2009/08/30
Formula NIPPON Rd.7 Autopolis
ロイック・デュバル3位表彰台、そして2009年チャンピオンに輝く!!
今シーズンもいよいよ残り2戦となった全日本選手権フォーミュラ・ニッポン。その第7戦が8月29~30日、オートポリス(大分県)を舞台に開催された。このサーキットでのフォーミュラ・ニッポンは3年振り、スウィフト製FN09新シャシーでは初レースとなった。
GRMのフレンチドライバー、ロイック・デュバルはシリーズ・ランキングトップでこの1戦に挑んですべての力を出し切り、見事タイトル獲得を果たした。
8月29日(土)、阿蘇の外輪山上空からは夏の日差しが降り注ぐ中、9:45~10:45のフリー走行から一日がスタートした。
Honda HR09Eエンジン搭載のNAKAJIMA RACING 31号車を操るデュバルは、好調さをアピール。コースレコードを更新しながら周回を重ね、1’32.649のベストタイムをマーク。セッション1位で午後の公式予選へと向かった。
その公式予選は、気温30℃(路面温度40℃)という厳しい残暑の中、13:45からノックアウト方式で行われた。
まず20分間にわたるQ1で、デュバルは7周目のアタックタイム(1’33.023)で3位に入り、Q2へ進出。10分間のQ2では更にタイムを詰めてチームメイトの小暮卓史(1’32.724)に続く2番手(1’32.749)となり、NAKAJIMA RACINGの1-2体制で上位8位による最終予選Q3へと進んだ。
そのQ3での3周目、アタックに入ったロイックはセクター1からセクター2にかけて自己ベストタイムを刻みながらセクター3へ。ところが30Rから一気に下る、通称“ジェットコースターストレート”先の60R右コーナーで、まさかのコースアウト! マシンはタイヤバリアに接触してフロント部分を破損! 自力でコースに戻ったものの、ロイック・デュバルは8位で予選を終える結果となってしまった。
「僕のミスでした…。60Rでプッシュしすぎてちょっとラインが膨らみ、タイヤが芝に乗ってしまいスピン…。予選を上位で終えて明日の決勝を優位に進めたかったのに、そのチャンスを自分で逃がしてしまいガッカリです。ここはパッシングが難しいコースですが、明日のレースはどんなに悪くても3~4ポイントをゲットし、必ずシリーズ2位のブノワ(トレルイエ、LAWSON TEAM IMPUL 2号車、予選10位)の前でレースを終えたいです」と語るロイックは、悔しさを滲ませながらも翌日に向けて気持ちを切り替えていた。
しかし、すべての予選セッションが終了した後、NAKAJIMA RACINGとロイック・デュバルには更に悪いニュースがもたらされた。何と「Q2セッション中(14:52’15~14:52’21)に掲示された黄旗により、該当区間を走行したロイック・デュバル31号車のタイムは採用されず、本来Q2で予選を終えていたはずだったところ、競技団の裁定ミスにより31号車がQ3を走行させてしまった。そのため、ロイックのQ3に採用されるタイムはQ2のタイム(1’48.195)とされ、予選結果は8位から10位へと訂正される」というもの。一方、ロイックはその黄旗の原因を作ったマシンの真後ろを走行していて黄旗を見ていないこと、また、走行をしたQ3の最下位は8位でしかあり得ない、との理由でチームは抗議を提出したが、競技会審査委員会には受け入れられず、ロイックは決勝を10番手からスタートすることになった。尚、誤審を行った競技役員にはペナルティとして罰金が課せられた。
一夜明けた8月30日(日)、爽やかな阿蘇の風が心地良いオートポリスでは、9:45からフリー走行が行われた。ここでロイック・デュバルは、メカニックが完璧に修復した31号車のチェックと最終セッティングを行った。「マシンはとても良い状態。クルーに感謝している。10番手のグリッドからのスタート、かつオーバーテイクポイントが少ないのでタフなレースになると思うけど、頑張るしかない!」とコメントした。
そして時刻は14:30。天候は晴れ、気温30℃、路面温度は50℃近くまで上昇する中、熱い決勝レースのスタートが切られた。1周のフォーメーションラップを終え、レッドシグナルがブラックアウトした瞬間、グリッドについた12台が54周先のゴールを目指して一斉にスタート!
