2009/04/05
Formula NIPPON Rd.1 Fuji

ロイック・デュバル 開幕戦は4位入賞


日本のトップフォーミュラレース、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(全8戦)の開幕戦が4月4~5日、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡)で開催された。

フォーミュラ・ニッポンでは3年に一度のサイクルでニューシャシーの導入を行っており、今年がまさにその年にあたる。昨年まで使用されていたイギリスのローラ社製シャシー(FN06)からアメリカのスイフト社製(FN09)にスイッチされ、エンジンも従来の3リッター・V8 から3.4リッター・V8 に変更されて600馬力以上にパワーアップ。2009年のマシンはサイズ&パワーともにひと回り大きくなった。また、ボタン操作によりエンジン回転数が通常リミットの10300 回転から400回転アップする、オーバーテイクシステムが採用されることになった。ドライバーはレース中このシステムを5回だけ使用することができるため、いつ、どの場面でこのパワーを活用するか?! その戦略も勝敗を左右するファクターのひとつに加わった。

GRMドライバーのロイック・デュバルは、フォーミュラ・ニッポン4シーズン目となる今季もHONDAエンジンを搭載したNAKAJIMA RACINGの31号車を操る。

4月4日(土)、従来行われていた金曜の公式練習は廃止され、9:30より1時間のフリー走行が行われた。シーズン前のテストから好調さをアピールしてきたロイック・デュバルは、穏やかに晴れ渡った富士スピードウェイを16周し、午後の公式予選に向けてチームと最終調整を行った。

そして、13:45より3回にわたるノックダウン方式の公式予選がスタート。まずトップ11台を決めるQ1は気温15℃(路面温度25℃)の中で20分間にわたり行われた。ここで31号車ロイック・デュバルは5番手となる1’25.209をマーク。10分間のインターバルをおいて行われたトップ8台を選ぶQ2では更にタイムを縮め、3番手(1’24.838)で最後のQ3へ進出した。しかし、15:30から行われたQ3では気温が12℃(路面温度19℃)に下がったこともあり、1’25.359とタイムが伸びず6位に甘んじる結果となった。

ロイック・デュバル
「ポール(ポジション)をとれなかったのは悔しいですね。Q1-Q2はマシンも良くプッシュができてよかったんですが、最後は気温が下がってタイヤの温めが上手く行かず、カーバランスも変わってしまいました。Q2までのマシンとは別の乗り物になってしまった感じでした。でも、マシンはとても良いので、明日のレースは6番手からのスタートでも優勝を狙える可能性は充分にあります。」



翌5日(日)の富士スピードウェイ上空は朝から雲に覆われ、9:50から30分間に渡って行われたフリー走行では気温13℃、決勝レース開始時も11℃(路面温度14℃)と、4月とはいえまだまだ肌寒い1日となった。

14:30、レッドシグナルがブラックアウトした瞬間、55周先のチェッカーフラッグを目指して13台のマシンが一斉にスタート。NAKAJIMA RACING 31号車のロイック・デュバルは3列目から好スタートを決めたが、1コーナーで行く手を阻まれてチームメイトと接触してしまう。しかしマシンにダメージは無く、そのまま3番手に就けてレース序盤を周回する。その間、5、7、10周目にオーバーテイクシステムを使い、前方のマシン(LAWSON TEAM IMPUL 2号車ブノワ・トレルイエ選手)のオーバーテイクを試みるものの、ポジションアップには至らず我慢の周回を重ねる。その後24周目にルーティンのピットイン。燃料補給、タイヤ交換を済ませ再びコースへと復帰した。
全マシンがピットインを終えた段階でのロイックのポジションは4位。レース後半には2速が入りにくくなるというトラブルにも見舞われたが、ロイックはそのまま粘り強い走りを続け、4位入賞のチェッカーフラッグを受けた。

ロイック・デュバル
「スタートは良かったのですが、その直後コグレとの接触してしまい、彼やチームには申し訳ないことをしました。でも僕も行き場が無くどうしようもありませんでした。今日のマシンは速く、オーバーテイクシステムも使いましたが、ブノワをパスすることはできませんでした。実際、セクター2ではとても速かったんですが、セクター3が負けていて、後半も前のマシンとのギャップを縮めることができませんでした。もっと早くピットインしていたら展開が変わっていたのかもしれませんが・・・。表彰台を逃したことは悔しいですが、開幕戦でまず5ポイントをゲットできたことをヨシとして、次戦での巻き返しができるよう頑張ります。」


Photos by T.Moriyama