2008/08/31
Formula NIPPON Rd.7 Fuji

L.デュバル、Race1は10位スタートから怒涛の追い上げで2位表彰台へ
Race2は悪天候により6周で終了

全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦が8月最後の週末、富士スピードウェイにて開催された。今シーズンのフォーミュラ・ニッポンも残すところ、今大会と最終戦SUGO。今季このカテゴリーでより高いランキングで終えるためにも、ロイック・デュバルにとってこの2戦は重要。またチーム・チャンピオンを獲得するためにも、チームと一丸となって高得点を得るべくサーキット入りした。

8月30日(土)、前日より日本列島には前線が停滞。各地に記録的な豪雨もたらし、富士スピードウェイも天候の変わりやすい週末となった。幸い、金曜に行われた公式練習は午前・午後ともにドライコンディションで行われた。また、土曜朝のフリー走行も明け方まで降った雨によりハーフウェット状態だったが、セッション後半には全車スリックタイヤでの走行が可能となり、各チームとも予選に向けて最後のマシン調整を行った。

こうした中、前日の公式合同テストからマシンの仕上がりが良いPIAA NAKAJIMA 31号車のロイック・デュバルは、フリー走行でもトップ(LAWSON TEAM IMPUL 1号車, 松田次生選手)に続く2番手のタイム(1’26.770)をマーク。期待とともに午後の予選開始を待った。
昼前から富士スピードウェイにも遂に雨が落ち始めたが、14:25から1時間に渡って行われたノックアウト予選ではその雨も止み、雲の切れ間の青空さえ見えるようになった。しかし、路面はまだウェットのまま。20台のマシンはレインタイヤを装着してセッションに臨むことになった。

まず、トップ15台を選抜するQ1(20分間)が開始され、ロイック・デュバルはトレードカラーの白黒のPIAA NAKAJIMA 31号車を操り、1’41.428のタイムをマークして6番手でQ2へ進んだ。しかし10分後に開始されたQ2(10分間)では、ロイックのタイムは伸び悩み、10番手(1’41.848)に終わり、トップ8台で競われるQ3への進出は叶わなかった。

ロイック・デュバル「セクター2がひどいアンダーステアで、思うようなアタックが出来ませんでした。ガッカリです。でも、明日は天気も回復しそうなので、レースでは上を狙って追い上げていきますよ。ドライコンディションでのマシンはとても良いので心配していません。」

8月31日(日)、天候は回復し富士スピードウェイに青空が戻った。8:00から30分間に渡って行われた朝のフリー走行で、ロイック・デュバルはドライコンディションでのマシンに問題は無いことを確認。
そして、いよいよRace1スタート(30周)となった。時刻は13:00、雲の切れ間からの日差しは強く、気温は29℃(路面温度38℃)まで上昇した。
レッドシグナルがブラックアウトした瞬間、20台のマシンが一斉にスタート。10番手から好スタートを切ったロイックは、リズミカルなドライビングを見せて2コーナーで4台のマシンをかわし、6番手でオープニングラップを終える。そして次の周には更に1台をパスして5番手まで順位を上げる。その後もロイックは、1’29秒台半ばのハイペースでアグレッシブなドライビングを続け、8周目にはチームメイトの小暮卓史選手(PIAA NAKAJIMA 32号車)の前に出て、3位を行く36号車(PETRONAS TEAM TOM’S、アンドレ・ロッテラー選手)とテール・トゥー・ノーズの争いを展開。そして12周目の2コーナーで見事なパッシングを見せて3位に浮上!

ロイックの猛追はとどまるところを知らず、チャンピオン最有力候補、LAWSON TEAM IMPUL 1号車の松田次生選手の後方にぴたりとつき、2番手をうかがう。そして18周目、ストレートエンドでその1号車をも制し、遂にトップを独走していた4号車(KONDO RACING、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手)にターゲットを定めた。その時点で2台のギャップは3秒強、残り周回数は11ラップ。ロイックは1’29秒前半のタイムの猛チャージし、そのギャップをラップ毎にじりじりと縮めて行く。そして迎えたファイナルラップ。1コーナーに連なるように進入する2台。トップの背後まで迫ったロイックだったが、惜しくも0.455秒の僅差でコントロールラインを通過。最後の最後までトップを追い詰めたが、ロイック・デュバルは2位フィニッシュに終わった。

ロイック・デュバル 「あー、ホントに(この僅差の2位は)悔しい!!でも負けは負け。数字的にはあと1周でトップに踊り出られたかもしれませんが、実際は4~5ラップかかったかも・・・。予選がうまくいかなかったことからすれば、ここで8ポイントをゲット出来たのは良かったです。競争力のあるクルマを用意してくれたチームに感謝しています。これから、もう1回レースがあります。ライバル達も強いので気を引き締めて、次も全開でチャレンジしますよ!」

しかし、Race1の興奮も覚めやらない15:00頃、富士スピードウェイに大粒の雨が降り始め、コースは瞬く間にヘビーウェット状態になってしまった。そのためRace 2(25周)に向けて、15:50から10分間の路面確認のためのセッションが実施された。加えて雨脚が弱まるのを待った為、スタート時刻も16:35まで延期された。また、安全性を考慮して、レースのスタートはセーフティーカー・スタートとされることが決定した。
Race 2はRace1の結果上位8台がリバースグリッドとなることから、PIAA NAKAJIMA のロイック・デュバルのグリッド位置は7番手。セーフティーカー(SC)先導のもと、20台のマシンが慎重に走行を続けるが、雨はやや小降りになったものの、コース上はところどころで深い水たまりができ、また川のように雨水が横切るという状況で、SCはコースを離れることができない。その後雨は再び強まり、6周で赤旗が提示され走行中断。結局、そのままレースは終了となり、レース結果順位はグリッド順が採用された。

尚、Race1を4位でフィニッシュした松田次生選手(LAWSON TEAM IMPUL)が、2年連続の全日本選手権フォーミュラ・ニッポンのチャンピオンに決定し、ロイック・デュバルはランキング単独2位(52Pt.)で今季最後のレースに挑むことになった。

そのフォーミュラ・ニッポン第8戦(最終戦)は、9月20~21日スポーツランドSUGO(宮城県)にて開催される。

Photos by T.Moriyama