アンドレア・カルダレッリ 見事ポールポジションを獲得するもレースは4位に甘んじる。アンドレ・クートは11位でフィニッシュ。
2016 AUTOBACS SUPER GT 第4戦「SUGO GT 300km RACE」は、第3戦が「平成28年熊本地震」の影響により中止となったため、およそ2ヵ月半ぶりの大会となった。長いインターバルとなったが、その間には公式テストが2回行われ、アンドレ・クートとアンドレア・カルダレッリの両GRMドライバーは、万全のコンディションで今大会に挑んだ。
(公式入場者数:7/23(土)8,200人、7/24(日)29,500人)
7月23日(土) 公式予選
朝の公式練習(9時15分~11時00分)は、曇り空のもと、気温23℃のドライコンディションで行われ、GT500クラスの15台、GT300クラスの29台のマシンが走行した。
LEXUS TEAM LEMANS WAKO‘S 6号車は先ず大嶋和也がステアリングを握りセッションをスタート。続いてアンドレア・カルダレッリがロングラン(26laps)を行い、ベストタイム1分11秒342(7番手)を記録してセッションを終了した。
また、GAINER のアンドレ・クートは富田竜一郎と共にGAINER TANAX GT-R 0号車を操り、GT300クラス14番手タイム(1分19秒840)がベストで合計1時間45分のセッションを終えた。
やがてプログラムは公式予選1回目(Q1)へと進んだ。空は厚い雲に覆われていたが、路面はドライコンディションのまま。気温も引き続き23℃で、6月に実施された公式テストの際に想定されていた気温より低い条件の中でセッションがスタートしていった。
まず、GT300(14時30分~14時45分)のQ1が行われ、GAINER TANAX GT-Rの富田竜一郎が果敢なアタックを見せたが、タイムは1分19秒302で15位。わずか0.02秒差でQ2進出には届かなかった。
アンドレ・クート
「今日はマシンがパーフェクトではなく、僅差でQ2に臨めませんでした。でも明日の朝のウォームアップまでにマシンが改善されていることを期待しています。明日の300kmレースでは何が起こるかわかりませんし、ベストを尽くして上位を狙ってゆきます!」
一方、GT500クラスのQ1(15時00分~15時45分)では、LEXUS TEAM LEMANS WAKO’S のWAKO’S 4CR RC Fのステアリングを任されたアンドレア・カルダレッリがアタックを行い、コースレコードを破る1分11秒129をマークして3番手につけた。しかし、そこでNissan GT-Rの1台が大きなクラッシュを喫したため、予選は赤旗中断!その状況から大会審査委員会は、その赤旗をもってQ1を終了とした。こうして、Q2への進出をきめた6号車は、大嶋和也が鬼神のアタックを披露。小さな雨粒が落ち始めたが、路面が濡れることはなく、大嶋は1分10秒516という驚異的なタイムを叩き出し、ポールポジションを獲得した。LEXUS TEAM LEMANS WAKO’Sにとっては2014年岡山開幕戦以来のポールポジションとなった。
「久しぶりのポールポジションで、本当にハッピーです。チームが素晴らしい仕事をしてくれて、カズヤに良いマシンをバトンタッチすることも出来ました。実際、テストの時からマシンの仕上がりが良く、自信をもって予選に挑みました。既に、今朝のセッションでこの気温の中でのレースを想定してのロングランのテストもしてあるので、タイヤの不安もないので、明日の決勝は、ポールトゥーウィンを狙ってゆくだけです!」
7月24日(日) 決勝
前日、見事ポールポジションを獲得したLEXUS TEAM LEMANS WAKO‘Sのアンドレア・カルダレッリ/大嶋和也組は、レインタイヤ(ブリヂストン)のスクラブからメニューをスタート。ウェット路面でのレースにも備えて、マシンをチェック。タイムは6番手となる1分22秒029を記録。午後の決勝への準備を整えた。
また、GAINER TANAX GT-Rのアンドレ・クート/富田竜一郎ペアも濡れた路面でのダンロップタイヤをテストしながらセッションを進め、GT300クラス16番手のタイム(1分30秒260)でセッションを終えた。
そして、時刻は午後2時、気温20℃、路面温度22℃。路面を濡らすほどには至らないが、霧雨を時折り感じる微妙なコンディションの中、81ラップにわたる決勝レースの火蓋が切られた。
GT500勢15台は、天候の悪化はないとの判断から、全車スリックタイヤを装着。ポールシッター、LEXUS TEAM LEMANS WAKO‘Sのアンドレア・カルダレッリはフォーメーションラップを経て、爆音と共にローリングスタートをきった!