10番手からスタートしたNAKAJIMA RACING 31号車のロイックはアウト側から1コーナーへ。しかしそこでコースオフを喫し、最後尾まで順位を落としてしまう。そこから我慢の走りで周回を続ける展開へ。12周目にピットインしたマシンがあったため、ロイックの順位は11番手に上がったが、前のマシンをオーバーテイクするだけのスピードには達していない。
そして17周目に早めのピットイン。クルーの迅速な給油・タイヤ交換作業(15.2秒)により素早くコースへと復帰したロイックのペースは1分37秒台に回復。さらに、ピット作業に手間取ったマシンもあり、全車が1回目のピット作業を終えた26周目時点で、ロイックの駆る31号車は5番手までポジションアップしていた。その後、2度目のピットインを行ったマシンが2台あったため、36周終了時点でロイックは3位まで浮上! そして終盤、ロイックは後続とのギャップをコントロールしながらポジションをキープ。その順位のままチェッカーフラッグを受け、3位入賞のポディウムフィニッシュを決めた。タイトルを争うブノワ・トレルイエが8位(1ポイント)でゴールし、ロイックの獲得ポイントと11ポイントの差が開いたため、ここでロイック・デュバルの2009年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン・チャンピオンが確定した。
ロイック・デュバル
「波乱の予選、タフなレースでしたが、3位でフィニッシュできて良かったです。スタートは良かったんですが、1台のマシンに寄られて接触しそうだったので、押し出されるようにしてコースを外れてしまいました。燃料も重かったので前のマシンについて行くのは大変でしたが、早めのピットストップが功を奏し、また以降のペースも良くなりました。でも、その後ステアリングの調子が悪く、マシンが右へ右へ行ってしまうトラブルや、燃料ポンプが上手く作動しないなど不安があったので、決して楽ではありませんでした。
今日は良きチームメイトであり、良きライバルのコグレが優勝、チームタイトルと僕のシリーズ・チャンピオンが決定する最良の一日となり、これ以上の幸せはありません。
昨日の予選の悪い流れ、レースも最後尾から追い上げる展開、ブノワとのポイント争い等々のストレスやプレッシャーはありましたが、チャンピオンが確定したと無線で聞いた瞬間、ここまで僕を信頼して支えてくれた家族、チーム、スポンサー、メディアやファンの皆さん…ともかくすべての人に少しでも恩返しができたことを本当に嬉しく思いました。皆さん有難うございました!!」
最終戦となるフォーミュラ・ニッポン第8戦は9月29~30日、スポーツランドSUGO(宮城県)にて開催される。
GRMのフレンチドライバー、ロイック・デュバルはシリーズ・ランキングトップでこの1戦に挑んですべての力を出し切り、見事タイトル獲得を果たした。
8月29日(土)、阿蘇の外輪山上空からは夏の日差しが降り注ぐ中、9:45~10:45のフリー走行から一日がスタートした。
Honda HR09Eエンジン搭載のNAKAJIMA RACING 31号車を操るデュバルは、好調さをアピール。コースレコードを更新しながら周回を重ね、1’32.649のベストタイムをマーク。セッション1位で午後の公式予選へと向かった。
その公式予選は、気温30℃(路面温度40℃)という厳しい残暑の中、13:45からノックアウト方式で行われた。
まず20分間にわたるQ1で、デュバルは7周目のアタックタイム(1’33.023)で3位に入り、Q2へ進出。10分間のQ2では更にタイムを詰めてチームメイトの小暮卓史(1’32.724)に続く2番手(1’32.749)となり、NAKAJIMA RACINGの1-2体制で上位8位による最終予選Q3へと進んだ。
そのQ3での3周目、アタックに入ったロイックはセクター1からセクター2にかけて自己ベストタイムを刻みながらセクター3へ。ところが30Rから一気に下る、通称“ジェットコースターストレート”先の60R右コーナーで、まさかのコースアウト! マシンはタイヤバリアに接触してフロント部分を破損! 自力でコースに戻ったものの、ロイック・デュバルは8位で予選を終える結果となってしまった。
「僕のミスでした…。60Rでプッシュしすぎてちょっとラインが膨らみ、タイヤが芝に乗ってしまいスピン…。予選を上位で終えて明日の決勝を優位に進めたかったのに、そのチャンスを自分で逃がしてしまいガッカリです。ここはパッシングが難しいコースですが、明日のレースはどんなに悪くても3~4ポイントをゲットし、必ずシリーズ2位のブノワ(トレルイエ、LAWSON TEAM IMPUL 2号車、予選10位)の前でレースを終えたいです」と語るロイックは、悔しさを滲ませながらも翌日に向けて気持ちを切り替えていた。
