雨に翻弄された週末、A.カルダレッリが2位表彰台!O.ジャービスも6位入賞!A.クート17位はフィニッシュ
2014年SUPER GT(全8戦)の折り返しとなるAUTOBACS SUPER GT 4戦「SUGO GT 300KM RACE」が7月19~20日、スポーツランド菅生(宮城県)にて開催された。
東北地方での暑い一戦となるはずが、生憎の悪天候に悩まされる週末へ一転。しかし多くのGTファンが訪れ、SUPER GTの熱いバトルを堪能した。(入場者数:7/19 9,000人、7/20 28,000人)
7月19日(土) 公式予選
朝の公式練習(9時00分~10時56分)はセッション開始時からウェットコンディション。中盤以降は雨量も増えて行くという難しい状況となった。そんな中、GT500クラスではLEXUS TEAM SARDのオリバー・ジャービスがDENSO KOBELCO SARD RC F を駆って2番手(1分20秒552)のタイムをマーク。
LEXUS TEAM KeePer TOM’Sのアンドレア・カルダレッリもKeePer TOM’S RC Fで1分24秒611を記録(ペアを組む伊藤大輔のベストタイム1分20秒932で5番手)。またPACIFIC DIRECTION RACINGのアンドレ・クートは国立音ノ木坂学院NACポルシェwith DRに乗り、GT300クラス12番手(1分29秒841)でセッションを終えた。
やがて公式予選開始時刻の午後2時を迎えたが、濃霧による視界不良のためスタートは遅れ、最終的に天候の回復が見込めないことから翌朝へと延期されることとなった。(GT300: 9時05分~9時30分、GT500: 9時30分~9時55分)
この決定を受け、チームとドライバーは、急遽実施されたピットウォークに参加し、来場したファンとの交流やサイン会を楽しんだ。
7月20日(日) 公式予選&決勝
通常行われる朝のフリー走行は、前日から持ち越された公式予選(各クラス25分間)に振り替えられ、変則的に1名のドライバーのみのアタックが認められた。(通常はQ1、Q2で各ドライバーが予選を走行することが義務付けられている)。
小雨が降り続くウェットコンディションのもと、まず9時00分から行われたGT300クラスの予選では、アンドレ・クートが国立音ノ木坂学院NACポルシェwith DRをドライブ。しかし、タイヤのチョイスの問題からタイムが伸び悩み、ベストタイムは1分29秒970。23位で予選を終えた。
続くGT500クラスの予選(9時40分~10時05分)では、LEXUS TEAM KeePer TOM’Sは伊藤大輔がアタックして5位(1分19秒767)と健闘。
一方、LEXUS TEAM SARDは石浦宏明が1分19秒917のタイムで8位となった。
その後も、小雨が降ったり止んだりと不安定な天候だったが、決勝スタート時刻になると雨は止み、路面は徐々に乾き始めた。
それでも完全にドライコンディションとなったわけではなく、また雨雲も残る中、約2時間、300kmで争われる決勝のスタートを迎えた。
GT500(15台)、 GT300(23台)の全38台の参加車両は14時00分にフォーメーションラップをスリックタイヤでスタートした。ところがそのローリングラップが2周を終えるころからなんと小雨が降り出した。
KeePer TOM’S RC Fに乗るアンドレア・カルダレッリは5番手から好スタートを決める。降り出した雨に対応すべく、レインタイヤへと交換するために緊急ピットインを行うマシンを尻目に、1周目からトップに立つと、濡れ始めた路面にスリックタイヤで我慢の走りをみせる。しかし雨は長くは降り続かず、レインタイヤに交換したチームは再びドライコンディション用のタイヤへの交換を強いられ、大きく遅れることになった。その間、カルダレッリは12周目に1号車(ZENT CERUMO RC F)の先行を許したものの、落ち着いたドライビングで2番手を死守。37周を終えたところでピットイン。伊藤大輔へとマシンを委ねた。ベテランの伊藤はプッシュを緩めず2位を堅持する。やがてレースが60周目にかかるころから再び雨が降り出し、雨脚は徐々に強くなって行った。しかし、伊藤は滑りやすい路面にスリックタイヤで巧みにマシンをコントロールしてラップを重ね、そのまま2位でチェッカーフラッグを受けた。この結果、KeePer TOM’S RC Fのアンドレア・カルダレッリと伊藤大輔のペアはシリーズポイント・ランキングで首位(49ポイント)に浮上した。
「目標だったポイントリーダーの座に就くことができました。本当に今日はトリッキーなサバイバルレースでしたね。自分のスティントは、序盤トップに就けていましたが、無線でチームから雨の予想を聞きながらドライビングするという展開でした。路面が乾き始めてからは1号車が本当に速く、交わされてしまいました。でも、私も速いペースで最後まで頑張りました。ダイスケのスティントも安心して見ていられました。私たちのウェイトハンディ、絞られたリストリクターからすると、今日の2位という結果は上出来だったと思います。シリーズ後半もチームと一丸となって頑張って行きますよ!」
グリッド4列目からスタートしたDENSO KOBELCO SARD RC Fのオリバー・ジャービスは雨の降り出しを見てレインタイヤへと交換。レース序盤は9番手に位置するが、天候が回復したため再びスリックタイヤへの履き替えを強いられて順位は12位へと後退してしまう。しかしジャービスはそこから驚異の追い上げを見せて9番手まで挽回。更に前を行く17号車とのバトルを制して8番手へと順位を上げる。その後もオリバーは追い上げの手を緩めることなく快走を続け、38周目には7番手まで浮上。53周を走り終えたところでピットインし、マシンを石浦宏明へと委ねた。スリックタイヤを装着してコースへ飛び出した石浦もプッシュするが、なんと終盤になって再び雨が降り出し、レインタイヤへの交換のため、4回目のピットインを余儀なくされる。それでも石浦は6位(でフィニッシュラインを通過した。
「今日はマシンの状態がとても良かったのに、6位に甘んじなければならなかったのにはガッカリです。スタート直後の路面の状況から、レインタイヤへの交換を決めた私のミスでした。ペースもとても良く、あの最初のピットインが無ければ展開は違ったかもしれません。しかし、結果とは別に、今日の自分のスティントは楽しめました。次戦に向けたモチベーションは高まるばかりで、富士でのレースが待ち遠しいです」
GT300クラス23番手からスタートした国立音ノ木坂学院NACポルシェwith DRのアンドレ・クートは、スタート直後のタイヤ交換を行わず、巧みなドライビングで怒涛の追い上げで、29周目にはなんと2番手へ!実に21ポジションアップを果たした。しかし、前のマシンから噴出したオイルがフロントガラスを覆い、視界を失うアクシデントに見舞われる。それでも36周を走り終えてピットストップ。チームメイトの白坂卓也にステアリングを託した。しかし14番手を走行中の9号車にはドライブスルーペナルティ(ピット作業違反)が科せられ、さらに白坂は取りきれないフロントガラスのオイルと濡れてきた路面にたまらずスピンを喫して19位へと後退。その順位でレースを終えた。
「私のスティントはマシンの感触がとても良く、自信をもって満足できる追い上げができました。素晴らしいマシンを用意してくれたチームに感謝しています。後半はペナルティや雨のため、残念ながら展開は変わってしまいましたが、次戦へのチャレンジが楽しみになってきました。これからも応援をどうぞ宜しくお願いします!」
次戦 SUPER GT 第5戦(富士)は来る8/9-10日に開催される。
Photos by TOSHIKAZU MORIYAMA, GRM
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