2008/10/19
SUPER GT Rd.8 AUTOPOLIS

ロイック・デュバル2位表彰台ゲット!
アンドレ・クートは粘りの走りで13位完走。

SUPER GTもシーズン終盤を迎え、第8戦「SUPER GT IN KYUSHU 300KM」が10月18、19日の両日、大分県と熊本県の県境に位置するオートポリスを舞台に開催された。九州でのビッグイベントには延べ44,100人のファンが集まり、計39台で競われる白熱したレースを堪能した。

1周4.674kmのオートポリスは、最大高低差52mというアップダウンの大きさが特徴で、高速コーナーが続くほか、路面はタイヤに厳しく、チャレンジングなサーキットといわれている。

10月18日、ススキに覆われた阿蘇の外輪山一帯は秋の晴天に恵まれ、その中で公式予選が行われた。
21℃(路面温度29℃)と過ごしやすい気温の中、10:40からGT500クラス16台による1回目の予選が行われた。20分間のセッション開始からDENSO DUNLOP SARD SC430(39号車)を操るアンドレ・クートは積極的なドライビングを見せ、1回目アタックで1’402.304をマーク。セッティングが向上していることを確認した。そして2アタック目には全車中のベストタイムでセクター1をクリア。好タイム記録が期待された。ところがその矢先、アンドレは何と第1ヘアピンの手前で、スポンジ・バリアにリアから乗り上げるクラッシュしてしまう。

幸いアンドレ自身に怪我は無かったが、「マシンの調子も良く、ハイスピードでアタックしていたところで、バンピーな箇所でマシンが跳ねあがり、スピンしてしまいました。本当に悔しい・・・。」と無念のコメントを残した。

一方、EPSON NSX(32号車)のロイック・デュバルは、アンドレ・クートのクラッシュによる赤旗中断の前にマークした1’41.226がベストタイムとなり、午後のスーパーラップ(SL)進出を果たした。
ロイックは「マシンのバランスはベストではなく、また(本来は2周目で温まるのに対し)まだ1周目のタイヤの温まりだったのに、このポジションには自分でもちょっとびっくり!」と語り、午後のセッションに向けて再度、マシンの調整を進めた。

GT500の1回目予選トップ10台によるSLが15:20から開始された。ロイック・デュバルはその10番目に出走を開始した。
EPSONカラーの白とブルーのマシンを操るロイック・デュバルは渾身のアタックを見せ、1回目予選タイムを更新(1’41.201)したものの、トップ2車のポジションには及ばず3番手にとどまった。

「このコースはバンピーで、マシンが跳ねてコントロールが大変でした。でもともかく今日の最終ポジションは、僕たちでできることはすべてやっての結果。僕もベストを尽くしたし、ミスもなかったので満足しています。明日の決勝は表彰台の真ん中を目指して頑張りますよ!」

翌19日(日)も朝から青空が広がり、決勝レース開始時刻の14:00には24℃(路面温度36℃)まで気温は上昇し、やや汗ばむほどの秋の陽気となった。そしていよいよ65周にわたるSUPER GTのレースの火蓋が切られた。

グリッド3番手からスタートの32号車ロイック・デュバルは、好ダッシュを決めて2番手で1コーナーに飛び込み、オープニングラップから2位に就けてレースを進める。しかし、7周目に後方から迫って来た1号車(ARTA NSX、R.ファーマン選手)の先行を許してひとつ順位を落として3位へ。そこからは、トップ2台のマシンに続くロイックはタイヤを温存しながら丁寧な走りで周回を重ねる。そして、28周目には上位2台のマシンが相次いでピットストップを行ったため、32号車はトップに立ち、レースをリードして行く。その後、30周を終えてピットへ。ロイックは僚友、平中克幸選手にステアリングを託した。37周目、全車が1回目のピットストップを終えたところでの32号車の順位は4番手。そしてコンスタントなドライビングを続けた平中選手は、2回目のピットインを行った2台のマシンの前に出て、45周目には2位へ浮上。そしてそのポジションを見事にキープした32号車は、そのまま2位でフィニッシュ! 2人のドライバーは今季初の表彰台へとなった。

ロイック・デュバル「スタートはウェイトハンデが無いマシンだったこともあり、良いダッシュができましたが、レース中はマシンがドライビングしづらく、前とのギャップを縮めることはできませんでした。でも僕もヒラナカもベストを尽くして乗り切りました。今日の結果はチーム、ダンロップさんのためにも本当に良かったと思います。応援してくれたスポンサーさん、ファンの皆さんにも感謝しています。」

一方、DENSOカラーの39号車は、アンドレ・クートが15番手からレースをスタート。序盤16位にポジションを下げたが、7周目には再び15位を挽回し、粘りのドライビングを続ける。20周目からはピットストップ2回の戦略をとったマシンがピットインし、さらに1台のマシンをオーバーテイクしたアンドレは12番手へと浮上した。
そして、35ラップのスティントを終了したところでピットイン。チームはタイヤ交換、給油のピット作業を行い、マシンは高木虎之介選手へ託された。その後、高木選手も14番手で安定したドライビングを続けたが、50周目で1ポジションダウン。しかし、そこから粘り強い走りで完走を果たし、39号車は13位でチェッカーを受けた。

アンドレ・クート「今朝のウォームアップでは走りやすかったマシンが、レースでは逆にグリップが足りず、リアがスライドする症状出て、オーバーステアに悩むことになってしまいました。最終戦は悔いのないレースにしたいですね。引き続き応援をどうぞ宜しくお願いします!」

2008年SUPER GTの最終戦となる第9戦は11月8-9日、富士スピードウェイで開催される。

Photos by T.Moriyama