2016/11/13
SUPER GT Rd.3 & Rd.8 Motegi

アンドレア・カルダレッリ 4位&2位でフィニッシュ、シリーズランキング2位、アンドレ・クートはGT300クラス 5位&18位、シリーズ8位で2016年シーズンを締めくくる

 

16gt3-qf全8戦で戦われる2016 AUTOBACS SUPER GT シリーズの最終戦となる「MOTEGI GT GRAND FINAL」が熊本地震復興支援大会として11月12~13日、ツインリンクもてぎにて開催された。
この大会は、5月に行われる予定だった第3戦オートポリス大会が熊本地震により中止されたため、その代替大会として最終戦の行われる週末に組み込まれるというイレギュラーな大会構成となった。

16gt8-pwそのため11月11日(金)の午前と午後にそれぞれ1時間の公式練習、12日(土)に第3戦、13日(日)に第8戦が行われるという、SUPER GT史上初の1大会2戦というフォーマットとなり、2日間で大量得点が可能となるため、チャンピオンの行方がまったく予測できないシーズン最終イベントとなった。

 

まさに“SUPER GT史上最大の決戦”と称された、今シーズンを締めくくるに相応しいこの最終戦には、全国からGTファンが集結し、2日間に及ぶエキサイティングなレースの行方を見守った。

(公式入場者数:11/12(土) 23,500人、11/13(日)36,000人)

 

 

 

 

11月11日(金) 公式練習

 

16gt3-fp朝のセッション(9時00分~10時00分)が大雨に見舞われたため、午後のセッションが40分間延長され、13時00分~14時40分に行われた。セッション開始時点で既に雨は上がっていたものの、路面はウエットコンディション。それでも徐々に乾き始め、スリックタイヤで走行するマシンも見られるようになってきた。ところがセッション終了20分前から再び雨粒が落ち始める。セッティングを煮詰めるには難しいコンディションの公式練習となった。
16gt3-cou7そんな中、GT500クラスの15台、GT300クラス28台のマシンが走行し、LEXUS TEAM LEMANS WAKO‘S (ウエイトハンディ46kg)のアンドレア・カルダレッリ/大嶋和也組は、5番手となるタイム(1分45秒818)を記録し、シリーズランキング2位でチャンピオンを狙うチームにとって好発進となった。
また、ランキング7位ながら大逆転により2連覇を目指すGAINER TANAX GT-R (WH 32kg)のアンドレ・クート/富田竜一郎ペアは、GT300クラスの16番手(1分57秒138)。但し、これはレインタイヤのみのタイムで、クートはマシンの仕上がりに自信を窺わせた。

 

 

11月12日(土) 第3戦 公式予選・決勝

 

16gt3-cou5公式予選は通常の「ノックアウト」方式ではなく、15分間のセッションで1名のドライバーがドライブする方式。前夜の雨は上がり、青空も見えてきたものの、路面はウエットコンディションのまま。

GT300クラスの予選(8時35分~8時50分) では、GAINER TANAX GT-Rのステアリングを任されたアンドレ・クートがウェットタイヤ交換を2回行いながらアタックし、1分57秒059をマーク。5番手の好位置につけた。

16gt8-cal5一方、GT500クラス(9時00分~9時15分)の予選でLEXUS TEAM LEMANS WAKO‘Sのアタックドライバーを務めた大嶋和也は、10番手タイム(1分47秒064)に留まった。

 

 

そして、時刻は13時30分を迎え、53ラップによるSUPER GT 第3戦のスタートとなった。

ツインリンクもてぎの上空はすっかり晴れ渡り、気温は21℃(路面温度23℃)まで上昇していた。

 

 

 

16gt3-cal25列目からスタートしたWAKO’S 4CR RC Fの大嶋和也は、オープニングラップで8番手へ浮上。しかし、3周目にターン1、ターン11でGT300クラスの車両によるアクシデントが発生。セーフティカーが4周にわたって導入される波乱の序盤となった。
そのSCが解除され、レースが再開された8周目に6号車は前を行くマシンをオーバーテイクして7番手へ!更にその2周後には6番手へと大嶋はアグレッシブな走りを披露する。その後も数ラップにわたり5番手争いを展開していた大嶋は22周を終えたところでピットイン。スピーディーなタイヤ交換・給油を済ませたメカニックはアンドレア・カルダレッリが乗るWAKO’Sカラーのマシンをコースへと送り出した。アンドレアはチームの期待に応え、実質3番手につけてハイペースでラップを重ねるが、その後タイヤ無交換でピットの作業時間を詰めたマシンに分け入られて4番手へ。それでも残り10ラップとなる頃にはカルダレッリは前を行く3番手のマシンを猛追するがポジションを上げるには至らず、そのまま4位でフィニッシュした(8ポイント獲得)。

 

16gt3-cal1アンドレア・カルダレッリ
「10番手のポジションから4位で終わったのは良かったです。マシンは競争力があり、自分のスティントで何とか表彰台を狙ってプッシュしましたが、タイヤが磨耗していて叶いませんでした。これで、ランキングトップとの差は7ポイント。必ず明日チャンピオンの座を獲得します!」

