2012/04/01
SUPER GT Rd.1 Okayama

2102 AUTOBACS SUPER GT開幕!
A.クートは粘って12位フィニッシュ。A.カルダレッリは無念のリタイアに終わる。

長い冬のオフシーズンを終え、ついにSUPER GTがテクニカルコースとして知られる岡山国際サーキットを舞台にシーズンインを迎えた。第1戦「OKAYAMA GT 300km Race」には全15台のGT500マシンに加え、今季から参入のFIA GT3マシンを含む25台のGT300車両が集結。GRMよりベテランのアンドレ・クートと今季GTレースへ初参戦のアンドレア・カルダレッリがそれぞれマカオとイタリアより来日し、開幕を待ち望んでいたGTファン(土日述べ24,100人)が見守る中、白熱したレースを戦った。

3月31日(土)
公式予選日の朝は生憎の冷たい雨でスタートした。9:00から2時間に渡り公式練習が行われ、難しい路面コンディションの中、各チームとドライバーはマシンのチェックを進めた。セッション後半には雨は小降りとなったものの、コースは終始フルウェットコンディションのままだった。
19号車LEXUS TEAM WedsSport BANDOHはまず荒聖治が乗り込む。続いてステアリングを握ったアンドレ・クートはGT500/GT300両クラス混走セッションの後半で、1’34.436の3番手タイムをマーク。午後の予選への期待が膨らんだ。
一方、LEXUS TEAM KeePer Kraftは雨が小降りとなってきたセッション中盤から国本雄資をコースへ送り出し、その後、アンドレア・カルダレッリがドライビングして1’36.710(14番手)のタイム。もう少しドライビング時間が欲しいところでタイムオーバーとなった。

プログラムはシーズンイン恒例のSUPER GTドライバーの写真撮影、そして人気のピットウォークを経て、いよいよ公式予選へと進んだ。今シーズンのノックアウト予選方式では2回のセッションを1名のドライバーが連続して走行できないことが規定されている。即ちQ1からQ3へ進む場合、ドライバーはA→B→A、またはB→A→Bと交互にアタックをすることになる。またQ1とQ2は同一タイヤを使用し、そのまま決勝スタートタイヤとすること、Q3へ進んだ場合はニュータイヤが許可されるが、そのタイヤが翌日の決勝スタートタイヤとなる。2名のドライバーのパフォーマンス、決勝を見据えたタイヤ選択がさらに重要な鍵となる方式となった。

しかし、その予選は猫の目のように変わる天候に悩まされた。14:45-15:00のGT500のQ1は、開始直前に振り出した雨で各チームは出走直前にスリックからレインへのタイヤ交換を強いられることとなった。アンドレ・クートがスタンバイしていた19号車もクルーによるスピーディーなタイヤ交換の後コースイン。序盤から果敢にアタックするアンドレだったか、空には青空が戻り、再びピットでスリックを装着しコースへ。そして、最後の渾身のアタックにより2番手(1’28.343)でQ1を終えた。突然の強風、さらにセッション終盤にはあられも降るという荒天のQ1だったが、荒が担当するQ2(15:30-15:40)では再び天候は回復し、ドライタイヤでのセッションとなった。しかしそのQ2ではライバル勢もタイムを更新したため、LEXUS TEAM WedsSport BANDOHは8番手(1’27.150)に甘んじ、惜しくもQ3への進出は叶わなかった。

一方、Q1にてLEXUS TEAM KeePer Kraftのステアリングを託された国本雄資だったが、マシントラブルによりマシンをコース上に止めざるを得なかった。これが赤旗原因となったことで35号車のセッションタイムは抹消され、予選不通過となってしまった。こうしてQ2に向けて待機していたアンドレアがドライビングすることはなかった。(35号車は大会審査委員会により決勝レースへの最後尾からの出走が認められた。)

4月1日(日)
決勝日のスケジュールは朝のフリー走行(8:20-9:05)で開始される。ドライコンディションのもと、19号は1’24.654(6番手)、35号車は1’25.213(11番手)で決勝レースに向けた最終チェックを終えた。

そして、時刻は14:00となり、全8戦で戦われる2012年SUPER GTの第1戦(82周)の火蓋が切られた。
4列目からスタートをきったWedsSport ADVAN SC430を操る荒聖治は、スタート直後の他車との接触により10番手でオープニングラップを終え、そのポジションで周回を重ねる。しかし、9周目に緊急ピットインしたマシンがあり、荒聖治は9位に浮上。さらに13周目には前のマシンを見事にオーバーテイクして8番手へと順位を上げる!しかし31周目、T10で6号車(ENEOS SUSTINA SC430)と接触! 痛恨のドライビングスルー・ペナルティを受けてしまう。
41周目からマシンを引き継いだアンドレ・クートは、12番手から一つでもポジションを挽回しようと速いペースで後半のスティントをプッシュし続ける。そして67周目に前のマシンを交わして11位へ。しかし、何とその直後、クートに黄旗追い越しのペナルティストップ(10秒)が課せられてしまい、順位は再び12位へ・・・。しかしそこからのポジションアップは叶わず、12位でレースを終えた。

アンドレ・クート
「さまざまな要因で結果は出せませんでしたが、マシンも良く、このレースで良い手応えが得られているので、次戦へ向けてのモチベーションは高いです。新しいチームとも全く問題はなく、セイジとのコンビにもとても満足しています。次の第2戦富士(5/3-4)では期待していてください!」

一方、LEXUS TEAM KeePer Kraftは、SUPER GTルーキーのアンドレア・カルダレッリは、初レースでスタートドライバーを任され、初めてのローリングスタートも難なくこなし、最後尾から上位を目指してじっくりとレースを進めて行く。そして9周目、ピットインしたマシンがあったため14番手に上がり、さらに10周目に32号車を、そして15周目に18号車を交わして12番手へとポジションアップ! GT300勢も巧みに交わしながらコンスタントなドライビングを続ける。そして予定通り38周でピットイン。タイヤ交換と給油を済ませ LEXUS KeePer SC430を国本雄資へ託した。しかし、冷えたタイヤでコースに戻った国本はマシンをコントロールしきれず、GT300のマシンと1コーナーで接触!マシンをピットへ戻したもののダメージがあり、そのまま35号車は無念のリタイアとなってしまった。

アンドレア・カルダレッリ
「スタートもスムーズに行き、ミスなく自分のスティントを終えることができました。特に今回の課題だったGT300車両のオーバーテイクについては、序盤かなり苦労しましたが、少しずつ慣れることが出来ました。今日のレースはフィニッシュ出来ず残念でしたが、思っていた通りSUPER GTはタフでチャレンジしがいのあるレースで、これからのシーズンが益々楽しみになっています。」


Photos by T.Moriyama, M.Hirata