2014/08/10
SUPER GT Rd.5 Fuji

荒天に悩まされたレース、A.カルダレッリはランキングトップを死守、O.ジャービス 12位、A.クートは15位でフィニッシュ

 

14sgt5_188月9~10日にわたり、2014 AUTOBACS SUPER GT第5戦「FUJI GT 300KM RACE」が富士スピードウェイを舞台に開催された。

今季2回目となる富士山麓でのビックイベントには、GT500クラス15台、GT300クラス24台がエントリー。大型台風11号の影響で不安定な天候だったにもかかわらず、夏休み期間中ということもあり、多くのGTファンが詰めかけ、目まぐるしく展開されるレースを堪能した。(入場者数:8/9 18,500人 8/10 26,500人)

 

 

 

 

 

8月9日(土) 公式予選

 

14sgt5_11どんよりとした曇り空ながら雨にたたられることなく、朝の公式練習はドライコンディションのもとでおこなわれ、LEXUS TEAM SARDのオリバー・ジャービスがGT500クラス2番手(1分30秒471)の好タイムを記録してセッションを終えた。 

 

 

14sgt5_3一方、前戦の好成績もありシリーズのポイントリーダーとなったLEXUS TEAM KeePer TOM’Sのアンドレア・カルダレッリは、今大会までに科せられた累積ウェイトハンディ(98kg)に苦しみ、15番手(1分31秒659)に沈んだ。

 

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また、GT300クラスでは、PACIFIC DIRECTION RACINGのアンドレ・クートが持ち前の速さを見せて2番手(1分39秒203)の好タイムでマシンを仕上げ午後の予選へと進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

14sgt5_15やがて時刻は午後2時を迎え、まずGT300クラスの予選1回目(Q1)がスタートした。ウェット宣言が出されたものの、路面が濡れることはなく15分間のセッションが始まり、9号車 国立音ノ木坂学院NACポルシェwith DRはアンドレのチームメイト、白坂卓也がドライビングし、20番手(1分40秒210)で予選を終了した。

 

 

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続いてGT500のQ1(14時15分~14時39分)、ドライコンディションのまま、KeePer TOM’S RC F (37号車)は伊藤大輔がアタックを行ったが、タイムは14番手(1分31秒171)に甘んじ、アンドレア・カルダレッリがQ2をドライビングすることは叶わなかった。

 

 

 

14sgt5_7一方、オリバー・ジャービスは、39号車DENSO KOBELCO SARD RC Fを操り果敢なアタックを行い、見事トップタイム(1分29秒986)でQ2への駒を進めた。

 

しかしQ2(15時09分~15時21分)では、開始直後に雨粒が落ち始め、路面がドライからウェットコンディションに変わって行く難しいセッションとなり、石浦宏明はピットインしてレインタイヤへ交換したものの、5番手(1分38秒151)で予選を終了した。

 

 

 

 

 

8月10日(日) 決勝日

 

1411-00台風は四国から中国地方を縦断、その影響で東海地方も大雨に見舞われ、富士山麓は時折、雨が強くなったり止んだりと厳しい気象条件の一日となった。

 

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そんな中、朝のフリー走行(9時00分~9時30分)は開始直後の大雨で一旦赤旗中断となったものの、その後再開された。決勝レースを見据えて最後のマシン調整となるセッションはヘビーウェット。ここでは、37号車は6番手(1分43秒974)、39号車は10番手(1分44秒399)、9号車はGT300クラス4番手(1分50秒674)となった。

 

 

 

14sgt5_25その後も雨が完全に上がることのないまま、決勝スタート時刻の午後3時を迎えた。細かい雨が落ちるウェットコンディションの中、GRMドライバーの3人は、66周の300kmレースの前半の勝負を任され、セーフティーカー(SC)先導によるスタートをきった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

14sgt5_20ポイントリーダーの座を守るために1点でも多くのポイントを取る目標をかかげ、7列目からのスタートをきったLEXUS TEAM KeePer TOM’Sのアンドレア・カルダレッリ。オープニングラップではリスクを避けて15位へと後退したものの、8周目には12番手までポジションアップを図る!しかしそのポジションで走行しているところで赤旗が提示され、レース中断となった。リスタート後、アンドレアは巧みにKeePer TOM’S RC Fを操り、26周目までに9番手、35周目には5位まで浮上!やがて、40周を見事に走りきったカルダレッリはピットイン。14sgt5_23ベテラン伊藤大輔とドライバー交代した。ここでチームは何と37号車のタイヤ交換を行わない戦略に出る。37号車は98kgのウエイトハンディに苦戦しながらも10番手から1ポジション上げ、9番手で走行。しかし風雨が強くなり残り8ラップというところで2回目のSCが導入されることに・・・!そして、天候は回復せずそのSC先導のままレースは終了となった。しかし、ここでも2ポイントを獲得し、ポイントランキングのトップを死守した。

