2013年の走り納め。 アンドレ・クート6位フィニッシュ、アンドレア・カルダレッリは無念のリタイア
2013年の国内モータースポーツ各シリーズ、選手権は幕を閉じているが、最後のビックイベント「JAF Grand Prix SUPER GT & SUPER FORMULA “FUJI SPRINT CUP 2013”」が11月22~23日、富士スピードウェイを舞台に開催された。そして、このイベントはSUPER GT GT500クラスの現行マシンが走る最後のレースとなる。
快晴に恵まれた秋の富士山麓にレーシングマシンの爆音が鳴り響いた。モータースポーツの祭典を満喫しようと、金、土、日曜日の3日間で延べ70,100人の来場者が訪れた。
11月23日(土)
SUPER GTは通常、2人のドライバーがタッグを組んでレースを戦うが、この大会ではその名の示す通り、22周100kmのスプリントレースが2回行われ、2選手はそれぞれ別なレースに参加する。GMRドライバーのアンドレ・クートとアンドレア・カルダレッリは23日土曜日に予選と第1レースを戦うこととなった。
KeePer TOM’S SC430を操るアンドレア・カルダレッリは8時25分から20分間に渡って行われた第1レースの公式予選に参加。ベストタイム1’31.940で12番手となり、WedsSport ADVAN SC430に乗ってアタックしたアンドレ・クートは1’32.282のタイムがベストとなり、13番手で予選を通過。午後の決勝へと進んだ。
スプリントカップのスタート方式は、シリーズ戦のローリングスタートではなく、スタンディングスタート方式が採用される。西日が差し始めた15時35分(気温13℃/路面温度15℃)、GT500 クラス全15台のマシンがフォーメーションラップの後、スターティンググリッドに就いた。そしてレッドシグナルがブラックアウト! 全車エンジン音と共に一斉にスタートした。
アンドレ・クートは13番手から絶妙のスタートを決め、オープニングラップで9番手にジャンプアップ! そして3周目には8番手に上がると次の周にはさらに1台を交わして7番手へと浮上。安定した速いペースで中盤までプッシュを続けるアンドレ。19周目に一旦8位に順位を落とすが、残り2周となったところで前方を行くマシン2台が接触。これを冷静に交わしたアンドレは6番手に上がると、そのままポジションをキープし、チェッカーフラッグを受けた。
アンドレ・クート
「予選後、レースはハードタイヤで行くことになりました。3月のテストで好感触があったタイヤで、セッティングを考え、それが良かったので今日のレースでもプッシュすることができました。終盤リアのタイヤは少し厳しくなりましたが、トップ6でフィニッシュできたことはチームやヨコハマタイヤ、そして私達を1年間応援してくれたファンの方々にとっても良かったです。ご声援有難うございました。そして、明日のセイジのレースにも期待していてください!」
一方、グリッド12番手からスタートしたLEXUS TEAM KeePer TOM’Sのアンドレア・カルダレッリもオープニングラップで11番手、2周目にはさらにひとつ順位を上げて10番手に順位を上げる。その後もポジションをキープして周回を重ねるカルダレッリだったが、9周目にマシントラブルによりKeePer TOM’S SC430はダンロップコーナーでストップ。そこで無念のリタイヤとなった。
アンドレア・カルダレッリ
「燃料ポンプが何らかの原因で止まってしまい、たった8ラップでレースが終わってしまいました。朝の予選からセットアップを少し変えてこの最後の1戦にチャレンジしました。良いレースをお見せしたかっただけに残念です。皆さんの応援にお応えできず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも、明日のレースに参加するダイスケには幾つかアドバイスをしたので、頑張ってもらいたいですね」
11月23日(日)
前日同様、快晴の秋空に恵まれた日曜日の富士スピードウェイには朝から多くのファンが詰めかけた。場内ではチームやドライバーとファンの交流の場としてグリッドウォークやイベント広場でのトークショーなどが行われた。
そして午後にはSUPER GT GT500クラスの第2レースが行われ、前日と同じ15時35分、アンドレ・クート、アンドレア・カルダレッリそれぞれのチームメイトが参加して22周のレースがスタートした。
グリッド13番手からスタートしたWedsSport ADVAN SC430の荒聖治はスタート時にポジションダウンしたものの、快調な走りで徐々に順位を上げて9位でフィニッシュした。
一方、8番手からスタートしたKeePer TOM’S SC430の伊藤大輔は、11位でレースを終えた。
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世界規模でボランティア活動を行っている団体「スターウォーズ第501部隊」と共に、アンドレ・クートが骨髄バンクの骨髄ドナー登録キャンペーンを2日間にわたって展開した。
白血病に苦しむ人々が骨髄移植により第2の人生に恵まれることを富士スピードウェイに集まった多くのモータースポーツファンへアピールし、骨髄ドナーへの協力を熱く呼びかけた。
Photos by TOSHIKAZU MORIYAMA &GRM