2012/06/10
SUPER GT Rd.3 Sepang

A.クートとA.カルダレッリ、灼熱のレースでポイントを獲得。

6月9~10日にわたり、シリーズでは唯一の国外戦となるAUTOBACS SUPER GT第3戦「SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA」が開催された。舞台はマレーシア、クアラランプール国際空港近くのセパン・インターナショナル・サーキット。亜熱帯特有の高温多湿で厳しい条件の中、レースはマシンやドライバーへの負担も大きく、また突然のスコールによるドラマもあり得る。

6月9日(土)、曇り空(気温30℃、湿度70%)のもと、10:00から2時間にわたる公式練習が行われ、LEXUS TEAM WedsSport BANDOHから参戦するアンドレ・クートは走り出しより順調に周回を重ね、6番手タイム(1’56.695)でセッションを終了した。一方、初のセパンでのドライビングとなるLEXUS TEAM KeePer Kraftのアンドレア・カルダレッリは、1周でも多い練習をしておきたかったが、チームメイト国本雄資の走行枠でのマシン調整に時間を要したこともあり、実質4ラップのみしか走行できず、タイムは14番手(1’57.924)となった。

そして、15:45、GT500勢トップ10位までが進出できるスーパーラップ(SL)に向けて15分間の公式予選1回目(Q1)が開始された。
セッションスタート共にコースに飛び込んだアンドレ・クートはWedsSport ADVAN SC430を操り、タイヤを温めながらアタックへ。セッション中盤でマシントラブルによりストップしたマシンがあったため、赤旗中断となったが、1’57.172の3番手タイムでSLへの進出をきめた。
また、LEXUS TEAM KeePer Kraftは国本雄資がQ1を担当。赤旗中断にも集中力を欠かさず、5番手タイム(1’57.268)でSLへと駒を進める好結果を残した。

そして、17:15より注目のSLセッションがスタートした。
LEXUS TEAM KeePer Kraftより自身初のサーキットで、初のスーパーラップを任されたアンドレア・カルダレッリは、6番目に出走。そのプレッシャーと戦いながらもミス無くアタックに入り、8番手(1’57.380)でセッションを終了した。
また、WedsSport ADVAN SC430はクートの僚友、荒聖治がSLを担当。しかし、タイムを縮めるには至らず9番手(1’57.855)の予選結果となった。


翌10日(日)、朝のフリー走行が始まった時刻(10:00-10:40)には青空が広がり始め、前日より気温は更に上昇し、灼熱の一日がスタートした。
このセッションでは全車決勝に向けてのマシン調整を行い、LEXUS KeePer SC430(35号車)はカルダレッリが11周を走り込み6番手(1’58.482)、 WedsSport ADVAN SC430(19号車)はクートが11番手(1’59.390で終了した。

そして16:00、厳しい日差しが照り返るセパン・サーキットの気温は33℃、路面温度はなんと52℃まで上昇する中でGT500 15台、GT300 22台による54周にわたるレースの火蓋がきられた。GRMドライバーの二人は、ひとつでもポジションを上げてチームメイトへマシンを託すというミッションを負い、スタートをきっていった。 セパンでの優勝経験もあるベテラン、アンドレ・クートは9番手からスタート。オープニングラップから果敢に攻め、3周目には7番手を走行。そのポジションで安定した走りを続けるが、19周目前後からペースが上がらなくなり、23周を終えてピットインするまでに12番手まで後退を余儀なくされた。WedsSport ADVAN SC430のステアリングを引き継いだ荒聖治は安定した走りでレース後半31周のスティントを終え、9位(2ポイント)でフィニッシュした。

アンドレ・クート
「序盤はマシンバランスも良く、レースを楽しめましたが、後半はリアが厳しくなり、ポジションをキープできませんでした。次のSUGO大会(7月28~29日)では色々なデーターを生かして頑張っていきたいと思っています。引き続き応援をよろしくお願いします。」

一方、LEXUS KeePer SC430のステアリングを握り8番手からスタートしたアンドレア・カルダレッリは、14周目までに2ポジションダウン、更に17周目には11位まで順位を落とすが、その後ポジションをひとつ挽回して27周目にピットインし、国本雄資にマシンをバトンタッチした。国本はコンスタントな走りで48周目までに8番手へ浮上。終盤を順調にドライビングするが、48周目の1コーナーで他車と接触。これによりレース後30秒加算のペナルティが課せられ、10位(1ポイント)と残念な結果に終わった。

アンドレア・カルダレッリ
「初めてのサーキットで、初めてのスーパーラップ。加えてこんなに暑い中でのレースも生まれて初めてでしたが、良い経験を積むことができました。レース序盤は順調にレースを進められましたが、やはりGT300勢を交わすのに手こずり、ロスタイムが出てしまったので、その課題を出来るだけ早くクリアしてゆきたいですね。ペナルティで順位が変わったのは残念ですが、僕達は毎戦良い方向に向っているので、次戦ではより多くのポイントゲットを目指します。」

Photos by T.Moriyama, M.Sato