2011/05/22
SUPER GT Rd.1 Okayama

アンドレ・クート、給油トラブルでノーポイントに終わる

3月11日の東日本大震災を受け延期された「AUTOBACS SUPER GT Rd.1 OKAYAMA GT 250km RACE」が5月21-22日、新緑萌える岡山国際サーキットにて開催された。 全長3.7kmと短いがタイトなコーナーと高低差があり、オーバーテイクポイントが少ないテクニカルコースとして知られる岡山国際サーキット。そして観戦ポイントでは間近にGTマシンの走りが見られるレイアウトだけにGTファンは大いにレースを楽しむことができるサーキットでもある。今大会にも述べ23,500人の観客が来場し、白熱のSUPER GTを堪能した。



5月21日(土)、明け方に微量の雨が落ちたものの公式練習はスリックタイヤでのセッションとなった。D’STATION KeePer SC430は主に脇阪がマシンのセッティングを煮詰め、後半にクートがロングランを行ってこれを確認。35号車は12番手(1’25.434)で午後の公式予選へと駒を進めた。

12:30、曇り空のもと、1時間におよぶノックアウト予選Q1がスタート。まずGT500とGT300の2クラス混走のセッションで、LEXUS TEAM KRAFTはクートをコース送り出し基準タイム(105%)をクリアーさせた後、マシンを脇阪に託して最終チェックを行った。そして脇阪がGT500の15台で競う10分間のQ1を担当し再びコースイン。タイムアタックを行うが、ベテラン脇阪のパフォーマンスをもってしてもタイムは思うように伸びず、ベストタイム1’25.293で14番手に留まりQ2(トップ11台枠)への進出は叶わなかった。

アンドレ・クート
「マシンは仕上がっているのですが、タイムは改善されませんでした。アンダーステア気味で、ブレーキングにもまだ若干不安があり、もう少しセッティングを煮詰めたいところですね。でも、前回の富士と同じように決勝での追い上げは出来ると思います。明日は雨となる確立が高いようですが、ドライでもウェットでも全力でいきますよ!」


翌22日(日)、8:30-9:15に予定されていたフリー走行は激しい雨のため中止された。これに代わって、決勝前のウォームアップ走行が12:38から25分間に走行枠が拡大されて実施され、2名のドライバーの走行も可能となった。朝の雨はその後上がり、ウォームアップ走行ではGT500 15台/GT300 22台がドライコンディションのもとで決勝に向けたマシンや路面のチェックを行った。

そしていよいよ14:00。曇り空(気温23℃/路面温度29℃)のもと、68周にわたる決勝レースがスタートした。アンドレ・クートは7列目からD’STATION KeePer SC430を操り、最初のスティントを担当。まず2周目に前を行く23号車(MOTUL AUTECH GT-R)を交わして13番手へと順位を上げる。5周目、ペースの上がらないマシンをパスして12番手に上がる。しかし、11周目に23号車に抜き返され、ここからアンドレは13番手に就けて我慢の走りを続ける。徐々にタイヤの状態が厳しくなるなか、25周目に再び12番手にポジションを戻す。そして28周を終えたところでピットイン。タイヤ交換、ドライバーは脇阪寿一にスイッチしたが、ここで給油装置の不具合により燃料が給油口から吹き出て引火するというアクシデントが発生!クルーは速やかに対処して35号車をコースへ送り出した、脇阪はそこからピットストップのロスタイムをリカバーする猛追を開始。45周を過ぎたあたりから他のマシンのペースが落ちてくると、49周目に12番手、52周目に11番手、そして54周目に10位まで順位を上げ、55周目にはなんと9位まで浮上!! チェッカーフラッグまでに更なるポジションアップが期待されたが、その矢先の58周目、D’STATION KeePer SC430は緊急ピットイン。給油を済ませて再度コースへ復帰したが、ポジションを大きく落とし、14位でレースを終えた。

アンドレ・クート
「予選の結果を受けてマシンのセッティングをエンジニアと色々煮詰め、今日の決勝へ挑みました。そのおかげでマシンは改善され、ジュイチも良い仕事をしてくれたのでシングルフィニッシュが見えていました。しかし、残念ながらピットイン時の給油トラブルで、給油量が足りないこととなり、ポイント獲得にはつながりませんでした。でも、徐々にマシンも良くなっているので、次戦へ期待しています。」


TOPICS:
10年以上のSUPER GTのファンであり、そしてLEXUS TEAM KRAFTの脇阪/クート組を応援している寺岡宏隆さん(広島)が来場。寺岡さんは昨年の1月に急性骨髄性白血病を発症し、苦しい抗がん治療を続けてきたが、その甲斐あって今大会を観戦するまでに快復した。家族のサポートはもとより、レースへの情熱が治療と戦うパワーになったという。寺岡さんはクートと共に骨髄バンクの活動支援のステッカーを配布するなど、積極的にキャンペーンへ参加し、久しぶりのレースをサーキットの現場で堪能していた。


Photos by T.Moriyama and GRM