真夏のサバイバルレース。アンドレア・カルダレッリはノーミス、ノートラブルで7位完走を果たす。
2017 AUTOBACS SUPER GTは第6戦”46TH International SUZUKA 1000km“ が8月26~27日に開催された。今回、1966年から続いた“鈴鹿1000km” としては最後の開催となるため、各エントラントは特別な思いを抱いての参戦となった。この“伝統の一戦”、“真夏のビックイベント”には、述べ72,500人のGTファンが集まり、5時間半にわたる波乱に満ちたロングレースを堪能した。
(公式入場者数:8/26(土)27,500人、8/27(日)45,000人)
8月26日(土) 公式予選
朝の公式練習(9時20分~11時05分、曇り、気温23℃)は、明け方に降った雨のため、ウェットコンディションでスタート。しかし、日差しが戻った路面は30分ほどで乾き始め、気温も29℃(路面温度34℃)と急速に上昇していった。今大会にエントリーしたGT500クラスの15台、GT300クラスの30台のマシンの中、LEXUS TEAM LEMANS WAKO‘S(6号車)のアンドレア・カルダレッリ/大嶋和也組は、累計ウェイトハンディ86kg(搭載ウェイト36kg+燃料流量制限第3段階)を課されながらもGT500クラス10番手となる1分48秒839のベストタイムを記録してセッションを終えた。
そして、GT500の公式予選1回目(Q1)のスタート時刻14時50分を迎える。鈴鹿サーキット上空には青空が広がり、強い日差しのもと、気温は33℃まで上昇した。
GT500のQ1(14時50分~15時05分)を任されたLEXUS TEAM LEMANS WAKO‘Sの大嶋和也はWAKO’S カラーのLexus LC500でアグレッシブなドライビングでアタックするも、ベストタイムは1分49秒002で11番手に留まり、トップ8台のマシンによるQ2への進出は叶わなかった。
「リストリクターが最大のレベルの第3段階まで絞られ、ストレートではGT300すらオーバーテイクが厳しいほど苦しい状況です。でも、明日は1000kmのロングレースなので、最後まで諦めず上位を狙っていきますよ!」
8月27 (日) 決勝
決勝日、残暑は厳しいものの心地良い風が吹く鈴鹿サーキットには、”SUZUKA 1000km THE FINAL 1966-2017″と称される記念すべきレースを観戦しようと、朝から多くのファンが集まり、ピットウォークではドライバーのサイン会や写真撮影など、和やかなひと時を楽しんだ。
そして、スケジュールはウォームアップ(10時55分~11時15分)を経て、決勝スタート時刻12時30分を迎えた。(気温30℃/路面温度47℃)
GT500クラス、6列目からスタートを切った6号車、LEXUS TEAM LEMANS WAKO’Sのアンドレア・カルダレッリは、オープニングラップで12番手となったが、86kg相当のウェイトハンディを背負いながらも落ち着いたドライビングで序盤を走行。28周のファーストスティントを予定通りこなし、僚友大嶋和也へと6号車のステアリングを託した。12番手を走行中の40周目にアクシデントが発生し、セーフティカー(SC)が導入されたが、順位は変わらず、57周を終えたところで2回目のピットイン。チームは迅速なピットワークを見せ、アンドレアはポジションを1つ上げて2回目のスティントに入った。その後、1台のマシンがコースオフしたため、WAKO‘S 4CR LC500を駆るアンドレアは9番手に浮上する。
レース距離の半分を過ぎた88周を終えたところでチームはアンドレアをピットに戻し、3回目のドライバーチェンジ、タイヤ交換、給油を行った。WAKO’Sカラーのマシンは再び大嶋和也が操り、アクシデントの発生で2回目のSC導入となる中、安定したドライビング。上位を走行するマシンがペナルティを課されて後退するのを尻目に、大嶋は7番手へと順位を上げる。そして120周を終えたところでピットイン。代わってステアリングを握るアンドレア・カルダレッリ。しかし、このスティントでは装着したソフトタイヤを温存しながらの走行を強いられ、9番手への後退を余儀なくされる。オーバーステアを無線で訴えながらも我慢の走りを続けたカルダレッリは144周を終えたところで最後のピットイン。6度目のスティントを大嶋和也に委ねた。
WAKO‘S 4CR LC500を巧みに操りながら、プッシュを続ける大嶋は、終盤上位を走る2台が戦列を離れたため、7番手へとポジションアップ。そしてレースは最大延長時刻の18時28分となり、172周でチェッカーフラッグが振られた。LEXUS TEAM LEMANS WAKO’Sの6号車は7位でフィニッシュ。5ポイントを獲得した。
「ウェイトハンディによってリストリクターが絞られているのですが、これが本当に厳しくて、オーバーテイクが叶わず、とても難しい長丁場のレースでした。また、マシンのバランスも完璧ではなかったものの、トラブルはありませんでした。カズヤ共々ドライビングミスをおかさないようベストを尽くし、完走することが出来ました。この結果、シリーズランキング2位(37号車と同ポイント)に踏み留まり、次戦へと臨むことになりました。引き続き、応援をどうぞ宜しくお願いします!」
SUPER GT第7戦はシリーズ唯一の海外戦として、10月7~8日、タイ王国(ブリラム県)のChang International Circuitにて開催される。
Photos by TOSHIKAZU MORIYAMA
SUPER GT Official Website
TOYOTA GAZOO RACING
Team LeMans
Andrea Caldarelli Official Website