2014/08/31
SUPER GT Rd.6 Suzuka

過酷なサバイバルレース、A.カルダレッリは100kgのWHに苦しみながらも7位健闘、GT300のA.クートも7位でポイントゲット!一方、O.ジャービスは残念な11位に終わる。

 

14gt5-212014年AUTOBACS SUPER GT第6戦「第43回インターナショナル鈴鹿1000km」が8月30~31日、鈴鹿サーキットを舞台に開催された。

 

毎年、長丁場のサバイバルレースとしてチェッカーまで目の離せない見ごたえのあるビックレース。夏休み最後の週末を楽しむ多くのGTファンが白熱したレースを楽しんだ。(入場者数:8/30 25,000人、8/31 36,000人)

  

 

 

 

 

8月30日(土) 公式予選

 

14gt5-18鈴鹿サーキットは朝から晴天に恵まれ、ドライコンディションのもと9時40分から2時間にわたる公式練習が行われた。開始後15分ほどで1台のマシンのトラブルにより約20分間の赤旗中断があったが、LEXUS TEAM SARDのオリバー・ジャービス/石浦宏明ペアはGT500クラス6番手(1分50秒329)、前戦時点でシリーズランキングトップのLEXUS TEAM KeePer TOM’Sのアンドレア・カルダレッリ/伊藤大輔組は14番手(1分51秒975)で、セッションを終了した。

GT300クラスの国立音ノ木坂学院NACポルシェwith DR、アンドレ・クート/白坂卓也/飯田太陽のトリオは11番手(2分02秒068)で午後の公式予選へと駒を進めた。

 

14gt5-8そして午後2時をまわり、まずGT300クラス24台のマシンによる予選1回目(Q1)がスタート。アンドレ・クートは9号車、PORSCHE 911 GT3 Rを操り15分のアタック。途中赤旗中断はあったが、集中力をきらさず、コースレコードをも上回る11位のタイム(2分01秒279)でQ2進出を決めた。そのQ2(14時47分~15時07分, 赤旗中断14時57分~15時03分)のアタッカーを務めたチームメイト、白坂卓也も渾身のドライビングを行い、10番手(2分02秒364)で予選を終えた。

 

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アンドレ・クート

「僕達の予選結果としては、悪くないですね。明日は長いレースで、3人目のドライバーも加わっての展開となるので楽しみです。ともかくチーム一丸となって頑張りますよ!」 

 

 

 

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またGT500のQ1(14時22分~14時37分)には14台のマシンが出走。39号車DENSO KOBELCO SARD RC Fはオリバー・ジャービスがアタッカーとしてプッシュしてタイムを更新するものの、ライバル勢のタイムアップにより11番手(1分49秒888)にとどまった。

 

 オリバー・ジャービス

「マシンは悪くないのですが、ライバル達に負けました。ギャップが大きく驚いているくらいです。GT-R、ミシュランの速さが際立っていますね。でも、ロングランでのペースも良いので、明日はこの位置から優勝を目指して長いレースを戦っていきます」

 

 

14gt5-2一方、KeePer TOM’S RC FのQ1は伊藤大輔が担当。過去のレース結果から累積ウェイトハンディーが最大の100kg(内50kg分は燃料流量リストリクターが絞られる)になっている37号車は、タイムを伸ばすことに苦しみ1分50秒961の13番手で予選を終えた。

 

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アンドレア・カルダレッリ

「今回の予選が厳しいことは覚悟していましたが、こんなに大きな、トップと2秒以上のギャップがあるとは思っていなかったですね。マシンのバランスは悪くないので、これからエンジニアとどこまでそのタイム差が縮められるかミーティングをします。でも、レースはまた別の展開があるでしょう。気持ちを切り替えて明日の決勝に臨みます」

 

 

8月31日(日) 決勝日

 

14gt5-10朝のフリー走行はドライコンディションのもと8時30より30分間行われ、GT500クラス15台、GT300クラス24台のマシンが長丁場の決勝を見据えた最終マシンチェックを行った。

ここでのタイムは、39号車DENSO KOBELCO SARD RC Fが1分53秒241(11番手)、37号車KeePer TOM’S RC Fが1分54秒100(14番手)。GT300クラスでは9号車PORSCHE 911 GT3 Rが2分02秒712(4番手)となった。

 

そして通常より早い12時15分、パレードラップ、フォーメーションラップが終わった瞬間、世界に誇る鈴鹿サーキット(国際レーシングコース全長5,807m)173周で戦われる決勝の火蓋がきられた。

 

L14gt5-3EXUS TEAM KeePer TOM’S 37号車は伊藤大輔が1回目のスティントを担当。13番手を堅持しながらじわじわとレースを進める展開。そして20周目までには他マシンの緊急ピットインにより10番へ浮上。そして20周目にして9番手。ピットストップをするマシンを尻目に、ペースがリストリクターで抑えられている分、燃費が良い37号車は遅めのピットイン作戦だ。やがて伊藤は32ラップを終えたところでピットイン!KeePer TOM’S RC Fを受け継いだアンドレア・カルダレッリが、第2スティントに入った。10番手で粘りのドライビングを続けるKeePerカラーのマシン。54周目から1号車と9番手争いを演じるものの、速さが足りないアンドレアは抜きあぐねるが、ミスすることなくそのチャンスをうかがう。レースが58周目にはいると2回目のピットインが始まったが、37号車は67周を終えたところで2回目のピットストップを行った。

