2015/11/15
SUPER GT Rd.8 Motegi

アンドレア・カルダレッリ、今季2回目のポール・トゥ・ウィンで有終の美を!GT300チャンピオンのアンドレ・クートは、6位入賞でシーズンを締めくくる

 

15gt8-CAL42015年AUTOBACS SUPER GTシリーズもいよいよ最終戦「MOTEGI GT 250km RACE」をツインリンクもてぎで迎えた。

既に前戦でGT300のシリーズチャンピオンに輝いているアンドレ・クート、そしてGT500ランキング7位のアンドレア・カルダレッリは共に最高の結果を目指し、もてぎへと乗り込んだ。

 

15gt8-COU5今大会では、シーズン中に課せられていたウェイトハンディが全車解除され、真っ向勝負のレースとなる。11月14、15日の両日、述べ5万人のファンが集まり、今季最後となる息を呑む白熱した国内の最高峰GTレースを見納めた。

(公式入場者数:11/14(土)17,000人、11/15(日)33,000人)

 

 

 

 

11月14日(土)公式予選

 

15gt8-COU6予選日は朝から雨が降ったり止んだりと、生憎の天気となった。朝の公式練習(8時50分~10時36分)は、しとしと雨が降るウェットコンディション(気温13℃)となり、GT500クラス15台、GT300クラス28台のマシンがウェットタイヤを装着して走行した。

 

15gt8-CAL3KeePer TOM’S RC F(37号車)のアンドレア・カルダレッリと平川亮組は、交互にドライブし、ベストタイム1分47秒440を記録。5番手と好発進を決めた。

一方、GAINER TANAX GT-R(10号車)のアンドレ・クートと千代勝正のペアは、練習用の固めのタイヤと路面コンディションがあわず、GT300クラスのタイムは1分59秒060とクラス19番手にとどまった。

 

そして、午後2時をまわり、まずGT300クラスの予選1回目(Q1:14時00分~14時15分)が開始された。雨は引き続き、しとしとと降るコンディション。

 

15gt8-COU7GAINERよりQ1のアタックを託されたアンドレ・クートは、予選用に選んだタイヤで一気に息を吹き返し、1分57秒469と3番手のタイムをマーク。難なくQ2への切符を手に入れた。

しかし、Q2(14時45分~14時57分)では雨が本降りとなり、コースオフするマシンが増加。その中で、10号車を操る千代勝正は果敢に攻めるが、若干タイヤを温めきれずタイムは2分05秒277。8位で予選を終えた。

 

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アンドレ・クート

「朝の公式練習から予選に向けていろいろ対策をした結果、3位でチームメイトにステアリングを渡しましたが、彼が走ったQ2では雨量が多くなってしまいました。ベストなプッシュが出来なかったのは残念です。でも、8番手からのスタートは悲観する位置ではありませんし、十分に挽回できるポジション。私たちにとっては、ドライの方がタイヤチョイスの幅があるので、明日は晴れてくれた方が嬉しいですね。是非チャンピオンチームとして最高の結果でシーズンを締めくくりたいと思っています」

 

  

 

15gt8-CAL2一方、GT500のQ1(14時20分~14時35分)では、アンドレア・カルダレッリがLEXUS TEAM KeePer TOM‘S(37号車)のドライブを担当。好調に自己ベストタイムを更新し、1分48秒501を記録して5番手でセッションを終え、平川亮へとバトンタッチした。

その平川はQ2(15時05分~15時17分)で、ヘビーウェットとなる中、鬼神のアッタクを披露。何と1分49秒738の最速タイムを叩き出し、見事ポールポジションを獲得! LEXUS TEAM KeePer TOM‘Sにとっては開幕戦以来の今季2回目のPPとなった。

 

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アンドレア・カルダレッリ

「良い予選となりました。乗り初めからマシンがとても良く、Q1も自信をもってアタックできました。ただ、最後のアタックの最終セクターで4分の10秒ほどロス。それがなければ2位だったでしょう・・・。Q2に向けてはタイヤチョイスをアドバイスし、そのQ2でRyo(平川)がグッドジョブをしてくれました。明日のレースは、天候とタイヤのマッチングがキーポイントとなると思いますが、ともかく悔いのない戦いをしたいです!」

 

 

 

11月14日(日) 決勝

 

15gt8-start雨は決勝当日の朝まで残り、9時00分~9時30分のフリー走行もウェットコンディションとなった。(気温18℃)

