2008/06/22
SUPER GT Rd.4 Sepang

灼熱の決戦、A.クートは粘りの12位、L.デュバルはアンラッキーなリタイア

AUTOBACS SUPER GT第4戦は、6月21-22日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットにて行われた。全9戦で争われるシリーズ中、唯一の海外戦であり、また赤道間近の灼熱の地での戦いとして、毎年波乱の展開となることが多いレースである。
このマシン、タイヤ、そしてドライバーにも過酷なレースに、GRMからアンドレ・クート、ロイック・デュバルが参加。マレーシアのモータースポーツファンを魅了する迫力満点の戦いを披露した。

6月21日(土)、11:20から20分間にわたり行われたGT500クラスの公式予選1回目。薄曇りが幸いし、気温は31℃(路面温度42℃)と、セパンとしては比較的過ごしやすい気候の中で行われた。

まず、セッション開始早々にピットを離れた39号車DENSO DUNLOP SARD SC430のアンドレ・クートは2セットのニュータイヤでのアタックをおこない、最終ラップでマークした1’58.570で15番手となった。

アンドレ・クート 「マシンはハイスピードコーナーではアンダーステア、スローコーナーではオーバーステアで、思い通りのプッシュができなかった。もっとセッティングを煮詰めてタイムアップしたかったけど・・・。それにしても今日の結果を見ると、このサーキットはTOYOTA勢にはちょっと厳しそうだね。でも明日はベストを尽くすのみ!頑張ります。」
(尚、チームは予選後に不具合があったエンジンを交換。レース期間中のエンジン交換は10グリッド降格となるレギュレーションにより、39号車はGT500の最後尾からの決勝スタートとなった。)

一方、ロイック・デュバルはHONDA NSXの32号車EPSON NAKAJIMAを操り、4周目に7番手タイム(1’56.380)をマーク、TOP10によるスーパーラップへ進出した。
午後4時からスタートしたスーパーラップは、少々心配されたスコールが来ることもなく各クラス10台ずつがドライコンディションのもとタイムアタックを行った。
GT500クラスの4番目に出走したロイックは、ミスなく許された1周のアタックを終え、1’56.338をマーク。このタイムにより1回目予選より1ポジションアップの6番手をゲットした。

ロイック・デュバル 「マシンはオーバーステアで、他のNSXに及びませんでした。チームとして目標にしていた6番手には入れたので、結果ヨシとしなくては・・・なのですが、僕自身はもっと上に行きたかったですね。ま、明日は、僕たちのタイヤはロングでも安定しているので、レースは上位で終えられる可能性は十分にあります。期待していてください!」

翌22日(日)、朝からセパンサーキット上空は薄曇り、決勝スタート時刻の16:00の気温は前日の予選とほぼ同じ気温31℃(路面温度38℃)の中で「SUPER GT INTERNATIONAL SERIES IN MALAYSIA」の火蓋が切られた。

GTマシン総勢38台による54周にわたるレースは、ローリングスタートによって開始され、6番手の32号車EPSONカラーのロイック・デュバルは加速をしながら1コーナーへ。しかし、その瞬間、後方のマシンに追突され、たまらずスピン!なんとGT500クラス最後尾の16位まで順位を落とす波乱の幕開けとなってしまった。

しかし、そのアンラッキーなスタートからロイックはアグレッシブな走りで前方のマシンをかわし、怒涛の追い上げを見せる。30周を終えて予定のピットインを行った時点では8番手まで順位を挽回していた。ここでロイックはマシンをチームメイトの平中克幸選手へ委ねた。そこから32号車は順調に周回を重ねていったが、42周目の最終コーナーで、タイヤかすに足元をすくわれた平中選手はパスしかけた他マシンと接触し、痛恨のコースアウトを喫してしまった。この時のダメージが大きく、マシンはそのままピットガレージに消える結果となってしまった。

ロイック・デュバル 「アンラッキーなレースでした。スタートはうまくいって、1コーナーに18号車とサイド・バイ・サイドで進入したところで、12号車に追突されてしまいました。そこから、何とかポジションを挽回すべく猛チャージをかけましたが・・・。まあこれもレースですから仕方ありません。次戦でこの雪辱ははらしますよ。」

一方、DENSOカラーの39号車はアンドレが乗り込み、最後尾からスタート。1周目に予選15位のマシンとバトルを展開してこれを抜き去ると、以後コンスタントで着実なドライビングを続けて行く。そしてレースの折り返し点となる27周を終えたところでルーティンストップ。高木虎之介選手へとバトンタッチした。チームクルーの素早いピットワークでコースへと送り出された高木選手は、レース後半を安定した走りでまとめ、追いすがる後続車を寄せ付けず、12位フィニッシュした。

アンドレ・クート 「僕たちのマシンは競争力が足りず、厳しいレースとなりました。何とか後方からもっと追い上げたかったのですが、グリップが得られず、マシンをコントロールすることが難しかったんです・・・。でもきっちり完走し、多くのデータを集められたので、それは次に生かされると思います。」

次戦のSUPER GT第5戦は7月26-27日スポーツランドSUGO(宮城県)にて開催される。

Photos by T.Moriyama