2015/11/01
SUPER GT Rd.7 Autopolis

アンドレ・クート、2015年GT300クラスのチャンピオンに輝く!! アンドレア・カルダレッリ、予選の不運が響き12位フィニッシュ

 

15gt6-COU5全8戦で行われるシリーズもいよいよ第7戦「SUPER GT IN KYUSHU 300km」を迎えた。舞台は広大なススキの草原が美しい阿蘇の外輪山に位置するオートポリス(4,674m)。

 

ここまでGT300のドライバーズランキングのトップ(74ポイント)を独走しているアンドレ・クートとGT500ランキング7位(36ポイント)のアンドレア・カルダレッリとも、このシリーズ終盤のレースでのより多くのポイントゲットを目指してサーキット入りした。

 

(公式入場者数:10/31(土)11,340人、11/1(日)22,680人)

 

 

 

10月31日(土) 公式予選

 

15gt6-CAL8予報に反して、オートポリスは快晴(気温12℃)に恵まれ、GT500クラスの15台、GT300クラスの26台のマシンは9時から1時間45分にわたる公式練習に臨んだ。セッション開始から約4分を経過したところでアクシデントが発生し、赤旗中断となったものの、LEXUS TEAM KeePer TOM’Sから参戦しているアンドレア・カルダレッリ/平川亮組は計31ラップを走行し、2番手となる1分33秒110の好タイムをマーク。好調ぶりをアピールした。

一方、GT300クラスでは、GAINERからエントリーしているアンドレ・クート/千代勝正組も31ラップをこなし、9番手(1分45秒541)でセッションを終えた。

 

15gt6-COU3

そして、時刻は13時30分の公式予選へとプログラムが進んだ。まずGT300クラスの予選第1回目(Q1)が13時30分~13時45分)では、10号車GAINER TANAX GT-Rのアタックを千代勝正が担当する。千代はプッシュするが、ウエイトハンディ(今大会では規定により全車ウエイトハンディが半減されたものの、GAINER TANAX GT-Rに課せられているハンディは最も重い74kg)の影響が大きく、思うようにタイムが伸びず、ベストタイムは1分45秒342。順位は14番手で、Q2へ進む権利となる13番手以内には一歩及ばず、惜しくもQ2進出を逃した。スタンバイしていたアンドレ・クートはステアリングを握ることなく公式予選を終えた。

 

 

15gt6-COU1アンドレ・クート

「マシンは悪くなかったのですが、ウエイトハンディの影響が大きく、またタイヤが合っていなかったことからQ2へは進めませんでした。でも、それはもう終わったことなので、気持ちは明日のレースに切り替わっています。レースは300kmと長いですから、14番手からの追い上げを頑張ります」

 

 

 

 

 

 

15gt6-CAL5また、GT500のQ1(13時50分~14時05分)では、アンドレア・カルダレッリがLEXUS TEAM KeePer TOM‘S(37号車)のアタックを担当。ここでカルダレッリに不運が襲う。アタックに入る直前に前のマシンがペースと落とし,翌周にも別のマシンにひっかかり、アンドレアはアタックの機会を逸してしまう。ベストタイムは1分34秒812にとどまり、順位は15番手。Q1 突破を逃した。

 

アンドレア・カルダレッリ

「まったく運が悪かったです。朝の練習走行でマシンのバランスをチェックし、予選には大きな自信を持って挑んだのですが、2回もアタックのチャンスを逃してしまい、惨憺たる結果となりました。ともかく、明日は最後尾から追い上げるしかありませんが、必ずや上位に食い込んでみせます!」

 

 

11月1日(日) 決勝

 

15gt6-grid決勝を見据えたマシンのチェックとなる朝のフリー走行(9時00分~9時30分)は曇り空、気温8℃という肌寒い中で行われた。

LEXUS TEAM KeePer TOM‘Sのカルダレッリ/平川ペアは、GT500クラスの3番手(1分36秒446)、GAINER TANAX GT-Rのクート/千代組はGT300クラス14番手(1分47秒136)でセッションを終え、午後の300km(65周)に渡るレースを待った。