前日の予選で見事なポールポジションをゲットしたLEXUS TEAM KeePer TOM‘Sのカルダレッリ/平川組は、ここでもGT500クラスの4番手(1分49秒968)と好調さをアピールする。

また、GT300のGAINER TANAX GT-R クート/千代組は、10番手(1分59秒604)でセッションを終え、それぞれ午後の決戦へと駒を進めた。

 

スケジュールはピットウォークや各チームのスポンサー、ファンサービスなどを経て、13時40分、スタート時刻を迎えた。気温20℃/路面温度21℃、雨はそれまでに止んでいたが、各マシンがスターティンググリッドにつく頃に再び降り出した。スリックタイヤを考えていたチームもあったが、コースは一瞬にしてウエットコンディションとなり、全車レインタイヤでの出走となった。

 

しかしフォーメーションラップがスタートする頃になると、日差しがさすまで天候が回復する。

 

15gt8-CAL5ポールポジションからスタートしたLEXUS TEAM KeePer TOM’Sのアンドレア・カルダレッリは、2番手のマシンを巧みにブロックしながらオープニングラップを終え、トップのまま序盤を走行。徐々に路面が乾くコンディションの中、アンドレアは後続のマシンを引き離して行く。

やがて、レースが20周にさしかかる頃から、ピットインし、給油、スリックタイヤへと交換するマシンが出てきた。そして、22周を終えたアンドレアもピットイン。マシンを平川亮へ託した。

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平川が操る37号車は順調に実質トップをキープして周回を重ねるが、コース上でアクシデントが発生したため、27周目にセーフティーカーが導入される。
そして、セーフティカーランが解除され、レースが再スタートされた32周目、直後の1コーナーで何と37号車がオーバーラン! 2番手の1号車(MOTUL AUTECH GT-R)にトップの座を譲われてしまう。しかし、平川は果敢に1号車へ仕掛けてテール・トゥ・ノーズの争いを展開。そして、37号車は43周目、激しいバトルの末、トップに返り咲いた!そして、そのまま逃げ切り、今季2回目のポール・トゥ・ウィンを達成した。

 

この結果、LEXUS TEAM KeePer TOM‘Sの若手ドライバーペア、アンドレア・カルダレッリ/平川亮組はシリーズのドライバーズランキング5位でシーズンを終えた。

 

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アンドレア・カルダレッリ
「最高のかたちでシーズンを締めくくることができ、本当にハッピーです。レースはハード目のレインタイヤを選んだため、最初の数ラップは(タイヤが温まらないので)とても厳しかったですが、太陽も見え始めコンディションが良くなり、そこからは猛プッシュして後続とのギャップを作ってRyoへマシンを渡すことが出来ました!Ryoもタフなバトルを制してよく頑張ってくれました。

開幕戦で勝ってから、数レースはWHや自分たちのミスにより、チャンピオンを逃したのは悔しいですが、気持ちよく最終戦を戦うことが出来ました。今シーズン、沢山のファンに応援して頂き、有難うございました!」

 

 

 

15gt8-COU8また、GT300勢の8番手からスタートをきったGAINER TANAX GT-Rのアンドレ・クートは見事な追い上げで、何と11周までに5番手にポジションアップ!危なげない走りで18ラップを走り終えてピットインし、マシンを千代勝正へとバトンタッチした。セーフティカー導入後の再スタート時の進行にトラブルがあったこともあり、一時7番手まで後退したGAINER TANAX GT-R10号車だったが、34周目には再び6番手を奪回、その順位でレースを終えた。

 

レース後のシーズンエンドセレモニーにて、アンドレ・クートは2015年のGT300チャンピオンとして多くのファンの祝福を受けた。 

 

 

 

15gt8-COU3アンドレ・クート

「日本での長いレース活動の中で、この素晴らしいシリーズの頂点に立てたことは本当に誇りで、光栄です。今季、素晴らしいマシン、タイヤ、チーム、そしてチームメイトの千代・富田両選手に恵まれ、一度もトラブルやミスなく、皆で勝ち得た結果です。また来年もSUPER GTでの挑戦を続けたいと思います。本当に暖かいご支援・ご声援をどうも有難うございました!」

 

 

 

 

 

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TOPICS:
SUPER GTシリーズへの参戦が今季100戦を超えたドライバーへ与えられる称号、“グレーデッドドライバー”として、アンドレ・クートはGTアソシエイションより表彰された。

 

 

 

 

 

 

 

Photos by TOSHIKAZU MORIYAMA