 

 

 

 

 

 

 

16gt3-cou1また、GT300クラス5番手からスタートしたGAINER TANAX GT-Rのアンドレ・クートは、その順位でSC後も好走を続ける。そして17周目、それまで抜きあぐねていた1台のマシンを交わして4位へ。そのまま順調に走行し、20周を終えたところでピットイン。マシンをチームメイトの富田竜一郎へ託した。富田も実質4位のポジションを死守し、レース後半をプッシュするも自身のスティント中盤に1ポジション後退し、50周を終え5位でチェッカーフラッグを受けた。

 

16gt3-cou2アンドレ・クート

「残念ながら5位にとどまりました。私のスティントではマシンは好調で4位、更に3位も見えていましたが、タイヤ交換をリアのみにしたので、トミタが終盤グリップダウンに苦しむことになってしまいました。上位のチームはタイヤの特性が違ったり、無交換だったこともあり、我々はこの結果に甘んじました。明日は戦略を少し変え、気持ちを切り替えて、悔いのないレースをしたいですね!」

 

 

 

 

 

11月13(日) 第8戦 公式予選・決勝

 

16gt8-grid2016年AUTOBACS SUPER GTを締めくくる第8戦は、最終戦に相応しい、雲ひとつない秋晴れに恵まれ、前日と同じ公式予選・決勝が行われた。

 

GT300クラスの予選(8時40分~8時55分)は、GAINER TANAX GT-Rの富田竜一郎がステアリングを握り、7周にわたり果敢にアタックするが、ベストタイム1分48秒043で19番手にとどまった。

 

一方、GT500クラス(9時05分~9時20分)は、LEXUS TEAM LEMANS WAKO‘Sのアンドレア・カルダレッリが渾身のアタック。1分36秒776のタイムで3番手と、優勝を充分に狙える好位置につけた。

そして、いよいよ53ラップにわたる決戦の時刻、13時30分を迎えた。

 

16gt8-cal3GT500クラス2列目からローリングスタートをきった6号車、WAKO‘S 4CR RC Fのアンドレア・カルダレッリは、オープニングラップを終えて順位をひとつ上げて2番手で戻り、トップの39号車(DENSO KOBELCO SARD RC-F)を追う展開を見せる。その順位を死守して予定通り21周目にピットイン。マシンを受け継いだ大嶋和也も2番手をキープ。後半のスティントでトップのマシンとのギャップをじりじりと縮める大嶋は、残り10ラップでその差を1.23秒まで詰めると、39号車に襲いかかる。テールトゥーノーズの展開でオーバーテイクのチャンスをうかがう大嶋だったが、ファイナルラップまでついに追い抜くには至らず2位でフィニッシュ。シリーズランキング2位(69ポイント)で2016年シーズンの幕を閉じた。

 

16gt8-cal4アンドレア・カルダレッリ

「本当にタイトルがかかったチャレンジングなレースでした。序盤タイヤをセーブしていましたがトップとのギャップは1秒以内、終盤は前の39号車よりペースは良かったと思います。カズヤのペースもとても速く、2位でポディウムフィニッシュを飾ることができました。そして、LEXUS勢がこのレースでトップ5を独占し、さらに39号車がシリーズチャンピオンとなり、TOYOTAファミリーの一員でいることを改めて誇りに思います。

私にとっては新しいチームとの初シーズンで、色々学ぶことが多くありましたが、私達の6号車は最速マシンの一角にいて、シリーズランキング2位で終われたのは嬉しいですね。そして、多くのファンの応援に勇気づけられた1年でもありました。本当に有難うございました!」

 

16gt8-cou5GT300クラス、後方からのスタートとなったGAINER TANAX GT-R 0号車アンドレ・クートは、オープニングラップで21番手へと後退したが、5周目までに19番手まで挽回。9周目には18番手となり、その順位で17周を終え、ステアリングを富田竜一郎に託した。富田もGAINER TANAX GT-Rを操り、粘りのドライビングを続け、15位までポジションを上げレースを終えた。この結果、アンドレ・クートはGT300クラスシリーズランキング8位(38ポイント)で2016年のSUPER GTシリーズ全8戦を終えることとなった。

 

16gt3-cou4アンドレ・クート

「今日は、私達のチームにとってはハッピーな日とはなりませんでした。昨日のレースを受けて、思い切って選んだタイヤが予選からまったく路面とマッチングせず、規定によりそのタイヤでスタートせざるを得なかったため、レースになりませんでした。ややギャンブルではありましたが、立てた策が裏目に出てしまい、残念ながら上位フィニッシュとはなりませんでした。最終戦がこんな結果に終わり、本当に応援をしてくれた多くのファンに申し訳ないですが、また来シーズンもエキサイティングなレースをお見せできれば嬉しいです。引き続き、応援をよろしくお願いします!」

 

 

 

 

 16gt8-finale

Photos by TOSHIKAZU MORIYAMA