2012/08/19
SUPER GT Rd.5 SUZUKA

トラブル続出のサバイバルレースでカルダレッリが2位表彰台! クートも6位入賞! 

2012 AUTOBACS SUPER GTもシリーズ後半戦となる第5戦を迎え、8月18~19日、鈴鹿サーキット(三重県)を舞台に、真夏のビッグイベント、“インターナショナル ポッカ 1000km”が開催された。4年ぶりにレース距離が1000kmとなった伝統の一戦には土・日あわせて60,500人のGTファンが詰めかけ、6時間に及ぶ白熱したレースを堪能した。GRMドライバーのアンドレ・クートはこのレースの2005年ウィナー。そしてSUPER GTルーキーのアンドレア・カルダレッリにとっては初のロングレースへの挑戦となった。

8月18日(土)の鈴鹿サーキットは9:20の公式練習開始時からうす曇りながら気温が徐々に上昇。GT500 15台、GT300 25台のGTマシンがこのセッションで午後の予選に向けたマシンの調整を行った。LEXUS TEAM KeePer Kraftは国本雄資とアンドレア・カルダレッリがドライブして8番手(1’53.442), アンドレ・クートと荒聖治が操るLEXUS TEAM WedsSport BANDOHは12番手(1’54.332)でセッションを終えた。

そして14:15。天候晴れ、気温32℃のコンディションの中、15分に渡るGT500クラスの公式予選Q1が開始された。ここで国本雄資がLEXUS KeePer SC430を駆ってアタックを開始。2番手(1’52.610)の好ポジションでトップ11台によるQ2へ難なく駒を進めた。
そして、Q2(14:55から10分間)にはアンドレア・カルダレッリが35号車のステアリングを引き継いでアタック。しかし、自己ベストタイムを更新中にトラフィックにひっかかる不運もあり、9番手タイム(1’54.112)に留まった。

アンドレア・カルダレッリ
「今朝の公式練習後にセッティングを変えて予選へ挑みましたが、それに自分のドライビングを合わせきれないうえ、前のクルマにひっかかってしまって消化不良のままQ2が終わり、Q3進出(トップ7台)を逃してしまいました。でも明日は長いレースなので9番手からでも充分に追い上げられると思います。僕達のファイティングスピリットを楽しみにしていてください!」

一方、Q1アタッカーを務めたアンドレ・クートはWedsSport ADVAN SC430をドライブし、徐々にタイムアップを進めるも、アタックラップにデグナーカーブで痛恨のコースオフを喫してグラベルにスタック・・・。このセッションで赤旗原因となったため19号車の当該ラップタイムは抹消され、翌日のレースは最後尾スタートとなった。

アンドレ・クート
「フリー走行で調整したマシンは良くなっていて、ドライビングもしやすくなり、アタックに入って行きましたが、アンダーステアが出て、左アウト側の縁石に乗ってしまいコントロールを失う残念な結果となってしまいました。明日は1000kmの長丁場なので、後ろから頑張って追い上げたいと思います。」


