2008/06/08
Formula NIPPON Rd.4 Okayama

波乱のレースを制し、ロイック・デュバル今季初勝利を飾る!

全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第4戦の舞台は岡山国際サーキット。昨年から同シリーズを開催しており、今年は6月7、8日に開催された。2週間前のもてぎ大会では3位入賞を果たし、ランキング5位に浮上したGRMドライバー、ロイック・デュバルは、シーズン半ばのこの1戦でも更にポイントをゲットしたいところ。また、今大会より、ホンダエンジン・ユーザーには新スペックエンジンが投入されるため、トヨタエンジン勢に対する巻き返しも期待されることとなった。

6月7日(土)、10:05から30分間に渡って行われたフリー走行で、マシンの最終セッティングを行ったロイックは「5番手(1’16.722)? トラフィックに引っかかっていなかったら2番手あたりにいた。マシンは問題ナシ!」と好感触を得て午後の予選へ挑んだ。

そして14:35、気温26℃(路面温度34℃)。梅雨の合間の穏やかな日差しのもと、ノックアウト方式の公式予選が始まった。まず、トップ15台が決定されるQ1(20分間)では、PIAA NAKAJIMA 31号車のロイックは1’16.971のタイムで9番手を確保、Q2へとスムーズに進出。そして、10分間のインターバルを経て挑んだQ2のセッション(10分間)では1’16.860をマークしたもののQ1への選抜台数ギリギリの8番手タイム、周囲を一瞬ヒヤリとさせた。しかし、最後のQ3(10分間)ではトップとの差を縮め、5番手(1’16.396)でセッションを終え、スターティンググリッド3列目を確保した。

ロイック・デュバル 「マシンのバランスは100%ではありませんでしたが、ともかく全力でプッシュしました。ポールの松田選手のタイム(LAWSON TEAM IMPUL 1号車、1’15.831)との差は悔しいですし、ココはオーバーテイクが難しいサーキットなので頑張らないとね。ともかく、明日のレースではスタートを決め、トップ集団で戦いたいですね!」

尚、予選後、ロイックの26歳の誕生日(6月12日)を中嶋監督はじめチームクルー全員が祝福。レースウィーク中の緊張が和やむひとときを過ごした。

翌8日(日)、決勝日は薄日ながらも汗ばむ陽気となり、気温は26℃(路面温度37℃)まで上昇、心地よいレース日和となった。
レースは、テクニカルなレイアウトで知られる1周63.703kmの岡山国際サーキットを68周(250km)して争われる。ピットストップ(給油、タイヤ4本交換)が義務付けられているため、タイヤの磨耗も考慮したチーム戦略、ドライバーの技量を含めた総合力が結果を左右する注目の1戦となった。

そのタフなレースの火蓋は14:30 に切られ、PIAAカラー31号車のロイック・デュバルは3列目からスタートをきった。2番手の32号車がドライブスルー・ぺナルティを課されてトップ争いから脱落し、また首位の1号車が早いタイミングでピットインしたため、ロイックは7周目から3番手に就ける。

やがて26ラップでピットインをしたロイックは、チームクルーのスピーディなピット作業(14.2秒)により素早くコースへ戻る。そして全マシンが1回目のピット作業を終えた(39周)時点で2番手に浮上。そして、前を行くマシンが2回目のピットインをした43周目、ロイックはついにトップに立ち、レースをリードする展開となった!

レースは中盤からトラブルにより戦列を離れるマシンが出る中、ロイックは2番手(PETRONAS TOM’S 36号車)をジワジワ引き離しながら、1分20秒のペースでコンスタントなドライビングを重ねる。そのまま68周を走りきったロイックは、今季初勝利(通算3勝目)のチェッカーを受けた。

ロイック・デュバル 「タフなレースでした。実はスタートではちょっとミスをして完璧ではなく、序盤は前を走っていた8号車(Team LeMans)のペースが良かったのでパスできませんでした。更に、34周目のバックストレートでは、突然マシンがストップしそうになり、マシントラブルか!?もうダメか!? と思ったのですが、ピットからの無線で僕がリミッターのボタンを間違えて押したことがわかり、慌ててそれを解除する、と言うミスがあったんです。幸い、いずれも大きなポジションダウンにはならずに済みましたけどね・・・。あとは何のトラブルもなく、順調に周回を重ねることができ、ゴールまでの15周ほどはマージンをもってドライビングすることができました。今日の素晴らしいマシン、戦略、ピットワークはチームの皆のお陰で、とても感謝しています。
この優勝は2006年のSUGO以来なので本当に嬉しいです!応援してくれたファンの皆さん、有り難うございました!」

そして、ロイック・デュバルはル・マン24時間への参戦のため、翌日のフライトで再びフランスへ経つ。

Photos by T.Moriyama