2009/05/04
SUPER GT Rd.3 FUJI

タフなロングレース、L.デュバル8位、A.クート10位でフィニッシュ

SUPER GT第3戦が5月3~4日、富士スピードウェイで開催された。昨年まで500kmだったレース距離が今年は400kmに短縮され、「FUJI GT400km RACE」として展開されることになった。

GRMからは富士スピードウェイをホームコースとするLEXUS SC430勢の一員、アンドレ・クート、HONDA NSXに乗ってこのコースで過去2勝を挙げているロイック・デュバルが出場。ゴールデンウィーク中のビックイベントを楽しむ延べ78,500人のモータースポーツファンを魅了した。

5月3日(日)、公式予選が行われるこの日は朝から好天に恵まれ、初夏を感じる陽気となった。9:15から90分間、GT500/GT300の2クラス混走による公式練習が行われ、各チームは午後の公式予選、翌日の決勝を見据えたマシンの調整やタイヤの確認を行った。

そして13:40、気温21℃(路面温度31℃)うす曇りながら爽やかな天候のもと、いよいよ公式予選がスタートする。No.32 EPSON NSXはまずロイックのチームメイト、中山友貴が2クラス混走セッションで走行を開始。15分ほどしてロイックが乗り込み、マシンの最終チェックを行いながら1’36.169(6番手)とまずまずのタイムを記録した。
その後10分間のGT500(15台)占有時間帯となり、各ドライバーとも渾身のアタック。しかしデュバルのタイム(1’35.886)は11番手に留まり、上位8台によるスーパーラップへの進出はかなわなかった。「SLへ進めずストレスを感じます。スピード、グリップ・・・すべて足りませんでしたね。でも、明日は長いレースですからじっくり攻めていきますよ!」とロイックはコメントした。

一方、No.39 DUNLOP SARD SC430は、まずアンドレが混走セッションを8ラップしたのち、平手晃平がマシンを引き継いで予選アタックを行い、12位(1’35.974)でセッションを終えた。アンドレは「マシンはオーバーステア気味で、明日の決勝に向けてマシンを改善する必要があります。長いレースで強い(安定した)リアが必要になりますからね」と語った。


翌5月4日(月・祝)。曇り空のもと、8:45から30分間行われたフリー走行で各チームは決勝に向けた最後のマシン調整を行い、午後のスタート時刻を待った。
88周の長丁場に、2回のピットストップが義務付けられた今回のレースは、各チームにとって様々な戦略を競い合う1戦でもある。
そして14:00。富士山麓の富士スピードウェイには強い日差しが照りつけ、気温は24℃(路面温度38℃)まで上昇した。GT500 15台、GT300 21台のマシンがローリングスタートによって88周におよぶ戦いの火蓋を切った。
No.32 EPSON NSX、No.39 DUNLOP SARD SC430はそれぞれロイックとアンドレが乗り込み、6列目からスタート。オープニングラップで2台のマシンが接触する波乱があり、ロイックは9番手、アンドレは11番手に就けてレースを進める。そのまま17周にわたり、GRMドライバーの二人が順位を交互に入れ替えながら9位~11位を争うシーンが展開される。
19周目、EPSON NSXを操るロイックは3号車(HASEMI TOMICA EBBRO GT-R)と38号車(ZENT CERUMO SC430)の2台マシンをパスして8位へと浮上する。そして30周を終えたところで1回目のピットインを行い、チームメイトの中山にステアリングを託した。中山は9番手で走行を続けるが、47周目には100号車(RAYBRIG NSX)を交わして8位へポジションアップ。そこから60周までをミス無く走りきって2度目のピットインを行った。ここでロイック・デュバルが再びステアリングを握る。速いペースで積極的なドライブを続けるロイックは、65周目には自己ベストタイムを更新(1’37.360)。72周目に一旦9位へと順位を落としたものの、最終ラップにトラブルで遅れたマシンを交わし、8位でチェッカーフラッグを受けた。
ロイック・デュバル
「きついレースでしたが、前戦の鈴鹿よりスピードやグリップ面が良くなり、コンスタントなレースが出来たと思います。最初のスティントではスタート直後、リアタイヤが温まりにくく、またオーバーステアに苦しみましたが、徐々にマシンのバランスも落ち着きました。アンドレとのバトルはタフでしたが、楽しみましたよ!セカンド・スティントは何故かGT300の渋滞に捕まることが多かったんですが、ミスを犯さないよう集中力を保って最後まで走り切りました。残念ながらニッサン、トヨタ勢、それにブリヂストン勢にはまだ勝てていませんが、僕達はいつも出来る範囲でベストを尽くしていますので、次戦もより良い結果に向けてガンバリマス。」

一方、LEXUS TEAM SARDのアンドレ・クートは序盤の32号車とのバトルを経て、22周目には17号車、38号車を次々に交わす好パフォーマンスを披露。そして27周を終えたところで1回目のピットイン。チームによるスムーズで迅速なピット作業が行われ、平手晃平が乗り込んだマシンをコースへと送り出した。平手は10番手に就け、安定したタイムを刻みながら周回を重ねる。そして63周に2度目のピットインを行い、再びアンドレにステアリングが託された。その時点で39号車のポジションは12番手だったが、81周目に11位へ、そして最終ラップにポジションをひとつ上げて、10位でフィニッシュラインを通過した。
アンドレ・クート
「ポイントを取れたのは良かったです。レースはタフで、2回のスティントとも楽ではありませんでした。いずれのスティントでも最後の10周はタイヤがきつくなり、特にセクター3でのドライビングが大変でした。でも、最後はトップ10で終われるよう後方のマシンには絶対に交わされないよう頑張りましたよ!」


シリーズ唯一の海外戦となる次戦、SUPER GT 第4戦は、6月20~21日マレーシアのセパンサーキットにて開催される。
Photos by T.Moriyama