A. カルダレッリ、13番手から2位表彰台、2014年シリーズランキング2位。O.ジャービスは9位フィニッシュでシーズンを締めくくる。
今年4月に開幕した2014年AUTOBACS SUPER GTもいよいよ第8戦の最終戦「MOTEGI GT 250KM RACE」を迎えた。
GT500の全マシンが一新された記念すべき第1戦で見事優勝を果たしたLEXUS TEAM KeePer TOM’Sのアンドレア・カルダレッリは、シーズン中盤からは成績に基づいて科されたウエイトハンディー(WH)に苦しめられたが、この最終戦ではWHが解かれ、5台に絞られたタイトル争いへ挑んだ。
また、LEXUS TEAM SARDのオリバー・ジャービスもこの1戦では是が非でも有終の美を飾りたいところ。まさにシーズンを締めくくる大一番として、GRMドライバーにとっても大事な一戦となった。
ツインリンクもてぎを舞台としたその11月15-16日のビッグイベントデーは、両日とも秋晴れに恵まれ、今季チャンピオンが決定する瞬間を見届けようと多くのGTファンが白熱したレースを見守った。(観客動員数: 15日(土)15,500人、16日(日)32,000人)
11月15日(土) 公式予選日
前日の公式テストを経て、快晴のツインリンクもてぎにて公式練習(9時00分~11時00分、気温10℃/路面温度15℃)が行われ、37号車LEXUS TEAM KeePer TOM’Sは11番手(1分40秒034)、39号車DENSO KOBELCO SARD RC Fは13番手(1分40秒339)でセッションを終えた。
そして、13時45分よりGT500クラス15台による予選1回目(Q1)がスタート。しかし、開始後10分ほどでトラブルによりストップしたマシンの回収のため、赤旗が提示されてセッションは中断。
仕切り直しされたセッションで、39号車のQ1アタッカー、石浦宏明が渾身のドラビングをするもタイムは伸び悩み、ベストタイム1分40秒533で、11番手に留まり、Q2への進出は叶わなかった。
「昨日からあらゆることを試していますが、コーナー中ほどでのアンダーステアを解消することが出来ず苦戦しています。でもレースでは違った展開になることを期待して、明日の決勝ではベストをつくします!」
一方、37号車のアタッカー、伊藤大輔は11番手でプッシュをしていたところ、3コーナーで痛恨のスピンオフを喫し、そこまでのベストタイム1分47秒512(13番手)が予選結果となった。
アンドレア・カルダレッリ
「GT-R勢が速いですが、LEXUS勢も決勝では負けていないでしょう。レースは後方から追い上げることになりましたが、最初から猛プッシュしていきますよ!」
11月16日(日)決勝日
決勝日もレースの舞台となるツインリンクもてぎは、朝から素晴らしい秋晴れに恵まれた。朝のフリー走行(9時15分~9時45分)ではレースを見据えた最終セッティングを行い、37号車は13番手(1分42秒275)、39号車は15番手(1分42秒827)のタイムを記録してセッションを終えた。
そして時刻は午後1時を迎え、53周(250km)に及ぶ決勝レースの火蓋が切られた。
GT500クラス13番手からローリングスタートをきったLEXUS TEAM KeePer TOM’Sのアンドレア・カルダレッリはオープニングラップから猛ダッシュで9番手へ浮上!4周目には8番手で4位争いの集団に食い込む。そして10周目には5番手に駆け上がったカルダレッリは、4番手の36号車PETRONAS TOM’S RC Fを捕らえテール・トゥー・ノーズのバトルを展開。そしてついに14周目、カルダレッリは鮮やかなオーバーテイクを見せて36号車をかわして4位に浮上!その後もトップを快走する23号車(MOTUL AUTECH GT-R)とのギャップを少しでも削るべく、猛プッシュを続けるアンドレア。そして37号車は19ラップを終えると早めのピットイン、タイヤ4輪の交換と給油を済ませ、マシンは伊藤大輔に委ねられた。
やがて全車がピットストップを終了した34周時点の37号車の順位は3番手。そこからトップを目指す伊藤は、タイヤ無交換作戦に出た19号車(WedSport ADVAN RC F)を38周目にかわして2位へ踊り出た。この時点でシリーズチャンピオンを争う23号車との差は約40秒。しかし23号車の速さは最後まで緩むことはなく、37号車は2位でフィニッシュした。
この結果、2014年のシリーズチャンピオンは23号車の松田次生/ロニー・クインタレッリ組が獲得、37号車のアンドレア・カルダレッリ/伊藤大輔組は2ポイント差でシリーズ2位となった。
「P13からP2へポジションアップし、レースを楽しむことができました。2点差でタイトルを取れなかったのは残念でしたが、今日の23号車は異次元の速さで太刀打ちできなかったですね。でも、私達は出来る限りの戦いをしたので悔いは残っていません。
今年1年を振り返ってみても、総合的にチーム一丸となってチャンピオンを目指してまい進した良いシーズンだったと思います。LEXUSとブリヂストンのトップでシーズンを締めくくることができ、ハッピーです。ファンの皆さん、一年間、応援をどうも有難うございました!」
一方、LEXUS TEAM SARDのスターティングドライバー、オリバー・ジャービスは11番手でレース序盤を進めるも、セッティングが決まっていないマシンに手こずり、なかなかポジションアップが叶わず、12番手のポジションで22周を走り終えたところで石浦宏明へとバトンタッチした。石浦もDENSO KOBELCO SARD RC Fを操り、渾身のドライビングを続け、40周目には10番手へとポジションアップ。更にフィニッシュまで残り2周となったところでもう1台をかわし、9位でチェッカーフラッグを受けた。
「本当に厳しい週末でした。マシンのバランスが決まらず、予選から思うようなペースを得られなくてフラストレーションがたまる状況でした。その結果、今日のレースでも苦戦を強いられ、私達らしい攻めの展開ができませんでしたが、それでもヒロ(石浦宏明)が良い仕事をしてくれ、ポイント圏内で終えることが出来ました。
今季、大好きな日本に戻りSUPER GTに初参加しましたが、このシリーズは本当にレベルが高く、ファンの応援に勇気付けられ、楽しいレースであることを実感しています。このチャンスを下さったLEXUS、TEAM SARD、そしてチームメイトのヒロに感謝しています。」
同じ週末、マカオではアンドレ・クートがマカオGP における“Macau GT Cup(GT ASIA最終戦)”にDIRECTION RACINGのFerrari 458 Italia GT3にて参戦。メルセデスやアウディのワークス勢も参戦するタフなレースだったが、Ferrariでの初参戦となるクートは予選17番手から12周で行われた決勝を13位でフィニッシュした。
Photos by TOSHIKAZU MORIYAMA & Direction Racing
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TOYOTA Motorsports
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