 

いよいよ午後2時を迎え、シリーズチャンピオンの行方にとっても大一番となる一戦の火蓋が切られた。天候は朝と変わらず曇り(気温14℃/路面温度17℃)

 

 

 

15gt6-COU2GT300クラス7列目からスタートしたGAINER TANAX GT-Rのアンドレ・クートは、レース序盤をグリッド位置と同じ14番手につけて走行していたが、前を行くマシンをじわじわと交わし、9周目には12番手へ浮上。アンドレは自己ベストタイムを更新しながら12周目に11位へ。そして17周までに10番手までポジションアップ!早めのピットストップを行うマシンを尻目に、プッシュを続けるアンドレアは8番手まで浮上する。途中、雨粒が落ちる場面もあったが、路面はドライのまま。

15gt6-COU7やがてGAINER TANAX GT-R10号車はクラス5番手を走行。そして、35周の見事な仕事を済ませたアンドレ・クートはピットに戻り、マシンを僚友の千代勝正に託した。

 

千代も猛追を緩めず、47周目までに3番手まで順位を上げる。そして、51周目、トラブルの出たマシンを交わして2位へ浮上!その順位のままチェッカーフラッグを受け、15ポイントを獲得!この結果、最終戦を待たずにアンドレ・クートのGT300クラスのドライバーチャンピオン、そしてGAINER 10号車のタイトルが確定した。

 

15gt6-COU6アンドレ・クート

「信じられないレースでした。今日のレースは、14番手スタートで2位表彰台フィニッシュとなった上、チームと共にチャンピオンになったのですから!本当に、チームゲイナーへ、そして一緒にチャンピオンとなったチームメイトの千代・富田両選手への感謝の気持ちで一杯です。正に、すべてはチームワークの賜物で、チームの全員で祝福を分かち合いたいです。

私にとって世界でベストな選手権であるSUPER GTに参戦していることをとても誇りに思っています。この選手権でレースをする価値は他の何にも勝るもので、そのドライバーチャンピオンとなれたことは感慨深いです。本当にこのタイトルを長いこと待ち望んでいました。ここまで私をサポートしてきてくれたすべての方々、多くのファンへ心から感謝しています。そして、このタイトルは、天国にいる息子に捧げます。」

 

 

15gt6-CAL3一方、GT500クラスでは、最後尾からのスタートを強いられたKeePer TOM’S RC Fのアンドレア・カルダレッリは、オープニングラップを14番手で終える。レース序盤、タイヤの温存を考えながら我慢の走りをするアンドレアだったが、12周目に13位、15周目に12位と徐々に順位を上げる。18周目に11位、23周目には10番手、そして25周目には9番手へと這い上がっていく。そして、31周を終えたところでピットイン。

 

給油、タイヤ交換を済ませた37号車に平川亮が乗り込み、後半のスティントへ向かった。GT500クラスの全車がピットインを済ませた43周終了時点のKeePer TOM’S RC Fの順位は10番手。そこから平川も懸命にドライビングを続けるが、ピックアップ(タイヤが路面のタイヤカスを拾う現象)に苦しみ、12番手へ後退。その順位でチェッカーフラッグを受けた。

 

 

15gt6-CAL1アンドレア・カルダレッリ

「タフな難しいレースで、思い通りの結果は得られませんでしたが、マシンは良く、自分のスティントでは思いっきりプッシュし、ポジションアップができました。また、タイヤマネージメントもうまく行き、レースを楽しむことが出来ました。このサーキットでのGTレースが初めてだったRyo(平川)にとっても、とても厳しい戦いだったと思います。残る最終戦では私達のベストを出し切るレースにしたいと思います。引き続き応援をどうぞよろしくお願いします!」

 

 

 

 

いよいよ2015年シリーズ最終戦となるAUTOBACS SUPER GT 第8戦は、11月14日~15日、ツインリンクもてぎにて開催される。

 

Photos by TOSHIKAZU MORIYAMA