2009/08/23
SUPER GT Rd.6 Suzuka
荒れたロングレース、A.クートは7位でフィニッシュ、L.デュバルは不運なリタイア
8月22~23日、今季2回目の開催となる鈴鹿サーキットを舞台に、SUPER GT第6戦「第38回 インターナショナル ポッカ GT サマースペシャル」が行われた。昨年までは1000kmのレース距離で開催されていたが今回は700kmに短縮され、耐久レースにスピード性が加わるタフでチャレンジングな1戦となった。
GRMからはこの大会での優勝経験があり、前戦SUGOでも2位表彰台と好調なアンドレ・クート、そしてこのところフォーミュラ・ニッポンでも高いパフォーマンスを披露しているロイック・デュバルがこの長丁場のレースに挑んだ。
8月22日(土)、曇り空の中、プログラムは朝の公式練習に続き、ノックダウン方式による公式予選、そして決勝の夜間走行に向けたフリー走行“ミラクルナイトセッション”とチームやドライバーには忙しい1日となった。
気温32℃(路面温度38℃)という真夏の暑さの中、公式予選が開始された。GT500/GT300両クラスの混走セッションに続き、15:30からGT500クラス14台によるセッション1(10分間のセッションで上位12台を選抜)がスタート。
32号車EPSON NSXは、まずロイック・デュバルがステアリングを握り6番手タイム(1’56.792)をマーク、セッション2(上位8台選抜)への進出を果たした。
そして16:00から10分間にわたり行われたS2でもロイックが引き続きアタックを担当。1’56.508までタイムを詰めて8番手で最終セッションへと駒を進めた。そして16:30から行われたセッション3はレギュレーションによりロイックのチームメイト、中山友貴がドライブ。ベストタイム1’56.954を記録して8位でセッションを終えた。
予戦後、ロイック・デュバルは「S3まで進めたのは良かった。欲を言えば、ウエイトの少ない僕達はもう少し上のポジションへ行きたかったけどね・・・。でも明日は長いレース。マシンやタイヤのライフをみながら確実な走りをすれば結果はついてくるはず。ベストを尽くしますよ!」と語った。
一方、39号車DUNLOP SARD SC430には10:40から行われた公式練習でハプニングが起こった。セッションをスタートしたクートのチームメイト、平手晃平が14周目にデグナー先でスピンオフを喫し、マシンのフロント部分を損傷してしまう。その修復のためマシンのセッティングを煮詰めることができず、そのまま午後の予選へ挑むこととなってしまった。S1では再び平手がアタックしたが、タイムは13番手(1’57.320)に留まり、以降の予選セッションへの進出には至らなかった。こうした流れの中、アンドレ・クートは公式予選初めの混走セッションにて予選基準タイム(S1 107%)クリアのために2ラップ、18:30からのミラクルナイトセッションでは10ラップを走行した。「今日はあまり走れませんでしたが、明日のロングレースは粘り強く追い上げていきますよ」とアンドレのモチベーションは高かった。
迎えた決勝日の23日(日)、夏休み中の鈴鹿サーキットには、述べ58,000人のSUPER GTファンが集まり、真夏の祭典を楽しんだ。
10:10からのフリー走行が行われた時点では青空が見えていたサーキット上空だったが、決勝スタート予定時刻に近づくにつれて雨雲が広がり、スタート15分前にはポツポツと雨粒が落ち始めた。しかし、ウェット宣言が出されることはなく、15:00(気温30℃/路面温度38℃)、全車スリックタイヤのまま121周で争われる決勝がスタートした。
アンドレ・クートは39号車のスタートドライバーを務め、13番手に就けてレース序盤を走行。10周目には12番手に順位を上げ、タイヤを労わりながらコンスタントなペースで周回を重ねる。そして29周を終えたところで1回目のピットストップを行い、マシンは平手晃平に託された。そこから平手も丁寧なドライビングで13番手をキープし、64周目に2度目のピットイン。再びアンドレ・クートがステアリングを握り、レース後半に突入したコースへと復帰した。時刻は17:13、天候は回復し強い西日がコースに射していた。
