートが合わずにエンジンストールを喫してしまった。そのことにより、12号車は大きく順位を落としてしまった。
しかし、その後他車のアクシデント等によるSC導入により、タチアナはそのギャップを縮め、終盤ではコースやドライビングになれてきたため、自己ベストタイムを更新する快挙も見せ、13位でチェッカーフラッグを受けた。
タチアナ・カルデロン
「レース関係者や友人のドライバーから聞いていたとおり、鈴鹿は“ワオ!”というのがSFで最初に走った時の第一声でした。本当にチャレンジングでタフなコースですね。F1と予選タイムが匹敵するほど素晴らしいSFマシンですが、まだ私には自信とマシンへの信頼がもう少し必要。でも今日1日の走行で、エキストラフォーメーション、SC解除後のプッシュの難しさ、ピットストップ、チームとのコミュニケーション等々、色々多くの事を更に学ぶことができました。セッションごとにマシンセッティングも前へ進んでいることが実感できて、とてもポジティブで喜んでいます。明日は今日の経験を踏まえて、更にタイムアップし、決勝では一つでも上位を目指したいと思っています。」
12月6日(日) 第6戦 公式予選 & 決勝
前日のタフなレースの疲れも見せず、好天の続く中、タチアナ・カルデロンは2レース目の朝を迎えた。
再び公式予選Q1(B組、9:35-9:45)に挑んだ12号車は、前日の予選よりタイムを0.885秒縮め、1’36.764を記録。ルーキーにとり、10分間で行われる予選の壁は厚く、Q2への進出は叶わなかったが、確実な進歩を遂げていた。
そして13:15 迎えた決勝レース(ドライコンディション、気温16℃/路面温度24℃)の火蓋が切られた。
タチアナ・カルデロンはエンジンストールで止まった車両を交わし、17番手でレースをスタート。しかし2周目で2台のマシンが起因するSC導入となり、16番手へポジションアップ。その後もトラブルが出たマシンによるSC導入により13番手となった12号車は、10周を終えたところでピットイン!見事なピットワーク、タチアナのリスタートが功を奏し、なんと11番手でコースへ戻った。
その後、3回目のSCが導入され、レースは荒れた展開。粘り強くポジションをキープし、プッシュを続けゴールを目指していたカルデロンだったが、最終ラップで後方の1台のマシンに交わされ、12位でレースを終えた。
タチアナ・カルデロン
「鈴鹿デビューのドライバーは私一人だったこともあり、なかなか難しい2日間でした。それでも、もう少しでポイント圏内という結果までいけたのは良かったと思っています。今日のレースは戦略的にも、ピットストップも上手くゆき、コース上でのファイトもできたので、楽しめました。
次戦富士では、Q2への進出、ポイントゲットを目標に、悔いのない最終戦としたいと思っています。ThreeBond
Drago CORSEへの応援をどうぞよろしくお願い致します!」