 

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アンドレア・カルダレッリ

「ベストを尽くし、自分のスティントは全力で戦いました。ミディアムコンパウンドを選んでいたので、タイヤを暖めてからはとても良いペースが得られ、ミスも無く思いっきり攻めて行きました。唯一残念なのはピットストップで20秒ほどロスしたようで、9位に終わったこと・・・。でも、ポイントを取りこぼさず、シリーズランキングトップで次戦に向かえるのはハッピーです」

 

 

 

 

 

 

14sgt5_22一方、5番手からスタートしたLEXUS TEAM SARDオリバー・ジャービスは、オープニングラップで6番手へ。そしてタイヤが温まった9周目から猛追をみせて5番手へと順位を上げる。しかし翌周に雨が強まり、SCが導入される展開となった。しかし雨脚は更に強まり18周目(15時48分)にはついに赤旗が提示されてレース中断となった。

 

14sgt5_19そして、16時15分、レースはSCランから再開され、19周目からの仕切り直しとなった。

再スタート後、オリバーは21周目までに一時7位へと後退するも、25周目には5位へと順位を戻し、4番手争いの激しいバトルを展開する。そして39周を終えて、オリバー・ジャービスは4位のポジションでピットイン。DENSO KOBELCO SARD RC Fのステアリングを石浦宏明へ託した。

後半のスティントを果敢に攻める39号車だったが、50周を越えるころからタイヤの磨耗からペースが上がらず徐々にポジションダウンし、9位までポジションを落としてしまう。そこで、54周を終えたところでタイヤをスリックへと交換し、残り10周での追い上げに賭ける。しかし、その作戦は裏目に・・・何とその直後から雨が降り出して2回目のSC導入となり、39号車は12位でフィニッシュすることとなった。

 

14sgt5_16オリバー・ジャービス

「今回もとてもがっかりな結果となってしまいました。前半の僕のスティントは赤旗中断にもなる難しいコンディションでしたが、バトルも楽しみながら4位までポジションアップを果たせました。でもピットストップ後、タイヤ交換をしない数チームがあったことからか、ヒロ(石浦宏明)の順位が下がってしまい、またリヤタイヤの磨耗が大きくなっていったのは残念でした。マシンが良くなっているだけに結果が出せそうで出せないことが本当に悔しいです」

 

 

 

 

 

14sgt5_21GT300クラス20番手からのスタートとなったPACIFIC DIRECTION RACINGのアンドレ・クートは、オープニングラップからポジションをアップしながら序盤を快走。赤旗中断なった時点では14番手へまで浮上していた。レース再開後もじわじわとライバルをオーバーテイクし、順位を上げて行く。24周目には10位、そして29周目には9位へ。そして37ラップを終えてチームメイトに国立音ノ木坂学院NACポルシェwith DRを委ねた。白坂はタイムを更新しながら粘りのドライビングを続けたものの、15位でレースを終えた。

 

 

 

 

14sgt5_8アンドレ・クート

「今日のレースは、雨が土砂降りになったり止んだりで、ドライバーにとってはタフなレースでした。僕のスティントは、スタートからペースが良く、オーバーテイクするのを楽しみましたよ。マシンは雨量が多い方がドライビングしやすく、少なくなるとタイヤがヒートアップして難しくなりました。次戦はチームと力を合わせて上位フィニッシュ目指して頑張りますので、引き続き応援をよろしくお願いします!」

 

 

 

 

  

14sgt5_24SC導入時刻

①15:00’00(スタート)~15:06’08(2Laps)

②15:19’03(9Laps)~16:21’13(19Laps)

③17:29’54(58Laps)~17:56’39(66Laps)

赤旗提示時刻

15:44’21(9Laps)~16;15’00(16Laps)

 

 

 

 

 

 

次戦 SUPER GT 第6戦は8月30-31日、鈴鹿サーキットにて開催される。

 

Photos by TOSHIKAZU MORIYAMA