アンドレは自己ベストタイムを更新しながら1分59秒台のハイペースで12番手を走行していたが、75周目を過ぎたころからタイムは伸び悩む。
しかし、86周目で2番手を走行していたマシン8号車(ARTA NSX)がトラブルにより130Rで炎上したことによりセーフティーカーが導入される。そしてこのSCラン中に各チームが続々ピットインを行ったことでピットは大混乱。その中で、39号車も90周目に3回目のピットストップを終え、DUNLOP SARD SC430はクートから平手へとバトンタッチされた。その翌ラップの91周目にレースは再開され、その時点で39号車は8番手まで浮上していた。
レースが残り1時間となった18:30、ライトオンの指示が出され、ナイトセッションへ。平手晃平が操る39号車は110周目にペナルティを受けたマシンがあったため、更に順位上げて7位へ。その後も平手は集中力を切らさず、最後までポジションを守ってチェッカーフラッグを受けた。
アンドレ・クート
「13番手からのスタート、タフなロングレースでしたが、7位でフィニッシュしてポイントゲットできたことは良かったです。次戦は僕達TOYOTA勢のホームコースでのレースだし、表彰台を目指して頑張ります!応援をどうぞよろしくお願いします!」
一方、ロイック・デュバルは32号車のHONDA NSXを操り8番手からスタートしたが、オープニングラップの最終コーナーで後方のマシンに交わされ9番手へポジションダウン。その位置でロイックは我慢の走りをしていたが、何と10周目にS字カーブでGT300のマシンに接触され、たまらずコースオフ! 14番手までポジションを落としながらもコースに留まっていたが、ロイックは13周目に緊急ピットイン。オーバーヒートによるエンジントラブルが原因で、不運なリタイアとなった。
ロイック・デュバル
「GT300のマシンにプッシュアウトされてしまい、どうしようもありませんでした・・・。レース序盤でリタイアを余儀なくされて”悔しい”の一言です・・・。」
次回のSUPER GT 第7戦は9月12-13日、富士スピードウェイにて開催される。
GRMからはこの大会での優勝経験があり、前戦SUGOでも2位表彰台と好調なアンドレ・クート、そしてこのところフォーミュラ・ニッポンでも高いパフォーマンスを披露しているロイック・デュバルがこの長丁場のレースに挑んだ。
8月22日(土)、曇り空の中、プログラムは朝の公式練習に続き、ノックダウン方式による公式予選、そして決勝の夜間走行に向けたフリー走行“ミラクルナイトセッション”とチームやドライバーには忙しい1日となった。
気温32℃(路面温度38℃)という真夏の暑さの中、公式予選が開始された。GT500/GT300両クラスの混走セッションに続き、15:30からGT500クラス14台によるセッション1(10分間のセッションで上位12台を選抜)がスタート。
32号車EPSON NSXは、まずロイック・デュバルがステアリングを握り6番手タイム(1’56.792)をマーク、セッション2(上位8台選抜)への進出を果たした。
そして16:00から10分間にわたり行われたS2でもロイックが引き続きアタックを担当。1’56.508までタイムを詰めて8番手で最終セッションへと駒を進めた。そして16:30から行われたセッション3はレギュレーションによりロイックのチームメイト、中山友貴がドライブ。ベストタイム1’56.954を記録して8位でセッションを終えた。
予戦後、ロイック・デュバルは「S3まで進めたのは良かった。欲を言えば、ウエイトの少ない僕達はもう少し上のポジションへ行きたかったけどね・・・。でも明日は長いレース。マシンやタイヤのライフをみながら確実な走りをすれば結果はついてくるはず。ベストを尽くしますよ!」と語った。
