2008/06/15
The 76th Le Mans 24 Hours

初出場のロイック・デュバル、名門フレンチチームと共に8位フィニッシュ!

チーム・オレカ・マトゥミュトの一員としてル・マン24時間に初参加したロイック・デュバルは、ソエイユ・アヤリ、ローラン・グロッピの両選手とともにNo.5クラージュ・オレカLC70をドライブ。途中雨が落ちるという難しいコンディションの中でも初出場とは思えない落ち着いたドライビングで常に好位置をキープし、総合8位でチェッカーを受けた。

ル・マン24時間の公式予選は、19時00分から21時00分、22時00分から0時00分までの各2セッションを水曜日と木曜日の2日間に渡って行われる。
しかし、ロイックのチームは6月12日(木)予選2日目開始早々に、不運に見舞われた。
No.5クラージュ・オレカLC70Eジャッドに乗るローラン・グロッピが、ミシュラン・シケインでコントロールを失い、ガードレールにクラッシュ。マシンは大きくダメージを受けてコース上でストップしてしまったのだ。幸い、グロッピ選手に怪我はなかったが、このアクシデントにより赤旗が提示された。

こうしたハプニングはあったものの、No.5クラージュ・オレカのベストタイムはル・マン参戦7回目のベテラン、アヤリ選手が記録した3分30秒490で、No.5の順位は10位となった。チームのもう1台のマシン、No.6クラージュ・オレカLC70E(オリビエ・パニス/マルセル・ファスラー/シモン・パグノウ組)はパニス選手がマークした3分31秒243がベストとなり13番手のグリッドからスタートすることになった。

今年もル・マン24時間はディーゼルエンジンを搭載したアウディR10 TDIとプジョー908 TDi FAPとの対決が話題の中心となったが、“ガソリン車”の争いももうひとつの話題となっていた。ペスカロロ・スポール、チーム・オレカ、それに日本の童夢レーシングチームなどがその有力候補となっていた。

そしていよいよ6月14日(土)、15時00分に伝統の24時間レースがスタート!
予想通りプジョーが逃げ、アウディが追うという展開となった。6台のディーゼル勢の速さは別格で、約6kmのストレートに2箇所のシケインが設けられる前、1970年に記録されたレース中の走行距離を破るペースで走り続けた。
アヤリ選手がスタートドライバーを務めたNo.5クラージュ・オレカは1時間経過時点で10位を走行。その後もペスカロロ、童夢と“ガソリン車”トップを巡って争いながら順調に走行し、4時間経過時点では6位まで順位を上げていた。

しかし、日付がかわるころにチーム・オレカに不運が襲いかかる。No.6クラージュ・オレカがクラッシュ、リタイアとなった。さらにNo.5クラージュ・オレカもギアボックストラブルに見舞われる。その修復作業によりやや遅れるが、常にトップ10以内に就けていた。そして夜のル・マンに雨が落ち始め、断続的に降り続く難しいコンディションとなっていった。夜明けを迎えた時点で、アヤリ/グロッピ/ロイック組のNo.5クラージュ・オレカはスターターの交換作業を強いられているが、それでも9位を走行。コース上では滑りやすい路面に、コースアウトやスピンが頻発。その中をロイックは担当したナイトセッションを安定したドライビングを続ける。やがてゴールまで残り1時間半となった時点でクラッチのマイナートラブルが出たため、ロイックが緊急ピットイン。しかし、メカニック達によるスピーディーな修復のおかげで大きく順位を落とすことなく、5号車はコースへ。その後は順調に走行を続け、6月15日(日)午後3時、No.5クラージュ・オレカLC70は見事8位でゴールした。

ロイック・デュバル「総合8位でガソリン車の中では2番手という結果は悪くないと思うし、何より完走というも目標をクリアできたので良かったです!ル・マンは初めてでしたが、夜もドライなら怖いということはありませんでした。自分のベストタイムが夜に出たくらいですからね。ギアボックス、スターター、クラッチと、トラブルが多少出ましたが、ともかく最後まで皆で力を合わせて走りきれたことは本当に嬉しいです。オレカという大きなチームの一員としてこのル・マン24時間というレースにチャレンジできたことはハッピーで、チームとスポンサーの皆に心から感謝しています。是非また1年後、この素晴らしいレースにチャレンジしたいですね。」