2009/09/13
SUPER GT Rd.7 Fuji

L.デュバルPP獲得も不運なアクシデントで9位フィニッシュ。A.クートは11位に甘んじる。

残り3戦となった2009年AUTOBACS SUPER GT。その第7戦「FUJI GT 300km RACE」が9月12-13日、富士スピードウェイを舞台に繰り広げられた。
初秋を迎えた富士山麓には述べ51,100人のGTファンが集まり、GT500クラス 15台、GT300クラス 22台によるは迫力満点なレースに魅了された。


9月12日(土)、あいにくの雨模様の1日となったが、朝の公式練習でGRMドライバーのロイック・デュバル(EPSON NSX 32号車)、アンドレ・クート(DUNLOPE SARD SC430)がウェットコンディションの中を好走。1、2位となるタイムをマークし、共に幸先良いスタートをきった。
そして、12:50から公式予選のプログラムがスタート。雨は降ったり止んだり路面状況は刻々と変わり、気温23℃と涼しさは感じられないものの路面温度は22℃と低めなコンディションとなった。

NAKAJIMA Racingのロイック・デュバルは朝からの好調さをキープし、GT500クラスの予選セッションをトップ(1’45.842)で終え、スーパーラップへの進出を難なく決めた。
そして15:10から予選1回目のトップ8台によるタイムアタックが開始された。午後になり気温はやや下がって18℃(路面温度20℃)。最後の出走となったロイックは丁寧にタイヤを温めた後、渾身の走りでアタックに入り今季初のポールポジションを獲得した。

ロイック・デュバル
「今シーズンは色々なトラブルにより苦労していましたが、PPを取れて本当にハッピーです。ここまでモチベーションを保って頑張ってきたチームにとっても、この結果は良かった。今日は雨も味方につけて各セクターミスを冒さないように集中して最高のアタックができました。明日は晴れのレースとなりそうですが、表彰台を目指し頑張ります!」と晴ればれとした表情で語った。

一方、LEXUS TEAM SARDのアンドレ・クートは10番手(1’46.636)でGT500のセッションを終えたが、混走セッションを終えた際のピットロード入口でホワイトラインをカットしたため、そのベストラップを削除されるペナルティを受けたため、決勝を11番手からスタートすることとなった。
アンドレは「朝の練習とは違うタイヤで予選アタックに入ったんですが、同じようなパフォーマンスでの結果を出せずにガッカリです」と落胆を隠せない様子だった。


翌13日、前夜降った雨のためセミウェットコンディションで朝のフリー走行が行われたが、各マシンとも決勝に向けてスリックタイヤでマシンのセッティングを行っていた。
そして決勝スタート時刻の14:00には気温20℃(路面温度41℃)まで上昇し、最高のレース日和となった。

白とブルーのエプソンカラーが美しい32号車を操るロイック・デュバルは、ポールポジションからスタートをきったものの、1コーナーへの進入でイン側を突いてきた36号車(PETRONAS TOM’SSC430, A.ロッテラー)に行く手を阻まれ、更に6号車(Team LeMans, B.ビルドハイム)に押された勢いでたまらずスピン! 6号車にはペナルティが科されたが、ロイックはGT500勢の最後尾から66周に渡るレースを戦う不本意な展開となってしまった。しかし、波に乗っているフレンチドライバーは果敢な走りで徐々にポジションをアップし、レースの3分の1が過ぎた23周目には9番手まで浮上。
28周を過ぎる頃からピットインするマシンが増えてきた。その中でNAKAJIMA RACINGはロイック・デュバルを33周終了時点でピットへ戻した。給油・タイヤ交換を済ませ、チームメイトの中山友貴がステアリングを握った32号車がコースへと戻った。
後半のスティントを担当する中山もコンスタントな走りで8番手をキープしていたが、終盤に1台のマシンにパスされ、結局9位でレースをフィニッシュした。

ロイック・デュバル
「スタートでの出来事にはガッカリでした。右サイドから突っ込んできた36号車との接触を避けるためにラインを開けたんです。相手が遅いブレーキングでアウト側へ膨らんでいる間にインから2コーナーへターンしてトップを取り戻そうとしたら・・・、6号車が接触して来たんです。その後は、何とか1つでもポジションを上げようとベストを尽くしましたが、今日の結果(9位)が精一杯でした。」

一方、39号車のスタートドライバーを任されたアンドレ・クートはスタート直後の混乱を上手くかわし、11番手から5番手にジャンプアップしてオープニングラップを終える。しかし、次のラップの最終コーナーで右後方から100号車(RAYBRIG NSX、井出有治)に追突され、再び11番手まで後退してしまう。こうしたアクシデントを乗り越えアンドレは我慢の走りを続け、23周目には10位へ浮上。その後、31周を終えたところでピットインしてマシンを僚友、平手晃平に託した。平手もベストを尽くし前方のマシンを追うが、思うようなペースアップは叶わず11番手でチェッカーフラッグを受けた。

アンドレ・クート
「スタートがとても良かっただけに、アクシデントは残念でした。追突の衝撃は大きかったですが、リタイヤするようなダメージには至らなかったのはラッキーでした。でもマシンは、特に高速コーナーでアンダーステアがきつく、セクター3でのタイムが伸びず・・・と今日は試練が多いレースとなりました。次戦では良い流れを取り戻します。応援をよろしくお願いします。」

次回のSUPER GT第8戦は10月17~18日、大分県のオートポリスにて開催される。

Photos by T.Moriyama