しかし、すべての予選セッションが終了した後、NAKAJIMA RACINGとロイック・デュバルには更に悪いニュースがもたらされた。何と「Q2セッション中(14:52’15~14:52’21)に掲示された黄旗により、該当区間を走行したロイック・デュバル31号車のタイムは採用されず、本来Q2で予選を終えていたはずだったところ、競技団の裁定ミスにより31号車がQ3を走行させてしまった。そのため、ロイックのQ3に採用されるタイムはQ2のタイム(1’48.195)とされ、予選結果は8位から10位へと訂正される」というもの。一方、ロイックはその黄旗の原因を作ったマシンの真後ろを走行していて黄旗を見ていないこと、また、走行をしたQ3の最下位は8位でしかあり得ない、との理由でチームは抗議を提出したが、競技会審査委員会には受け入れられず、ロイックは決勝を10番手からスタートすることになった。尚、誤審を行った競技役員にはペナルティとして罰金が課せられた。
一夜明けた8月30日(日)、爽やかな阿蘇の風が心地良いオートポリスでは、9:45からフリー走行が行われた。ここでロイック・デュバルは、メカニックが完璧に修復した31号車のチェックと最終セッティングを行った。「マシンはとても良い状態。クルーに感謝している。10番手のグリッドからのスタート、かつオーバーテイクポイントが少ないのでタフなレースになると思うけど、頑張るしかない!」とコメントした。
そして時刻は14:30。天候は晴れ、気温30℃、路面温度は50℃近くまで上昇する中、熱い決勝レースのスタートが切られた。1周のフォーメーションラップを終え、レッドシグナルがブラックアウトした瞬間、グリッドについた12台が54周先のゴールを目指して一斉にスタート!
10番手からスタートしたNAKAJIMA RACING 31号車のロイックはアウト側から1コーナーへ。しかしそこでコースオフを喫し、最後尾まで順位を落としてしまう。そこから我慢の走りで周回を続ける展開へ。12周目にピットインしたマシンがあったため、ロイックの順位は11番手に上がったが、前のマシンをオーバーテイクするだけのスピードには達していない。
そして17周目に早めのピットイン。クルーの迅速な給油・タイヤ交換作業(15.2秒)により素早くコースへと復帰したロイックのペースは1分37秒台に回復。さらに、ピット作業に手間取ったマシンもあり、全車が1回目のピット作業を終えた26周目時点で、ロイックの駆る31号車は5番手までポジションアップしていた。その後、2度目のピットインを行ったマシンが2台あったため、36周終了時点でロイックは3位まで浮上! そして終盤、ロイックは後続とのギャップをコントロールしながらポジションをキープ。その順位のままチェッカーフラッグを受け、3位入賞のポディウムフィニッシュを決めた。タイトルを争うブノワ・トレルイエが8位(1ポイント)でゴールし、ロイックの獲得ポイントと11ポイントの差が開いたため、ここでロイック・デュバルの2009年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン・チャンピオンが確定した。
ロイック・デュバル
「波乱の予選、タフなレースでしたが、3位でフィニッシュできて良かったです。スタートは良かったんですが、1台のマシンに寄られて接触しそうだったので、押し出されるようにしてコースを外れてしまいました。燃料も重かったので前のマシンについて行くのは大変でしたが、早めのピットストップが功を奏し、また以降のペースも良くなりました。でも、その後ステアリングの調子が悪く、マシンが右へ右へ行ってしまうトラブルや、燃料ポンプが上手く作動しないなど不安があったので、決して楽ではありませんでした。
今日は良きチームメイトであり、良きライバルのコグレが優勝、チームタイトルと僕のシリーズ・チャンピオンが決定する最良の一日となり、これ以上の幸せはありません。
昨日の予選の悪い流れ、レースも最後尾から追い上げる展開、ブノワとのポイント争い等々のストレスやプレッシャーはありましたが、チャンピオンが確定したと無線で聞いた瞬間、ここまで僕を信頼して支えてくれた家族、チーム、スポンサー、メディアやファンの皆さん…ともかくすべての人に少しでも恩返しができたことを本当に嬉しく思いました。皆さん有難うございました!!」
最終戦となるフォーミュラ・ニッポン第8戦は9月29~30日、スポーツランドSUGO(宮城県)にて開催される。
Photos by T.Moriyama
For more information:
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Race results
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Nakajima Racing Official Website
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