8月19日(日)、明け方に降った雨で路面はやや濡れている箇所があり、また西コースではまだ若干小雨が残る微妙なコースコンディションの中、8:00から30分間のフリー走行が行われた。
そして12:30、強い日差しの中(気温32℃)、173周にわたる長いレースがスタートした。
LEXUS TEAM KeePer Kraftはイタリアの若手ドライバー、アンドレア・カルダレッリにスタートを委ねた。アンドレアは9番手から冷静にスタート。6周目に前のマシンがスピンにより戦列を離れため8番手、その2周後には7番手へと順位を上げる。そのポジションで周回を重ね、31周を終えてルーティンストップ。チームメイトの国本に35号車のステアリングを託した。国本は45周目、トップのマシンがピットインしたところで6番手に浮上。その後、上位車両のピットインのタイミングで順位の変動があったがものの再び6番手をキープし、さらに5番手へとポジションを上げる。62周目にクラッシュしたマシンの回収のためセーフティーカー(SC)が導入される。ここで35号車はピットイン! アンドレアがステアリングを握るKeePer Kraft SC430は11番手でコースへ復帰した。 GT500勢が2度目のピットストップを終えた72周目には6位、78周目には5位に上がる。レースが進むにつれて上位のマシンに次々とトラブルが襲う中、中盤の84周目にはアンドレアが操る35号車はLEXUS勢のトップ、2番手まで浮上する。そして93周目、LEXUS KeePer SC430が一時トップに躍り出た! その次のラップにアンドレアはルーティンストップを行い、国本に交代する。
過酷なコンディションに、サバイバルレースの様相を呈して来た鈴鹿1000km。35号車はその中を6番手に就けてトップを追う。そして、124周目に4回目のピットインを行いアンドレアが元気にコースイン。モニター上の順位は6位だが、既に4回のピットストップを行っているKeePer Kraft SC430は実質4位を走行している。そしてアンドレアはミスなく自己のスティントを終えると149周目に最後のピットイン。LEXUS KeePer SC430を国本へ。 5番手を走行していた35号車は、予定外のピットインをしたマシンを交わして153周に4番手へ。ところが158周目に1周遅れのGT500が130Rで大クラッシュしたためSCが導入された。ここで前車とのギャップを縮めた国本雄資は前を行くマシンのタイヤの状態を見つつアグレッシブなドライビングを披露。フィニッシュまで残り8周となったところで1台、その2ラップ後には更に1台を抜き去り2位へジャンプアップ! 国本はそのままポジションをキープして173周の過酷なレースを2位でフィニッシュし、18ポイントをゲットした。

ふたりのルーキードライバーは、チームと共にこのロングレースを見事に表彰台で祝う嬉しい結果となった。

アンドレア・カルダレッリ
「本当に長く、厳しいレースでしたが、僕自身2年目の日本で初表彰台をゲットできて本当に嬉しい!チームと一緒に、ここまでのテストで良い流れを見つけ、そして今日のレースでもいろいろな戦略を立て、チャレンジしてこの結果に結びつきました。本当にチーム皆で獲得した2位です。ユウジもグッドジョブをしてくれたし、僕もライバル達のトラブルを見て、タイヤを温存してミス無くレースを終えて良かった。」

WedsSport ADVAN SC430のスターティングドライバー、荒聖治は10周目までに12番手に。じっくりとレースを進め34周目にピットイン。タイヤ交換、給油を済ませた19号車はアンドレ・クートへ託された。クートはコンスタントなペースで52周目に11番手、60周目に10番手へとじりじりと順位を上げる。そして70周目、9番手までポジションを上げたにアンドレは、再び僚友の荒にWedsSport ADVAN SC430を託した。その後上位のマシンがトラブルで戦列を離れたため、19号車は83周目に6番手へとポジションを上げる。そして95周目には5番手に浮上! 104周を終えたところで再びアンドレ・クートがステアリングを握りコースへ戻った。123周目にタイヤの新しいマシンに先行されるものの6番手に就けて堅実なドライビングを続ける。4回目のピットインをしたマシンを横目に124周目には5番手に上がり、タイヤを労わりながらもアグレッシブにドライビングを続ける。139周を終えて4回目のピットストップを行ったLEXUS TEAM WedsSport BANDOHは、荒がコースへ復帰。6番手で走行中の終盤にSCランとなったが、落ち着いてチェッカーまでを走り抜いた荒はそのまま6位でチェッカーフラッグを受け、6ポイントを獲得した。

アンドレ・クート
「最後尾からのスタートでしたが、競争力のあるペースで6位フィニッシュすることができました。マシン、タイヤとも良いペースでコンスタントにプッシュでき、また4ストップ作戦でレースを終えられたのも良かったです。この調子で次戦富士(9月8-9日)では更に上位を狙っていきます!」

Photos by T.Moriyama