一方、39号車DUNLOP SARD SC430には10:40から行われた公式練習でハプニングが起こった。セッションをスタートしたクートのチームメイト、平手晃平が14周目にデグナー先でスピンオフを喫し、マシンのフロント部分を損傷してしまう。その修復のためマシンのセッティングを煮詰めることができず、そのまま午後の予選へ挑むこととなってしまった。S1では再び平手がアタックしたが、タイムは13番手(1’57.320)に留まり、以降の予選セッションへの進出には至らなかった。こうした流れの中、アンドレ・クートは公式予選初めの混走セッションにて予選基準タイム(S1 107%)クリアのために2ラップ、18:30からのミラクルナイトセッションでは10ラップを走行した。「今日はあまり走れませんでしたが、明日のロングレースは粘り強く追い上げていきますよ」とアンドレのモチベーションは高かった。
迎えた決勝日の23日(日)、夏休み中の鈴鹿サーキットには、述べ58,000人のSUPER GTファンが集まり、真夏の祭典を楽しんだ。
10:10からのフリー走行が行われた時点では青空が見えていたサーキット上空だったが、決勝スタート予定時刻に近づくにつれて雨雲が広がり、スタート15分前にはポツポツと雨粒が落ち始めた。しかし、ウェット宣言が出されることはなく、15:00(気温30℃/路面温度38℃)、全車スリックタイヤのまま121周で争われる決勝がスタートした。
アンドレ・クートは39号車のスタートドライバーを務め、13番手に就けてレース序盤を走行。10周目には12番手に順位を上げ、タイヤを労わりながらコンスタントなペースで周回を重ねる。そして29周を終えたところで1回目のピットストップを行い、マシンは平手晃平に託された。そこから平手も丁寧なドライビングで13番手をキープし、64周目に2度目のピットイン。再びアンドレ・クートがステアリングを握り、レース後半に突入したコースへと復帰した。時刻は17:13、天候は回復し強い西日がコースに射していた。
アンドレは自己ベストタイムを更新しながら1分59秒台のハイペースで12番手を走行していたが、75周目を過ぎたころからタイムは伸び悩む。
しかし、86周目で2番手を走行していたマシン8号車(ARTA NSX)がトラブルにより130Rで炎上したことによりセーフティーカーが導入される。そしてこのSCラン中に各チームが続々ピットインを行ったことでピットは大混乱。その中で、39号車も90周目に3回目のピットストップを終え、DUNLOP SARD SC430はクートから平手へとバトンタッチされた。その翌ラップの91周目にレースは再開され、その時点で39号車は8番手まで浮上していた。
レースが残り1時間となった18:30、ライトオンの指示が出され、ナイトセッションへ。平手晃平が操る39号車は110周目にペナルティを受けたマシンがあったため、更に順位上げて7位へ。その後も平手は集中力を切らさず、最後までポジションを守ってチェッカーフラッグを受けた。
アンドレ・クート
「13番手からのスタート、タフなロングレースでしたが、7位でフィニッシュしてポイントゲットできたことは良かったです。次戦は僕達TOYOTA勢のホームコースでのレースだし、表彰台を目指して頑張ります!応援をどうぞよろしくお願いします!」
一方、ロイック・デュバルは32号車のHONDA NSXを操り8番手からスタートしたが、オープニングラップの最終コーナーで後方のマシンに交わされ9番手へポジションダウン。その位置でロイックは我慢の走りをしていたが、何と10周目にS字カーブでGT300のマシンに接触され、たまらずコースオフ! 14番手までポジションを落としながらもコースに留まっていたが、ロイックは13周目に緊急ピットイン。オーバーヒートによるエンジントラブルが原因で、不運なリタイアとなった。
ロイック・デュバル
「GT300のマシンにプッシュアウトされてしまい、どうしようもありませんでした・・・。レース序盤でリタイアを余儀なくされて”悔しい”の一言です・・・。」
次回のSUPER GT 第7戦は9月12-13日、富士スピードウェイにて開催される。
Photos by T.Moriyama