2009/03/22
SUPER GT Rd.1 OKAYAMA

ヘビーウェットの開幕戦、L.デュバル7位、A.クート15位完走

3月21-22日、2009 AUTOBACS SUPER GT開幕戦となる“OKAYAMA GT 300km RACE”が開催された。
今季は厳しい経済情勢を鑑み、2日制大会となり、従来行われていた金曜の練習走行がなくなった。今大会では土曜の午前中に2時間の公式練習、午後に公式予選~スーパーラップ(上位8台)行うというタフなスケジュールに変更された。既にアナウンスされた通り、GRMからはアンドレ・クートとロイック・デュバルがGT500クラスに参戦。雨の開幕戦となった1戦だったが二人はベストを尽くしてチャレンジした。

3月21日(土)、岡山国際サーキット上空には穏やかな青空が広がり、気温は23-24℃と暖かい一日となった。
10:00からの公式練習に続き、公式予選へプログラムは順調に進んだ。NAKAJIMA RACINGのロイック・デュバルは13:15から開始された公式予選1回目のアッタカーとしてEPSON NSX(32号車)を操りタイムアタックを行った。しかし、リヤ右側のサスペンションにトラブルが発生したため、タイムは11番手(1’26.421)に甘んじ、「トラブルが無ければ8位以内に食い込めたはず・・・」という悔しいセッションに終わった。
一方、LEXUS TEAM SARDは、平手晃平選手が乗り込んでセッションをスタート。ところがわずか3周目、平手選手は駆動系のトラブルを訴えて、マシンをピットへ戻した。そこからスタッフが懸命な作業を行ったが、公式予選の時間内に修復を終えることはできず、アンドレ・クートはDUNLOP SARD SC430(39号車)のステアリングを握ることなくセッションを終えることとなった。「残念ですが、レース前に悪い部分が出たことはラッキーです。明日は後ろから追い上げますよ」とコメントした。(尚、SARDの二人のドライバーは予選通過の基準タイムGT500上位3台の平均タイムの107%をクリアーできなかったが、大会審査委員会への嘆願書を提出し、決勝への出場が認められた。)
こうしてGRMのドライバー達にとってはマシントラブルに泣く、厳しい開幕戦の予選結果となった。


翌22日(日)、未明から降った雨は止んでいたものの9:20から30分にわたって行われたフリー走行時のコースはセミウェット。しかし、12:30をまわったところから雨足が強まり、決勝はヘビーウェットコンディションの中行われた。
そしていよいよ14:00(気温16℃/路面温度18℃)、2009年のSUPER GT第1戦がセーフティーカー(SC)先導のもとスタートした。2周を終えたSCがピットに入るとGT500クラス15台、GT300クラス21台が300km先(82ラップ)のゴールを目指し一斉に水しぶきをあげて加速!

そのGT500では、11番手からスタートをきった32号車、ロイック・デュバルは前を行くマシンの上げる水しぶきによってできるウォータースクリーンで視界が遮られる中、3周目に9番手へとポジションアップ!さらに12周目あたりから前方のマシン(38号車ZENT CERUMO SC430)の背後に迫ってプレッシャーをかけ、16周目についに見事なオーバーテイクで7番手に浮上する。そこから難しいコンディションの中、コンスタントにラップを刻み、53ラップにピットイン。6番手で中山 友貴選手にEPSON NSXのステアリングを託した。このころから雨は止んだが、コースは引き続きウェットの難しい路面状態。しかし、SUPER GT初舞台となった中山選手はデビュー戦とは思えぬ安定した走りで7位のチェッカーを受けた。

ロイック・デュバル
「特に走り始めから中盤にかけヘビーレインで、アクアプレーニングとの戦いがすごくキツかったですが、ベストを尽くして自分のスティントを終え、ユーキにマシンをバトンタッチしました。彼も良い仕事をしてくれたので、僕達は11番手スタートでしたが7位でフィニッシュすることが出来ました。この結果は悪くありませんね。これからも絶対にポイントを取りこぼさず毎戦頑張っていきますよ!」

一方、最後尾からのスタートをきった39号車のアンドレ・クートはスタート時点で11番手までポジションアップしたが、序盤からタイムが伸び悩み22周目時点では13番手で我慢の走りを続ける。そして30周目、アンドレはピットインし、チームメイトの平手選手にLEXUS SC430を託した。平手選手はGT500デビュー戦となったこの大会で粘りの走りを続けたが、71周目にマシントラブルを訴えピットに入り、そこでレースを終えた。

アンドレ・クート
「僕達は天候の回復を考えタイヤをチョイスしたのですが、これが裏目に出てしまいした。過去のGTレースでもこんなにリスキーで厳しいドライビングは無かった、と言えるほど、マシンはコントロールがとても難しく、特にセクター1は最も辛く、何度もコースアウトしかけながらのスティントでした。予選、決勝共にマシントラブルが出てしまいましたが、次戦ではすべて解決して再チャレンジします!応援をよろしくお願いします。」

SUPER GT第2戦は4月18-19日、鈴鹿サーキットにて開催される。
Photos by T.Moriyama