アンドレ・クート 完璧なレースでGT300クラスを見事に制す! アンドレア・カルダレッリも粘りのレースで6位入賞、ポイントリーダーを死守!
2015 AUTOBACS SUPER GT 第2戦「FUJI GT 500KM RACE」は、富士スピードウェイを舞台に5月2、3日の両日にわたり開催された。
サーキットは週末を通して五月晴れの好天に恵まれ、ゴールデンウィーク中のビックイベントに多くのGTファンが詰めかけ、GT500クラス15台、GT300クラス 27台が混走するエキサイティングでドラマティックなレースを堪能した。
(公式入場者数: 5/2(土) 33,500人、5/3(日) 53,000人 計:91,500人)
5月2日(土) 公式予選
朝から富士山がくっきりと姿を現し、快晴の富士スピードウェイで公式練習が行われた(8時50分~10時41分)。
岡山国際サーキットにて開催された開幕戦では見事ポール・トゥー・ウィンを飾ったLEXUS TEAM KeePer TOM’Sのアンドレア・カルダレッリ/平川亮組だったが、前戦での成績により40kgのウェイトハンディ(WH)を課されたことが大きく影響し、ベストタイムは1分29秒740とGT500クラス11番手にとどまった。
また、GAINER TANAX GT-Rで参戦しているアンドレ・クート/千代勝正組は8kgのWHはあったものの、1分38秒462とGT300クラス6番手のタイムを記録してセッションを終えた。
まずGT300の予選1回目(Q1)が14時15分から14時36分に行われた。ニッサンGT-RニスモGT3(10号車)を操る千代勝正がタイムアタックを行い、1分37秒923のタイムを記録して7番手となり、上位13台による予選2回目(Q2)へと駒を進めた。
そのQ2(15時06分~15時18分)では、アンドレ・クートが渾身のアタックを見せ、1分37秒242と3位で公式予選を終えた。
アンドレ・クート
「朝の練習から予選に向けて、少しセッティングを変更したところ、上手くゆきタイムも更新できました。でも、明日のレースは別もの。フリー走行で満タンの状態でのマシン、タイヤの安定性などを考慮したセッティングを見極めることが重要になるでしょう。ともかく優勝に向かってチームと一丸となってベストを尽くします!」
またGT500のQ1(14時41分~14時56分)では、アンドレア・カルダレッリがKeePer TOM’S RC F37号車を操り5ラップにわたるドライビングを行ったが、タイムは1分29秒584で14番手にとどまり、上位8台によるQ2への進出は叶わなかった。
アンドレア・カルダレッリ
「私たちにとっては厳しい予選となりました。他車より重いこともありますが、それ以外の要因もあったためか、思い切ったアタックが出来ませんでした。それでも、公式練習でのロングランのフィーリングは悪くなかったので、明日の長丁場は後方から追い上げてゆきたいと思います」
5月3日(日) 決勝
決勝日も富士スピードウェイは引き続き絶好のレース日和りとなった。朝のフリー走行(9時00分~9時30分。気温23℃/路面温度31℃)では、GAINER TANAX GT-R(10号車)のアンドレ・クート/千代勝正ペアがGT300クラス3番手となるタイム(1分38秒696)をマークして好調さをアピールした。
一方、LEXUS TEAM KeePer TOM’Sのアンドレア・カルダレッリ/平川亮組はGT500クラス15番手(1分31秒424)とタイムアップに苦しんだ。
やがて14時15分の決勝レーススタート時刻を迎える。ややうす曇となった富士スピードウェイ上空だが、気温25℃(路面温度39℃)と過ごしやすい気候で500km(110周)に及ぶロングレースがスタートした。
GT300クラス全27台中、3番手の好位置からスタートしたGAINER TANAX GT-Rのアンドレ・クートは、オープニングラップでチームメイトの11号車(GAINER TANAX SLS)に先行を許し、4番手で序盤を走行する。10周を終えたところでセーフティーカーが導入され5周に渡ってレースが中立化。再開後もトップ4台は一団となってGT300のレースをリードする。そして、アンドレは23周を終えたところで早めのピットイン!チームは給油時間をセーブしたスピーディーなピットワークで千代勝正をコースへと送り出す。その戦略が功を奏し、GAINER TANAX GT-R 10号車はすべてのマシンがピットストップを終えた41周目にGT300クラスのトップに躍り出る! 千代は2番手の3号車(B-MAX NDDP GT-R)と約6秒のギャップを築き、37周を走行したところで、再びアンドレ・クートにマシンを託した。アンドレは自己ベストタイムを更新しながら快調にプッシュし続け、2番手に38秒以上のギャップを築きトップを独走。そのまま今季初優勝のチェッカーフラッグを受けた。
「私にとって今年からチームを移籍し、またチームGAINERにとってGT-Rでの参戦が初めてとなる中でのこの優勝は本当に最高で嬉しい結果です。マシン、タイヤ、戦略もすべて上手くゆき、チームが一丸となって勝ち取った優勝でした。この勢いをキープして次戦へチャレンジしたいです。応援を有難うございました!」
GT500クラスでは、14番手と後方からのスタートを余儀なくされたKeePer TOM’S RC Fのアンドレア・カルダレッリだったが、追い上げを期して110ラップに及ぶレースをスタートした。2周目に前を行くマシンを交わし、また上位グループに後退したマシンがあったため、セーフティーカーが導入された時点では11番手へ。レースが再開された16周目の1コーナーでは接触により2台のマシンが後退、また前のマシンを見事にオーバーテイクしたアンドレアは8番手まで浮上。22周目には後方から追い上げてきたマシンに交わされ一旦9番手へ後退するが、その後挽回し、33周目には7番手へと順位を上げる。アンドレアは38周を走り終えてピットイン。KeePer TOM’S RC Fには平川亮が乗り込みコースへと復帰した。
7番手をキープしていた37号車は戦列を離れた車両があったため、52周目に6位入賞圏内へと入る。
平川亮もペースを緩めることなく38周を走りきり、2度目のピットイン!給油・タイヤ交換を終えて、アンドレア・カルダレッリが最後のスティントへ向かった。6番手ポジションを堅持し、1分31秒台と、トップランナーとそん色ないタイムをコンスタントに刻みながら粘りのドライビングを続け、ポジションをキープしてそのままチェッカーフラッグを受けた。この結果、LEXUS TEAM KeePer TOM’Sはポイントリーダー(25ポイント)の座を守り、次戦へ進むこととなった。
「今日のレースはエキサイティングでした。14番手のポジションから順位上げるべく、序盤から猛プッシュして、オーバーテイクもして、自分のベストを尽くしました。ウエイトハンディに苦しむ週末でしたが、チームが良い仕事をしてくれてポイントリーダーの座も死守できたので良かったです。その分、またハンディ(リストリクターの絞り)が増え、次のタイ戦も厳しそうですが、頑張ります」
次戦のSUPER GT第3戦は、6月20~21日タイのチャン・インターナショナル・サーキットにて開催される。
Photos by TOSHIKAZU MORIYAMA
TOYOTA Motorsports
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