2008/07/27
SUPER GT Rd. 5 Sugo

Andre Couto 6位入賞!、Loic Duvalは無念のリタイア

シーズン折り返しとなるAUTOBACS SUPER GT 第5戦が深い緑の森に囲まれたスポーツランドSUGOにて7月26~27日に開催された。 高低差が大きく、中高速コーナーが多いハイスピードコースとして知られるこのサーキットでは、毎年壮絶なバトルが展開され、また予想外のハプニングもしばしば起こっている。
GRMからは昨年の同大会にて3位表彰台をゲットしたTEAM NAKAJIMAのロイック・デュバル、6位入賞を果たしたTOYOTA TEAM SARDのアンドレ・クートが出場した。

7月26日(土)、前日の公式練習に続きSUGO上空には厚い雨雲が広がり、気温は24℃(路面温度25℃)と低く、暑さとも戦うドライバーにとっては有難い天候となった。コースには朝まで残った雨によりところどころ濡れている箇所があったため、競技長からウェット宣言が出されていたが、11:37から行われたGT500クラス1回目の公式予選では走行ライン上が乾いていたため、16台の全マシンがスリックタイヤを装着した。
約半数のマシンはセッション開始から周回を重ね、果敢なアタックを披露。しかし、タイミングモニターの順位が目まぐるしく入れ替わっていったのは16台すべてが出走した後だった。

No.39 デンソーDUNLOPサードSC430を操るアンドレ・クートは、ウェットコンディションだった公式練習からマシンバランスが良く、2セット目のタイヤで10番手(1’17.445)をマークして午後のスーパーラップへ進出した。トップから10位までのタイム差はわずか0.5秒と熾烈な予選となった。

一方、32号車EPSON NSXのロイック・デュバルは、前日の難しい路面状況の中でもトップタイム(1’24.719)で公式練習を終えており、この1回目の予選でも好タイムを記録するものと思われた。ところが、結果は13位(1’17941)に留まり、SLへ進むことは叶わなかった。

ロイック・デュバル 「昨日のレインタイヤでの感触はとても良かったし、この予選ではプッシュしたけど・・・今日の路面にはマシンを合わせきれなかったね。明日はタフなレースになると思うけど、全力でガンバリマス!」

午後4時過ぎ、上空には徐々に青空がのぞくようになった。路面はすっかり乾き、ドライコンディションで1回目予選上位10位の1台ずつGT500マシンによるアタックがスタートした。予選1回目に5番手だったマシンが車両規定違反により予選タイム削除となったため、39号車の順位が9位に繰り上がり、SLを2番手で出走することになった。アンドレは冷静にタイヤを暖め、アタックをスタート。ノーミスで1周3.7kmのサーキットを果敢に攻め、9番手(1’19.238)でセッションを終了した。

アンドレ・クート「マシンのセッティングは良い方向に進んで、でSLへ残れたので良かったです。でもSLはユーズドタイヤでのアタックとなったため、ライバル勢の速さには追いつけませんでした。明日は雨の可能性もあるので、レース展開は面白くなるかもしれません。」

7月27日(日)、あいにく梅雨前線の停滞する東北地方は天候が回復することはなく、9:00から30分間にわたり行われたフリー走行は霧雨の中、水しぶきがあがるウェットコンディションでGT500 16台, GT300 23台のマシンが最終調整を行った。

そしていよいよスタート時刻14:10を迎え、霧がうっすらかかるもコースはほぼ乾ききっている状態で81周に及ぶ決勝の火蓋がきられた。

9番手から順当なスタートを切ったデンソーDUNLOPサードSC430のアンドレ・クートは、持ち前のシャープな走りでオープニングラップにて1ポジション、3周目で更に1ポジションあげ、序盤を7番手でトップ6を追う展開となった。18周目には前を行くマシンがぺナルティを課されて後退したため、39号車は6位へポジションアップ。アンドレは1分20秒台をコンスタントに刻む堅実なドライビングを続け、30周目の1コーナーでは前の36号車(PETRONAS TOM’S SC430)を見事パスして5番手に浮上!しかし、その3周後には後方からの38号車(ZENT CERUMO SC430)にパスされ、再び6番手での走行となる。やがて43周を終えたところでルーティンのピットインを行い、高木虎之介選手へマシンが託された。39号車はそのままの6番手をキープして周回を重ねていて行く。64周目に後方のマシンに交わされ7位へのポジションダウンとなったものの、終盤にぺナルティを受けて後退したマシンがあったため、6位でチェッカーフラッグを受け、ドライバーポイント5ポイントを獲得した。

アンドレ・クート 「僕たちにとってはグッドレースでした。僕のスティントではスタートから猛プッシュしてポジションをアップして行きました。7~8ラップでタイヤがグリップダウンし始め、もっと悪くなるか?とちょっと心配しましたが、そこからのタイヤのパフォーマンスは良く、マシンは走りやすいおかげで、コンスタントなペースで攻めることができました。シーズン折り返しで良い流れになってきました。これからも応援をどうぞ宜しくお願いします!」

スタートドライバーを務めるロイック・デュバルはEPSON NSX 32号車を操り、12番手からローリングスタートをきり、オープニングラップで2ポジションアップの10番手に浮上。18周目からは9番手をキープし粘りの走行を続ける。しかし、なんと38周目に後方の12号車(カルソニック IMPUL GT-R)にプッシュされコースアウト!マシンは馬の背コーナーにスタックし、ここで32号車はリタイアとなってしまった。

ロイック・デュバル「後方のマシンにリアをヒットされて、コントロールを失いました・・・。今回、クルマのパフォーマンスは完璧ではなかったものの、レースでは9番手をキープし、そのポジションでヒラナカ(平中克幸選手)へマシンを渡したかったのですが、残念な結果となってしまいました。がっかりです。」

次戦のSUPER GT第6戦“Pokka 1000km”は8月23-24日鈴鹿サーキット(三重県)にて開催される。

Photos by T.Moriyama