2016/08/28
SUPER GT Rd.6 Suzuka

伝統の一戦、鈴鹿1000kmでアンドレ・クートが今季初の表彰台、アンドレア・カルダレッリも4位でレースを終える

 

16gt6-COU6全8戦で争われる2016 AUTOBACS SUPER GT。第6戦は45回目となる伝統の“鈴鹿1000km” として開催された。

 

16gt6-pitwalk8月27日、28日の2日間に渡って行われた真夏のビックイベント「The 45th INTERNATONAL SUZUKA 1000km」には述べ60,500人のSUPER GTファンが集まり、6時間に及ぶGTマシンのバトルを堪能した。

(公式入場者数:8/27(土)26,500人、8/28(日)34,000人)

 

 

  

8月27日(土) 公式予選

 

16gt6-CAL1朝の公式練習(9時20分~11時05分、曇り、気温29℃)は、GT500クラス15台、GT300クラス29台のマシンがそれぞれ走行し、マシンの調整を行った。このセッションでは、LEXUS TEAM LEMANS WAKO‘Sのアンドレア・カルダレッリ/大嶋和也組は、GT500クラス11番手となる1分48秒918のベストタイムを記録して終え、午後の公式予選に臨んだ。

 

16gt6-COU4一方、GAINER のアンドレ・クート/富田竜一郎のペアはGAINER TANAX GT-Rをドライビングながらマシンのセットアップを進め、GT300クラス6 番手のタイム(1分59秒900)をマーク。順調な滑り出しをみせた。

 

そして、公式予選1回目(Q1)のスタート時刻、14時30分となった。鈴鹿サーキットの上空は晴れ渡り、気温は31℃(路面温度43℃)まで上昇した。

 

 

16gt6-COU2GT300のQ1(14時30分~14時45分)では、富田竜一郎がGAINER TANAX GT-R 0号車のステアリングを握り、8番手タイム(1分59秒211)でQ2への進出をきめた。

そして、そのQ2(15時15分~15時27分)では、アンドレ・クートが果敢なアタックを行い、1分58秒947を叩き出し、2ポジション上げて6位で公式予選を終えた。

 

アンドレ・クート

「私たちにとって6番手の予選結果は今シーズンのベストポジションなので、喜ぶべきでしょう。それにFIA GT3車両の中ではトップタイムだったので(笑)チームのモチベーションも上がりました。明日は1000kmの長丁場ですが、トミタと力を合わせて優勝を目指して頑張ります!」

 

16gt6-CAL3

一方、GT500のQ1(14時50分~15時05分)を任されたLEXUS TEAM LEMANS WAKO‘Sの大嶋和也はWAKO’S カラーのマシンでアタックをするも、ベストタイムは1分48秒763と10番手に留まり、Q2への進出は叶わなかった。

 

アンドレア・カルダレッリ

「今朝の走行からマシンバランスに苦しんで、明日は10番手からのスタートとなりました。でも、明日はロングレースですし、ペースは悪くないので、あまりこの結果は気にしていません。それに、雨のレースになる可能性もあるようなので、その展開は予想できません。ともかく、ベストを尽くすのみです!」

 

 

 

8月28日(日) 決勝

 

16gt6-COU10決勝日の鈴鹿サーキットは朝からあいにくの雨。今大会はタイムスケジュールの関係で通常のフリー走行は行われず、各チームはそれぞれにレースへの準備、ピットウォークでのファンサービス等を行いながら決勝スタート時刻を待った。

 

その後雨は上がり、コースは徐々に乾き始めた12時30分, 1周5.8kmのコースを173周して戦うSUPER GT最長の1000㎞レースのスタートが切られた。

 

GT300クラスでは、GAINER TANAX GT-Rのスタートドライバーを務めるアンドレ・クートが6番手からアグレッシブな走りを見せ、2周目には早くも3番手へとポジションアップ!その順位でレース序盤ドライビングを続ける。そして25周を走り終えたところで1回目のピットイン。富田竜一郎にバトンタッチした。しかし富田はコースに戻ったばかりのラップで前方のマシンに接触!このアクシデントによりドライビングスルーペナルティを課せられた0号車は10番手へと後退してしまう。そして富田は18周を走行してピットイン。GAINER TANAX GT-Rには再びアンドレ・クートが乗り込んだ。ここから果敢な追い上げを展開するクートは再びトップを争う位置まで順位を挽回。そして27周を走行してピットイン。富田へと0号車のステアリングを託した。

 