14gt5-4再び伊藤により37号車は戦列に戻ったが、ポジションは11番手に後退。しかし、レースはまだ半分。そこからの追い上げに期待がかかる。やがてトラブルによって後退したマシンのため、89周目には9位までポジションアップする。そして102周目を終えたKeePer TOM’S RC Fは3回目のピットインを行い、アンドレアは2回目のスティントへ。上位にトラブルで後退するマシンを交わし、7番手まで浮上した37号車は我慢強く周回を重ねて行く。そして、129周目にはピットインした1台のマシンを交わして6位にポジションアップ。そして136周まで走りきり、アンカーの伊藤大輔へ37号車を託した。14gt5-1伊藤大輔は最後のスティントを6番手でプッシュするも、ダンロップコーナーでGT300と接触する不運に・・・。これがドライブスルー・ペナリルティの対象と判断され、7位でフィニッシュすることとなったが、ポイントを取りこぼすことなく、シリーズ2位のポジションをキープした。

 

アンドレア・カルダレッリ

「今日はP7で終わりました。本当にタフで長いレースでしたね。私たちはペースが遅い分燃費をセーブして4ピットストップ作戦を立て、私もダイスケもベストを尽くしましたが、これ以上の結果を得られませんでした。ここでポイントリーダーの座を23号車(MOTUL AUTECH GT-R、60pt)に譲ってしまいましたが、その差は4ポイント。残る2戦をしっかり戦って行きたいと思います。」

 

  

14gt5-15一方、LEXUS TEAM SARD 39号車の11番手からのスタートドライバーを担ったオリバー・ジャービスは、オープニングラップで前のマシン2台の接触があったため、9番手へ。そこから20周目までに7番手までポジションアップをして行く。やがてGT500のトップが25ラップを終えることから、ルーティーンのピットストップを行うマシンが現れてきた。39号車はLEXUS勢の先頭をきって27周を終えたところでピットイン。給油、タイヤ交換を済ませ、僚友、石浦宏明が乗り込み、再びコースへと飛び出していった。

 

GT500全マシンの1回目ピットストプが完了した時点での39号車のポジションは6番手。 50周目のデグナーカーブでGT300のマシンに接触され、ひやりとする場面もあったが、大きなトラブルにはならず走行を続ける。そして58周を終え、ステアリングは再びジャービスへ託された。66周目には見事な2台抜きも披露しながらアグレッシブな走りでLEXUS TEAM SARDのマシンを操る。

 

14gt5-18全車が2回目のピットストップを終えた72ラップ時点での39号車順位は6位。石浦はやがて戦列を離れるマシンを交わして95周目に遂に表彰台圏内の3番手へ浮上!自己ベストタイムを更新しながらプッシュを続ける。そして116周目を終えたところで4回目のピットインを行い、マシンはオリバー・ジャービスへ託された。オリバーも危なげない安定した走りで3番手のポジションを守り145周目までのスティントを完了した。そして、ラストスティントを任された石浦宏明だったが、アウトラップのデグナーカーブで左リアホイールが脱落するトラブルが発生!ここで万事休す・・・表彰台フィニッシュ目前の146ラップでLEXUS TEAM SARDはレースを終えることとなった。(規定周回数完走11位)

 

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オリバー・ジャービス

「マシンをストップするまでは、本当にファンタスティックなレース展開でした。チームも最高のマシンを用意してくれ、ヒロと私もミス無くドライビングし11番手から3番手までポジションアップし、レースを楽しみました。残念なことにピットストップでミスがあり、今回はレースを落としてしまいましたが、来年も是非この1戦に挑戦したいと思います」

 

 

  

14gt5-9GT300クラスの国立音ノ木坂学院NACポルシェwith DR (9号車)のアンドレ・クートは、10番手スタートから堅実な走りで序盤をドライビング。トラブルフリーで19周目には6番手に浮上。そして29ラップを終えたクートはピットン。白坂卓也へPORSCHE 911 GT3 Rを委ねた。白坂もコンスタントな走りで7番手キープ。42周目には8番手となるが、そのポジションで今大会の3人目ドライバーとして参加した飯田太陽、白坂卓也へとマシンはリレーされていった。やがて110ラップでクートが7番手で戻ってきた

 

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PORSCHE 911 GT3 Rを引き継ぎ、ラストスパートをかける大役を担ってコースへと戻った。アンドレはそこから158ラップまでのロングランを見事に走りきりクラス7位でフィニッシュ。PACIFIC DIRECTION RACINGの初ポイント獲得(5pt.)へ大きく貢献した。

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 アンドレ・クート

「僕達にとっては良いレースでした。タフなレースでしたが、チーム全員の力でポイントをゲットできました。私は始めと終わりの長いスティントを担当しましたが、世界屈指のサーキットで、良いマシンに恵まれ、存分にレースを楽しむことができました。チーム代表のMr.水谷はじめ、エンジニア、メカニックの皆に感謝しています。有難うございました!」

 

 

SUPER GT 第7戦は10月4~5日、今季唯一の海外戦としてタイのブリーラム ユナイテッド インターナショナルサーキットにて開催される。

 

Photos by TOSHIKAZU MORIYAMA