2008/05/11
Formula NIPPON Rd.2 Suzuka

L.デュバル、まさかの最後尾スタートから追い上げ10位でチェッカー

1ヶ月のインターバルを経て、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第2戦が鈴鹿サーキットにて開催された。同選手権は、今シーズンから予選方式が変更され、またシリーズ中盤には1大会2レース制+リバースグリッド方式の採用が決定している等、より緊張感のあるレースイベントへと発展を続けている。

シリーズ参戦3年目のフランス人ドライバー、ロイック・デュバル(PIAA NAKAJIMA 31号車)は金曜日の公式合同テストで20台中5番手となるタイム(1’42.611)をマーク。週末の決勝に向けて好調ぶりをアピールした。

5月10日(土)、晴天に恵まれた前日のテストとは打って変わり、鈴鹿サーキットは朝から雨模様となり、気温も14℃(路面温度15℃)と肌寒い中での公式予選日となった。

今季よりノックアウト方式の予選が採用されているため、午前中は30分のフリー走行のみが行われた。10:10、レインタイヤを装着した各マシンは最終調整へとコースイン。ロイック・デュバルも前日とは全く違った路面コンディションでのセッションで徐々にペースを上げていった。しかし、5周目のバックストレッチで、何とドライブしている31号車のリアカウルが突然外れるというハプニングが! 急遽ピットインをして修復を行ったが、そのタイムロスによりロイックはマシンのセッティングを煮詰められないまま予選へ向う結果となった。「昨日はややオーバー、今日は少しアンダーステアだったけど、今のセッションでその対策をしきれていないのが残念。ちょっとライバル達に遅れをとったね・・・」とコメント。

そして14:30からいよいよ3回に渡っておこなわれる公式予選セッションが始まった。まず16位~20位が決定される20分間のQ1セッション。その時点で雨は強さを増し、コース上はウォータースクリーンで前方が見えない。そんな中、各ドライバーは果敢にアタックを開始。ロイックもタイヤを温めながらペースをあげていった。しかし、計測ラップに入って2周目、何とロイックはスプーンカーブへ入るところで痛恨のスピンオフ!マシンはグラベルにスタックしてしまった。自力でピットへ戻れない31号車はここで予選を終え、その時点でのタイム(2’04.000)から翌日の決勝を最後尾からスタートすることとなった。

ロイック・デュバル 「僕のミスで・・・チームに申し訳ない気持ち、それに自分に対して腹が立っています。特に無理なプッシュをしたわけではないのですが、ハイドロプレーニングでスピン、マシンのコントロールが全く出来ませんでした。明日は厳しいレースになりますが、ともかくひとつでも上(のポジション)を目指して頑張りマス・・・。」

 

5月11日(日)決勝日、朝のフリー走行は、雨は止んだものの路面はまだウェット状態。特に西コースではまだ高い水しぶきが上がる中、20台のマシンが30分間の最後走行を行った。
それでも決勝スタート時刻(14:30)には日差しが戻り、北西の風がやや強いものの気温は20℃(路面温度31℃)まで上昇。コースは完全に乾き、レッドシグナルがブラックアウトした瞬間、43周(250km)先のゴールに向って全車がスタートした。

昨日までの悪い流れを断ち切るように、20番手から好スタートをきったロイックはオープニングラップで17番手にジャンプアップ。更に4周目には16位、6周目には14位、8周目に13位へと順位を着実に上げていった。やがて中盤へ差しかかった20周目、1台のマシンが他車との接触により逆バンクコーナーでストップ!これによってセーフティーカー(SC)が入り、1ストップ作戦を予定していた各マシンは続々とピットイン~タイヤ交換・給油を済ませコースへ復帰。しかし、ノーピット作戦を選択したPIAAカラーの31号車はコースに残り、10番手で走行を続けた。
レースは25周目にSCが解除され、再び白熱した展開へ。31号車のロイック・デュバルも燃費・タイヤの磨耗を考えながらの我慢の走りを継続。
しかし、ゴールまで残り3周というところで、再び1台のマシンが逆バンクでストップ。ここで何と2回目のSCが導入されることに!そのSCは1周で解除されたため、レースは残り2周の超スプリントとなり、そのエキサイティングなレースの展開に多くのファンが釘付けになった。しかし、そこでのハプニングは無く、ロイック・デュバルもポジションキープのまま10位でチェッカーフラッグを受けた。

ロイック・デュバル
「出来る限りのことはしたので、この結果に不満はありません。スタートは上手くいきましたが、その後はノーピットストップ作戦であった上、トラクションがちょっと足りず、前のマシンを攻略できないもどかしい展開でしたね。SCが無ければ結果は違ったかもしれません・・・でも、レースに「たら・れば」はありませんからね。今回は予選の失敗がすべてでした。」

次戦フォーミュラ・ニッポン第3戦は、2週間後の5月24-25日、ツインリンクもてぎにて開催される。

Photos by T.Moriyama