2008/09/14
SUPER GT Rd.7 Motegi

L.デュバルは最後尾スタートから5位、A.クートは13位フィニッシュ

全9戦で争われるSUPER GTも今週末、ツインリンクもてぎ(栃木県)で第7戦を迎え、シーズンも残り3戦となった。Hondaのホームコースでの1勝を目指すEPSON NSXのロイック・デュバル、そのHonda勢に立ち向かうToyotaの一員、DENSO DUNLOP SARD SC430のアンドレ・クート。ふたりのGRMドライバーは、ともに少しでも多くのポイントを獲得することを目指し、この1戦に臨んだ。

今回の大会の見所のひとつは、予選方式が通常の“スーパーラップ”方式ではなく、“ノックダウン”方式が採用されたこと。加えて3つのノックダウン・セッション中、ひとりのドライバーが参加できるのは2セッションまでに制限されるため、ふたりのドライバーの両方が予選でアタックすることが必要となる。また、3回のセッション中のタイヤ交換は許されない。

9月13日(土)、気温28℃(路面温度46℃)と、厳しい残暑の中、10:20に1時間の公式予選1回目が開始された。このセッションにはGT500の全16台、32人のドライバーが走行。各チームともふたりのドライバーの予選通過基準タイム(トップタイムの107%)クリアを主眼とし、併せて午後のノックダウン予選に向けた調整も行われていた。この予選では、DENSO DUNLOP SARD SC430の39号車のアンドレ・クートは5番手(1’45.938)、そして、EPSON NSX 32号車はロイックのチームメイト、平中克幸選手が13番手のタイム(1’46.949)をマークした。ロイックは3周のドライブで基準タイムをクリアした。

やがて、時刻は15:05となり、いよいよ決勝グリッドを決定するノックダウン方式の公式予選が開始された。まずGT500クラスの13位以下を確定する15分の“セッション1”がスタート。DENSO DUNLOP SARD SC430 39号車の“セッション1”を担当したアンドレ・クートは、残り9分のところでコースイン後、タイヤを暖めながらアタックに入り、4周目にマークした1’45.540のタイムで4位を確保。“セッション2”への進出を難なく果たした。17分間のインターバルを置いて、セッション1の上位12台による“セッション2(10分間)が行われた。引き続きドライブしたアンドレは、ノーミスで果敢なアタックを行い、1’45.813のタイムをマーク。このタイムで8番手となった39号車は、最終セッションへと駒を進めた。
再び17分間のインターバルを経て、”セッション3(10分間)”は高木虎之介選手がアタックを担当。1’47.230のタイムで8位が確定した。

アンドレ・クート「前回のレースからマシンは改良されています。昨日の公式練習から今日にかけても更に競争力は上がっています。明日は僕たちの進化をお見せできるレースにしたいですね。」

一方、32号車 EPSON NSXは、“セッション1”開始直後に平中選手がステアリングを握ってコースイン。順調に走行するかに見えたが、平中選手はマシンの不調を訴えて1周も完了することなくピットイン。何とラジエーターが壊れている。このハプニングによりノータイムとなった32号車の予選結果は16位となった。

ロイック・デュバル「アンラッキーな結果で、明日は(GT500勢の)最後尾からのスタートとなりましたが、僕たちはあきらめずに頑張りますよ。応援をよろしくお願いします!」

9月14日(日)、3連休の中日(なかび)にもあたり、秋晴れに恵まれたツインリンクもてぎには2日間で述べ53,000人のレースファンが集まった。

14:00、気温28℃。ローリングスタートで63周のレースがスタート。平中選手が乗り込んでスタートした32号車 EPSON NSXはオープニングラップを14番手で終え、順調に周回を重ねて行く。序盤、ぺナルティを受けるマシンやトラブルにより後退するマシンもあり、32号車は22周目に11番手まで順位を上げて来た。そして28周を終えたところでピットイン。白とブルーのEPSONカラーをまとうマシンは、ロイック・デュバルに委ねられた。そこからロイックは持ち前のアグレッシブなドライビングで走行を続け、37周目に8位、41周目に7位、そして51周目には6位へと見事な追い上げを見せる。そして57周目からは5位を行く35号車(宝山KRAFT SC430)とテール・トゥー・ノーズのバトルを展開。 遂に1コーナーでこれを捕らえ、残り3周で5位へ浮上! EPSON NSX 32号車はそのままポジションを守ってチェッカーを受け、6ポイントを獲得した。

ロイック・デュバル「金曜、土曜とあまり良い流れではなかったので、このポジションでレースを終えられたことには満足しています。レース中はマシンのバランスも悪くなかったので、自分のスティントは楽しく走ることができました。ただ、後半はタイヤが結構キツかったので、35号車をオーバーテイクするのにちょっと手間取ってしまいましたけどね。あと2戦、チームと一丸となってガンバリマス!」

一方、DENSO DUNLOP SARD SC430の39号車は、アンドレ・クートがスタートドライバーを担当。スタートダッシュの上手さでポジションをひとつ上げてオープニングラップを終え、そこから7番手をキープしたまま、順調なペースでドライブを続けて行く。27周を過ぎるころからピットインするマシンが増え始めたが、アンドレは32周目までひっぱり、ピットイン。チームメイトの高木選手にDENSOカラーのマシンを託した。しかし、その際のピット作業にレギュレーション違反があり、42周目、12番手を走行中だった39号車に何とドライビングスルーペナルティが科せられてしまう。ここで2ポジション後退してしまったが、高木選手も粘りのドライビングを続け13位でフィニッシュした。

アンドレ・クート「僕はベストを尽くし自分のスティントを楽しくドライビングすることが出来ました。最初の10周でちょっとリア(タイヤ)がきつくなったんですが、そこからはコンスタントな状態で、ペースを保ちながら走りきることができました。まだ僕たちには色々課題はありますが、次戦もチャレンジしたいと思っています。引き続き応援をよろしくお願いします。」

Photos by T.Moriyama