アンドレア・カルダレッリ、最終戦はRace1で無念のリタイア、Race 2は12位完走
2015 全日本選手権スーパーフォーミュラはいよいよシリーズ最終戦となる第7戦「JAF GRAND PRIX SUZUKA」を迎えた。舞台は世界屈指のサーキット、F1日本グランプリの舞台として知られる鈴鹿サーキット。今年のシリーズチャンピオンが決定する大一番となった今大会は、2レース制(Race1はタイヤ交換義務なし、Race2はタイヤ交換義務あり)で行われる。
今季、LENOVO TEAM IMPULに移籍してシリーズにエントリーしているアンドレア・カルダレッリは、残念ながらチャンピオン争いに加わることは叶わずに最終戦を迎えたが、スーパーフォーミュラ今季最後のレースを悔いなく戦う意気込みでサーキット入りした。
11月7日(土) 公式予選
鈴鹿サーキット上空は朝から曇り空。それでも気温は21℃と暖かい朝を迎えた。公式練習が9時15分から行われ、19台のマシンが続々とコースイン。アンドレア・カルダレッリもLENOVO TEAM IMPUL SF14(20号)のセッティングをスタートさせる。しかし、コースインしてプッシュし始めた15ラップ目、デグナーカーブ(T9)で痛恨のコースオフ。マシンのフロント左部分にダメージを負ってしまう。幸いドライバーのカルダレッリに怪我は無かったが、再びコースに戻ることは叶わず、そのままセッションを終えることとなった。
そして、時刻は13時30分となり、20分間の全車によるノックアウト方式の予選1回目(Q1)が行われる。コンディションは天候曇り、気温20℃、そして路面は温度22℃。
チームの迅速な作業によってマシンは修復され、アンドレア・カルダレッリはオンタイムでコースインすることができた。徐々にタイムアップして行くアンドレアだったが、スピードは伸び悩み、ベストタイムは1分39秒450にとどまり、17番手に甘んじてQ2への進出には至らなかった。その結果、今大会のルールにより、アンドレア・カルダレッリはRace1とRace2(Q2を経たQ3の結果順)をともに17番手のグリッドポジションからスタートすることとなった。
「今日はグレートデーとはなりませんでした。朝は思いっきりプッシュしていたところでマシンをコントロールしきれず・・・チームに申し訳ないことをしました。セッティングを煮詰めきれずに予選に向かうことになり、ニュータイヤでのアッタクではグリップが低いまま終わってしまいました。まったく満足していない位置からの決勝スタートとなりましたが、予報では雨のようなので、ウェットコンディションなら大きく巻き返しができると思います」
10月17日(日) 決勝
決勝日はあいにくの雨。10時00分開始のRace 1はヘビーウェットコンディションとなり、セーフティーカー先導(2周)によるスタートとなった。
16番手(グリッド降格のペナルティを受けたマシンがあったため、予選結果よりポジションアップ)というグリッド後方からのスタートとなったLENOVO TEAM IMPUL SF14(20号車)のアンドレア・カルダレッリ。前車が巻き上げる水しぶきによってできるウォータースクリーンで、「前が全く見えない!」と無線でチームに訴えながらも懸命なドライビングを続けるアンドレアは、それでも徐々にペースをあげて行く。しかし、レース後半となった11周目の1コーナーでイン側からオーバーテイクをしかけたマシンにリア右側をヒットされ、コースオフ! ここで無念のリタイヤを余儀なくされた。
「スタート前の8分間のウォームアップで、マシンが好調なことを確認していただけに、残念な結果です。特に自分のポジションでは本当に視界が悪く、前を走るライバル達もウォータースクリーンを避けて走るので、オーバーテイクもリスキーな状態でした。64号車のダイスケ(中嶋大祐選手)がインを刺してきたんですが、彼はやや楽観的すぎましたね。レーシングアクシデントに巻き込まれてしまい、がっかりです」
プログラムはRace2(レインタイヤによるレースとなったため、タイヤ交換の義務なし)へと進む。時刻は15時00分となったが、雨脚はRace 1とほぼ同じのヘビーウェットコンディションのまま。フォーメーションラップから各マシンがスタンディングスタートのグリッドにつき、レッドシグナルが点灯する。ところがこの時、1台のマシンにトラブルが発生したため、急遽スタートディレイが表示される。これによりRace 2の再スタート時刻は15時15分となり、さらに周回数も当初の28周から27周へと変更された。
シグナルがブラックアウトすると、グリッド17番手からのスタートとなったアンドレア・カルダレッリは、再びウォータースクリーンで視界が遮られる苦しいレースを強いられる。それでもスタートから危なげないドライビングでLENOVO TEAM IMPUL SF14 20号車を操るアンドレアは、レース序盤をそのまま17番手をキープする。序盤18番手となる場面もあったが、その後、接触やトラブルで戦列を離れるマシンが現れるのを尻目に、本来の果敢なオーバーテイクも見せながら周回を重ねるアンドレアは、残り5周となったところで12位までポジションを上げると、その順位のまま今季最終戦のチェッカーフラッグを受けた。
「Race 1含め、雨量が多く、視界がこんなに悪い中で後方から追い上げなければならず、本当にタフなレースでした。チームがウェットコンディションでの良いマシンを用意してくれて、速さはあっただけに良い結果を残せず悔しい最終戦でした。
トップフォーミュラ戻るチャンスを星野監督に頂き、LENOVO TEAM IMPULに心から感謝しています。あっという間に1シーズンが終わってしまいましたが、暖かい応援をしてくださった皆さん、本当に有難うございました」
Photos by TOSHIKAZU MORIYAMA
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