16gt6-COU5その後、GT500のトップグループが89周目に入ったところでGT300クラスの1台がクラッシュし、セーフティーカー(SC)が導入される。この時点までにGAINER TANAX GT-RはGT300クラスの実質トップに躍り出ることに成功! しかし、ピットストップで2輪のみタイヤ交換という作戦を採った1台に先行され、クートは2番手で自身最後のスティントをドライビング。途中、通り雨にも見舞われたが危なげないドライビングを見せるクートは27周を走行してピットイン! 最後のスティントを富田に託した。ここで好走する富田は2位をキープしていたが、残り2周というところで再び降り出した雨に遅れを喫して1ポジションダウン。それでも3位でチェッカーフラッグを受けた。

 

 

16gt6-COU9アンドレ・クート

「私達にとって良い週末で満足しなければなりませんね。予選も6番手、FIA GT3勢の中ではトップでしたし、レースも今シーズン初となるポディウムフィニッシュを決めることが出来ました。それをシリーズ中最もタフなレース、鈴鹿1000キロで実現できたことが嬉しいです。今日のレースは、残念な部分もある一方、ラッキーな部分もあり、結果的にポイントも獲得(13ポイント)出来たので良かったです。次のタイ大会がますます楽しみになりました」

 

 

 

 

16gt6-CAL2また、TEAM LEMANS WAKO’Sのアンドレア・カルダレッリはWAKO’S 4CR RC Fを駆り、GT500クラスのグリッド5列目からスタート。2周目に後方から来たマシンにかわされてひとつ順位を落とすが冷静なドライビングでレース序盤を11番手につけて走行する。17周目のT14で他車との接触(レーシングアクシデント)はあったものの、10番手へと浮上する。勢いに乗るカルダレッリはその後23周目、26周目にも順位を上げて7 番手へポジションアップ! そして28周を終えた6号車はピットイン。マシンは大嶋和也へと託された。GT500の全チームが1回目のルーティンストップを終了した時点で6号車の順位は9番手。その後、37周目に前を行くマシンをオーバーテイクして8番手に上がった大嶋は、その勢いのまま49周目までに4位へと浮上する。

そしてレースが55周へと入る14時25分頃、コース上に雨粒が落ち始める。それでもレインタイヤへと交換するには至らず、6号車は58周を終えたところで2回目のルーティンストップ。

 

16gt6-CAL72回目のスティントとなったアンドレアは、ここで4番手につけて快走を続け、前を行く1台がペナルティにより後退した70周目には3位へと順位を上げる。そして86周を終えたところでピットイン。アンドレア・カルダレッリから大嶋和也へとドライバー交代する。92周を終えた時点でSCランが解除される。ここでスピードに勝るマシンの先行を許したWAKO‘S 4CR RC F は4番手へと後退。アンダーステアに苦しみながらも大嶋は順位を守ってアンドレアへとマシンを委ねた。

 

16gt6-CAL9自身最後のスティントを走行するアンドレア・カルダレッリはペースを緩めることなく4番手をキープするが、レースが127周にさしかかる頃、西コースに大粒の雨が突然落ち始め、一瞬緊張が走る。それでも雨もすぐに止み、LEXUS TEAM LEMANS WAKO‘Sは139周を終えたところで最後のピットイン。そこから大嶋和也がチェッカーフラッグまでのスティントへと向かった。しかし、残り4周で惜しくも後方から迫ったマシンにかわされて5番手へと後退。同時に東コースには再び大粒の雨が降り始める。そこでも集中力を切らさずマシンをコントロールした大嶋。そして最終ラップに4番手を走行していたマシンがトラブルでストップしたため、大嶋和也の駆るWAKO‘S 4CR RC F は4位でフィニッシュ。10ポイントを獲得した。

 

16gt6-CAL6アンドレア・カルダレッリ

「私達は最大限の努力がこの結果だったと思います。今日は表彰台に上がれるペースは得られず、マシンのフィーリングも完璧ではありませんでした。それでもポイントをゲットしてチャンピオン争いに残れたことは何よりでした。次戦こそは必ず表彰台で終わりたいですね。今日も応援してくれたファンの皆さんに感謝しています!」

 

 

 

 

 

16gt6-CAL8

 

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8月24日に起こったイタリア中部における大地震の多くの犠牲者に対し、SUPER GTを代表し、イタリア人ドライバー、アンドレア・カルダレッリとロニー・クインタレッリが心からの哀悼とお見舞いの意を表した。

 

SUPER GT第7戦はシリーズ唯一の海外戦として、10月8-9日、タイ王国(ブリラム県)のChang International Circuitにて開催される。

 

 

 

Photos by TOSHIKAZU MORIYAMA/MASARU HIRATA