アンドレア・カルダレッリ、最終戦Race1は不運なリタイヤ、Race 2は大健闘の5位フィニッシュ!
2013 全日本選手権SUPER FORMULAのシリーズ最終戦となる第7戦が11月9~10日、鈴鹿サーキットにて開催された。2レース制で行われたこの大会に、GRMドライバーのアンドレア・カルダレッリがKYGNUS SUNOCO Team LeMansから開幕戦以来となるスポット参戦を果たした。
11月9日(土) 公式予選
この大会の予選は従来同様のノックアウ ト方式で行われるが、Race 1のグリッドがQ1の結果で決定され、Race 2のグリッドはQ3までの結果で決定される変則的なフォーマットが採用されている。
うす曇りの中、朝のフリー走行(9時25分~10時25分)が行われ、19台のマシンが予選に向けたマシンの調整を進めた。SUPER FORMULAを7ヵ月ぶりにドライブするアンドレア・カルダレッリは、その感触を確かめながらセッションを進めるが、ブランクをまったく感じさせない走りで5番手のタイム(1’38.856)をマークした。
そして、14時00分より公式予選が開始された。KYGNUS SUNOCO Team LeMansの8号車(TOYOTA RV8K)に乗るアンドレアは、まず20分にわたる公式予選Q1ではベストタイム1’38.969で14番手となり、これがRace1のスターティンググリットのポジションとなった。
続いて、14時30分から7分間で行われたQ2では1’38.566のタイムで12番手にとどまり、Q3へのチャレンジは叶わず、Race2を6列目からスタートすることとなった。
「朝のフリー走行に比べ、グリップが得られずタイムが思うように伸ばせなかった」とカルダレッリは口惜しい表情を隠せなかった。
11月10日(日) 決勝
9時35分。天候は雨、気温14℃、路面温度14℃というコンディションのもと、8分間のウォームアップを経て、20周(約116km)におよぶRace 1がスタートした。アンドレア・カルダレッリは7列目イン側から好スタートを決め、高いウォータースクリーンの中、1コーナーへと突入した。しかし、何とそこで多重クラッシュが発生。これに巻き込まれてしまい、アンドレアは不運なリタイヤとなってしまった。
アンドレア・カルダレッリ
「1コーナーでレースが終わってしまい、アンラッキーでした。とても良いスタートダッシュで2~3台は交わしましたが、全く前が見えない中、突然前のマシンがハードブレーキングして・・・とっさにステアリングをきりましたが、接触は避けられず、左フロントがヒットしてしまいました。ウェットレースには自信があり、ウォームアップでもマシンの調子が良かっただけに残念な結果です」
Race 1でダメージを受けたKYGNUS SUNOCO Team LeMans8号車だったが、短いインターバルにもかかわらず、メカニックの迅速な修理作業により、アンドレア・カルダレッリはRace2のスターティンググリッドにつくことができた。
そして、14時30分, コースはやや乾き始めているものの、ポツポツ雨が落ちてくる微妙な天候のもと(気温14℃/路面温度16℃)、28周(約163km)のRace 2がスタートした。
8号車にはレインタイヤを選択したKYGNUS SUNOCO Team LeMansだったが、スタート直後に雨は再び止んだため、ドライタイヤで行けると判断。アンドレアに次の周のピットインを指示した。チームのメカニックは素早い作業でピットインした8号車のタイヤをレインからスリックに交換し、再びコースへと送り出す。このピットインにより一旦18番手まで後退したアンドレア。だが同様の戦略でピットインしたマシンや、スタートからスリックタイヤを選択し、今回のルールによりレース中に義務付けられているタイヤ交換を行ったチームなどもあったため、レースはその後、順位が目まぐるしく変わる展開となった。
その中で、アンドレア・カルダレッリはトップランナーにも遜色ない、素晴らしいペースで周回を重ね、レース中盤の12周目には7位まで順位を上げる。そしてレースが19周目にさしかかるころには再び雨が降り始め、コースオフするマシンがあったため、これを交わしたアンドレアは6番手(タイヤ交換を最終ラップまで行わなかった1台があったため実質5番手)に浮上。しかし、残り2周のところで、グリップを失っていたアンドレアはデグナーカーブで1台に交わされる。それでも同じ周に2位を走行していた車両がリタイアしたため、アンドレアは結局5位でフィニッシュした。
「Race2は良いレースとなりました。タイヤを1ラップ目に交換したので、後半は本当に厳しく、また雨でとても滑りやすくなりましたが、そこまではとても速いペースでドライビングができました。マシンを全力で直してくれたメカニックに感謝しています。そして、この最終戦でKYGNUS SUNOCO Team LeMansのチームランキング2位が確定し、私も貢献できたことを嬉しく思っています。たくさんの応援に感謝します。ありがとうございました!」
尚、2013全日本選手権SUPER FORMULAのシリーズチャンピオンはTEAM無限(16号車)の山本尚貴選手となった。
Photos by TOSHIKAZU MORIYAMA
Andrea Caldarelli Official Website
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