完走わずか12台の荒れた開幕戦、
L.デュバルは10位に終わる
ル・マン24時間への初参加を母国、フランスで発表して間もないロイック・デュバルは、舞台を日本の富士スピードウェイへ移し、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第1戦に出場した。
4月5日(土)、まだ雪景色の富士に臨むサーキットだが、気温は17℃(路面温度27℃)と心地よい好天に恵まれ、全20台による公式予選が行われた。今年の予選は、朝のフリー走行(30分)の後、午後に3回のセッションが行われ、最終セッションで最も速かった選手がポールポジションに就くノックアウト方式。
まず、最初の20分間はTOP15が決定される第1セッション。ここでロイック・デュバルは4番手(1’25.308)を確保し、第2セッションへ進出。10分のインターバルを経て行われた10分間の第2セッションでも自己タイムを更新し4番手(1’25.073)。再び10分間のインターバルのあと行われたTOP8による最終の第3セッション(10分間)では、他マシンのタイム更新が勝り、ロイックは7番手(1’24.820)にとどまり、日曜日の決勝はスターティンググリッド4列目からスタートすることとなった。
ロイック・デュバル「昨日の公式練習では順調にマシンのセッティングを進めましたが、今日はコースの路面状況が変化したためか、特に高速コーナーで少しオーバー・アンダー気味。それに若干ブレーキにもトラブルがあり、3~4番手以内を目標としていた予選結果には及びませんでした。でも、ユーズドタイヤでのマシンはバランスが良いし、長丁場のレースでの勝因は色々あるので、このポジションから優勝を狙うよ!」
翌4月6日(日)、朝から快晴に恵まれた富士スピードウェイには、フォーミュラ・ニッポンの開幕を待ち望んでいた多くのファンが集まった。ルーキー5人を含む20人のドライバー達は、それぞれオープニングラウンドにふさわしく記念撮影やファンサービスなどを行い、65周に及ぶ決勝レースのスタートを待った。
そして、午後2時30分。グリッド4列目からのスタートとなったPIAA NAKAJIMA 31号車のロイックは、フォーメーションラップを経てシグナルがブラックアウトした瞬間、ストールした前方のマシンを上手くかわし6番手で1コーナーへと飛び込んだ。ところが3周目のダンロップコーナーでタイヤをロックさせ、タイヤにスポットを作ってしまう。そのダメージによりロイックはルーティンストップを早めることになり、8周目にピットイン。タイヤ交換と給油を行い、戦列に戻った。そこから我慢のドライビングでラップを続けるロイック。そしてレース中盤に他のマシンがルーティンのピットインを行う頃になると、順位は9~10番手まで挽回する。しかし、何と41周目のダンロップコーナーで、アウトラップ(ピットアウトしたばかりでタイヤの暖まりきっていない)のチームメイト32号車をパスしようと試みたロイックが再びタイヤをロック。大きな白煙と共にマシンの姿勢を崩してしまった。ここでタイヤに再びフラットスポットを作ってしまったロイックは2度目のピットインを余儀なくされ、その後追い上げたものの10位でレースを終えるにとどまった。
ロイック・デュバル
「スタートもまずまずでしたが、初めからブレーキにトラブルがあって、思うような攻めができない決勝レースとなってしまいました。特にダンロップとヘアピンの2箇所ではそれが顕著で、ちょっと強めにブレーキングしただけでタイヤがロックしてしまうという症状でした。 今回の問題点をチェックして、次戦の鈴鹿では必ず良い結果を出せるよう全力で頑張ります。」