2009/06/28
Formula NIPPON Rd.4 Fuji

L.デュバル、初ポールから見事な今季2勝目を飾る!!

6月27-28日、全日本フォーミュラ・ニッポン第4戦が今季2回目となる富士スピードウェイ(静岡県)にて開催された。前戦の茂木大会では、フロントーからのスタートをきったもののその直後に戦列を去ったGRMドライバー、ロイック・デュバルはその雪辱を晴らすべくこの1戦に臨んだ。

6月27日(土)、梅雨の合間の好天に恵まれ、朝のフリー走行から乾いた風が心地よいセッションとなった。今シーズン好調なスタートをきり、第2戦デュバル、第3戦小暮と2連続優勝を飾っている名門チームNAKAJIMA RACINGは、この富士での最初のセッションから小暮(1’26.649)-デュバル(1’27.089)が1-2位を占める上々の結果を残して午後の予選へと進んだ。
そしていよいよノックアウト形式の予選が13:45からスタートした。20分間のQ1は気温27℃(路面温度54℃)と厳しい暑さが感じられる中でのセッションとなった。ここでもはやり32号車(1’26.139)がトップタイムをマークし、ロイック・デュバル31号車が0.024秒差の2番手(1’26.163)で追うという展開となった。そしてQ2(10分間)でもその順位は変わらず32号車(1’26.049)-31号車(1’26.129)とNAKAJIMA RACINGの二人のドライバーがトップタイムを競った。しかし、最後のQ3(10分間)では、チームメイトがハーフスピンを喫するハプニングもあった一方、ロイック・デュバルが渾身のアタックにより1’25.626のタイムを叩き出し、自身初のポールポジション(選手権ポイント1)を獲得した。

ロイック・デュバル
「“やっと”ポールが取れました。今朝の段階ではマシンはまだ完璧ではなかったのですが、タイムは悪くなく、午後に向けて更にセッティングを煮詰めていきました。そして、Q3でのアタックはノーミスで完璧なアタックだったので、かなりいいところにいける確信はありましたが、コグレも速かったのでポールはどうかな?と思っていました。ポールは勿論嬉しいですが、重要なのは明日の決勝結果。この位置からスタートするレースを生かせるようベストを尽くします。」
そして、この予選後、中嶋悟監督とNAKAJIMA RACINGのクルー全員により27歳を迎えたロイック・デュバルの誕生日を祝うイベントを用意。ロイックにとっては嬉しいことづくしの1日となった。



迎えた28日(日)決勝日、朝のフリー走行では、曇り空のもと13台のマシンが決勝向けた最終調整を行ってレース開始時間を待った。ロイック・デュバルはこのセッションで満タンのマシンで16ラップを走行。「マシンの仕上がりは良いよ。あとはお天気だね・・・」と空を仰いだ。

やがて時刻は決勝スタートの14:30となった。しかし、富士スピードウェイは昼頃より降りだした雨が本降りとなり、レースはセーフティーカー先導によりスタートされることとなった。
ポールポジションからのスタートをきった白にPIAAカラーのブラックがトレードマークのNAKAJIMA RACING 31号車のロイックは、雨により濡れた路面を確かめながらタイヤをウォームアップして行く。そして、4周目、いよいよリスタートをきったロイック・デュバルは高いウォータースクリーンをあげ1コーナーを制し、レースをリードし、2位以下のマシンをグングン引き離して行く。厳しいコンディションの中、絶妙なドライビングでマシンをコントロールし、ファステストタイムを次々に塗り替える好パフォーマンスを見せる。そして55周で争われるレースの半分を終えた27周の段階で、31号車は2位と24秒近いギャップを築き、独走体制でレースをリードする。しかし34周目、コース上でストップしたマシンがいたためセーフティーカー(SC)が入ったが、そこですかさずロイックはピットイン! スピーディーなピット作業を終えSC先導の隊列へ戻り38周目にリスタートをきった。
このSCランによって、それまでに築いた後続とのギャップが一旦はご破算になったロイック・デュバルだったが、今日のロイックのパフォーマンスに勝る者はなく、再び毎ラップごとに後続とのギャップを広げ、更に46周目には自己のファステストタイムも更新(1’40822)する快挙もみせた。そして何と2位に40秒以上の大差をつけて圧勝、今シーズン2回目の優勝を飾った。この結果により、ロイック・デュバルはランキングトップのブノワ・トレルイエ(LAWSON TEAM IMPUL 2号車)との差を1ポイントにまで縮め、次戦へ向かうこととなった。

ロイック・デュバル
「今日は雨脚が強まったり弱まったりで、アクアプレーニングとの格闘も含め、路面の状況が厳しく、タフなレースでした。それにSCで稼いだギャップがゼロになり、またそこからプッシュをして行かなければならない展開でしたから。でもチームが本当に競争力のある強いマシンを用意してくれたので、良い結果で終えられました。前回のレースは自分の大きなミスで落としてしまいましたが、今回(のポール・トゥー・ウィン)で挽回できました。シリーズ後半もチームと一丸となって戦って行きます!」

中嶋悟監督
「大変な天気の中でのレースでしたが、ロイックはよく走りきり、今季2勝目、それも初ポール付きで、と最高の結果で終わりましたね。感謝しています。」

Photos by T.Moriyama