A.カルダレッリ、2回目の表彰台獲得!A.クートは無念のリタイヤに終わる・・・。
今季のシリーズ戦も折り返し地点を過ぎ、2013 AUTOBACS SUPER GT 第6戦「FUJI GT300km RACE」が、9月7~8日富士スピードウェイ(静岡県)にて開催された。
秋雨前線による不安定な天候が心配されたが、荒天に見舞われることなく2日間のイベントが行われ、土・日延べ52,300人のGTファンが迫力あるレースを観戦した。
9月7日(土)公式予選
9時00分から11時00分まで行われた公式練習。富士山麓の秋を感じる曇り空のもと、GT500クラス15台、GT300クラス25台が参加して進められた。
LEXUS TEAM KeePer TOM’S(37号車)は、伊藤大輔が先ず乗り込みセッションをスタート、後半はアンドレア・カルダレッリがドライブし、3番手となる1分33秒483のタイムをマーク。
一方、LEXUS TEAM WedsSport BANDOH(19号車)は荒聖治からアンドレ・クートへとマシンが引き継がれた。ベストタイムはクートがベストタイム1分33秒900(8番手)を記録して終え、午後の公式予選へと臨んだ。
そして、14時00分、心配されていた雨は降らず、ドライコンディションのまま予選の時刻を迎えた(気温26℃、路面温度32℃)。
予選1回目(Q1)のKeePer TOM’S SC430のステアリングを任された伊藤大輔は、1分32秒909のタイムをマークして5番手に就け、上位8台がポールポジションを争うQ2への進出を決めた。
そのQ2を任されたアンドレア・カルダレッリは、区間タイムを徐々に詰める渾身のアタックをみせ、1分32秒820という素晴らしいタイムをマーク。このタイムは2番手となり、決勝レースをグリッドのフロントロウからスタートすることとなった。
アンドレア・カルダレッリ
「チームが8月のテストで洗い出した問題点をクリアして良いマシンを用意してくれました。おかげで思いっきりプッシュできました。明日はどんなお天気になるかわかりませんが、決勝が楽しみです。」
一方、WedsSport ADVAN SC430はアンドレ・クートがQ1のアタックを担当。ベストタイムは1分33秒478で13番手にとどまり、Q2 進出を逃した。
アンドレ・クート
「特にBコーナーやセクター3でのオーバーステアに苦労しました。またリアタイヤにやや支障があり、タイムを伸ばすことが出来ませんでした。でもタイム差は小さく、明日は長いレースなので勝負権は充分にあります。明日の決勝では上位を目指し、セイジと一緒にベストを尽くします!」
9月8日(日) 決勝
決勝レースに向けた最後のチェックを行う朝のフリー走行(9時00分~9時30分)は、あいにくの小雨となった。このセッションでKeePer TOM’S SC430は、カルダレッリが4ラップ、伊藤大輔が7ラップしてトップタイム(1分44秒560)をマーク。ウェットコンディションでも好調なマシンをアピールし、午後の決勝に向けてチームの期待が高まった。
また、WedsSport ADVAN SC430は、クートと荒が各5ラップを走行。ベストタイムは1分46秒307で14番手に位置した。
富士スピードウェイ上空は11時00分を過ぎる頃から青空ものぞき始め、14時00分の決勝レース開始時点(気温29℃、路面温度35℃)では、4.563kmの富士スピードウェイの路面はすっかり乾いていた。しかし、上空には黒い雲もあり、天候が予測しづらい中でのレースとなった。
そして、300km(66周)先のチェッカーフラッグを目指し、各マシンはフォーメーションラップからけたたましい爆音と共にスタートした。
フロントロウから好スタートを決めたアンドレア・カルダレッリは、トップのLEXUS 38号車(ZENT CERUMO SC430)の後方、2位に就けて序盤を周回する。
その後、19周目にストレートエンドでクラッシュしたマシンがあり、セーフティーカー(SC)が導入される。レースは中立化され、各車両は隊列走行することとなり、それまでにできていた差がここで無くなることとなった。SCが解除され、ピットロードがオープンとなった瞬間、なんとGT500クラス15台のうち14台が一斉にピットイン! ピット作業の速さでレースの順位が入れ替わることとなった。
アンドレア・カルダレッリから交代した伊藤大輔は5番手でコースに復帰。伊藤は27周目にLEXUS 38号車をストレートエンドでパスして4番手へと順位を上げる。その後、レースが31周目(15時頃)にさしかかるとついに雨が落ち始める。しかしレインタイヤに交換するチームはなく、小雨が降る中、各マシンはそのままスリックタイヤで走行を続ける。
そして、44周目には3位まで浮上したLEXUS TEAM KeePer TOM’S 37号車は、その後もポポジションをキープし、そのまま3位でチェッカーフラッグを受け、11ポイントを獲得。伊藤/カルダレッリのペアーは2戦連続表彰台に立った。
「序盤はタイヤを考える走りでポジションを守り、15周目を過ぎたあたりからチャージして行きました。ピットストップの際に順位を上げる作戦でしたが、混雑したピットレーンでタイムロスが若干あり、逆にポジションを下げる結果となってしまいました。それでも再び表彰台に上がり、ランキングも6位まで来たので、この調子で残り2戦を頑張っていきたいですね」
一方、WedsSport ADVAN SC430のステアリングを握り、13番手からスタートしたアンドレ・クートはオープニングラップに15番手まで後退。その後ペースが上がらず苦しいドライビングを強いられるクーとは14番手で走行を続ける。そしてSC導入中の23周を終えたところでピットイン。ここで一気にギャップを縮めた19号車には荒聖治が乗り込みコースに復帰。荒は果敢な走りで29周目には11番手までポジションアップすることに成功。雨粒が落ち始める中でもプッシュする荒だったが、なんと9番手まで浮上していた36周目、GT300マシンと接触しまい、ここでステアリングロッドを破損。なんとかピットまで戻った荒だったが、そのままガレージにマシンを収め、無念のリタイヤとなった。
アンドレ・クート
「今週末は昨日の練習からリヤタイヤの問題が大きく、思い通りの走りができず残念でした。今日の僕のスティントでもマシンのコントロールが難しくて苦労しましたが、セイジのタイヤは良かったのでポジションアップも叶い、不運なアクシデントさえなければポイント圏内でレースを終えられた・・・と思います。残念な結果でした」
SUPER GT 第7戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」は10月5~6日、オートポリス(熊本県)では開催される。
Photos by TOSHIKAZU MORIYAMA
Andrea Caldarelli Official Website
SUPER GT Official Website
TOYOTA Motorsports
LEXUS TEAM WedsSport BANDOH
LEXUS TEAM KeePer TOM’S