しかし、6周目の1コーナーで何とGT300クラスのマシン(22号車)と接触!その勢いで痛恨のスピンを喫し、なんと13番手へ後退してしまう。そこからWAKO‘S 4CR RC Fは、前を行くマシンを1台ずつ交わしながらの怒涛の追い上げをみせ、25周目には8番手まで挽回。その直後、GT300クラスのマシンがT13でストップし、セーフティーカー(SC)が導入される(13時38分~14時50分)。このSCが解除されると同時に4台のマシンがピットイン。しかし6号車は40周を終えるまでステイアウト。
そこからWAKO’S 4CR RC F後半の追い上げは大嶋和也に託された!
全車がルーティンストップを完了した47ラップ終了時点の6号車の順位は4番手となり、その後の大嶋の追い上げに期待がかかった。しかし、53周目にヨコハマタイヤを装着し快走する19号車にポジションを譲り5番手に後退する。
それでもライバル勢のタイヤの状態が厳しくなってきた終盤、大嶋は19号車を抜き返し、69周目に再び4位へ。勢いにのる大嶋はそのまま4台によるトップ争いの一角に加わった! しかし、その争いが白熱している75周目(残り6ラップ)、GT300クラスのマシンがターン13でクラッシュしたため、赤旗が提示され、レース中断となった(15時50分)!!その直後、大会審査委員会はレース終了を決定。レギュレーションにより、レース結果はその前の周回(15時48分15秒)の順位となり、6号車は表彰台に1歩届かず4位に留まった。
「本当に悔しいです。スタートはとても良く、良いペースでプッシュをしてしましたが、ダブルイエローで2番手のマシンに最終コーナーで詰められてしまいました。それを再び振り切ろうとプッシュしていたところ、自分をバックミラーで見ていたはずの前方の22号車が1コーナーで“ドアを閉めて”きて、接触&スピンをしてしまいました。その後は、猛プッシュを続け順位を上げ、さらにピットインを遅らせギャップを頑張って詰めましたが・・・。せっかく手中にあった優勝を逃してしまい、良いマシンを用意してくれたチームに対して申し訳ない気持ちで一杯です・・・」
一方、GT300の中盤からスタートをきったGAINER TANAX GT-Rのアンドレ・クートは、13番手で粘り強いドライビングを続ける。やがてクートはSCラン後の31周を終えたところでピットイン! チームメイトの富田竜一郎にステアリングを託した。
そこから13番手につけてプッシュする富田は、57周目までに11番手へ。しかし、その後の赤旗中断によりレースが終了し、更なるポジションは叶わず、その順位でレースを終えることとなった。
アンドレ・クート
「SCが導入され、前とのギャップを詰め、良い結果のチャンスがあるか!?と期待していた矢先、目の前の55号車のスピンに巻き込まれ、避けきれずにサスペンションにダメージを負ってしまいました。それでも、トミタも頑張ってドライビングし、完走してくれました。今日は運にも見放されたレースでしたが、次戦富士では、もっとすっきりした気持ちでレースが終えられればいいですね」
次戦となるSUPER GT第5戦は、8月6-7日富士スピードウェイにて開催される。
Photos by TOSHIKAZU MORIYAMA