2012/10/15
The 1st LEGEND SPIRITS 

第1回 LEGEND SPIRITS Report

 

12ls_wec_12012年スタートした世界耐久選手権2012 FIA World Endurance Championship(通称WEC ウェック)の 第7戦 “6 Hours of Fuji(富士6時間耐久レース)”が、同年10月12日~14日、富士スピードウェイを舞台に開催されました。

 

 

前年までIntercontinental Le Mans Cup(インターコンチネンタル ル・マン カップ)として開催されていた選手権に、歴史があるル・マン24時間耐久レースも組み込まれた新生WEC。世界の自動メーカーが最新鋭の技術で開発したプロトタイプカーやプライベーターのスポーツカーにより、白熱したレースを繰り広げています。12ls_wec_2

 

 

 

2012年のWEC第7戦の主催者、富士スピードウェイ株式会社におかれても、1982年に「世界耐久選手権6時間レース」を国内で初めて開催し、1986年には大会名称を「WEC in JAPAN」に変えて1988年まで開催された歴史があり、24年ぶりの開催でした。
(観客動員数:金曜4,000人、土曜14,000人、日曜32,000人)

 

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その記念すべき世界的ビックレースのご観戦をお楽しみ頂きながら、さらにそのサポートイベントへご参加頂ける、伝統の「ル・マン24時間」を髣髴とさせるヒストリックカーによる走行会”LEGEND SPIRITS(レジェンド スピリッツ)“を実施いたしました。

 

 

 

 

 

12ls_general_110月13日(土)と14日(日)の両日、秋の清々しい好天にも恵まれ、ミスター・ル・マンこと寺田陽次郎氏がドライビングするマツダ787Bのサウンドに先導され、レジェンドカーの走行会”LEGEND SPIRITS”が実現しました。

 

  

 

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今後も自動車文化の継承をされていらっしゃる皆様の貴重なヒストリックカーを多くのモータースポーツファンへご披露して頂く場となれば誠に幸いに存じます。

 

 

 

 

 

 

第1回 LEGEND SPIRITS参加車輌のご紹介

 

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ゼッケン ①/ 1963年 アルピーヌ M63 (フランス)

オーナー:加藤 仁(かとう ひとし)氏

 

創始者ジャン・レデレが率いたアルピーヌ社。1950年代後半から60年ラリーで大成功を収め、1971年74年にはWRCの世界チャンピオンに輝いたことで一躍その名を世界に広めた。

今回走行するマシンはルマン用に作られたプロトタイプ、ALPINE M63。1963年6月15日のルマン24時間を初め、数々のレースに出場した世界的にも貴重なオリジナルマシン。

 

 

 

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ゼッケン ③ / 1971年 ポルシェ 911S (ドイツ)

オーナー: 齋藤 稔(さいとう みのる)氏

 

ポルシェ 911は量産開始翌年の1966年にはル・マン24時間レースに初参加し、以後毎年複数台数の参加している。齋藤氏所有のタイプは、1970/71の911Sで、排気量増大やワイドフェンダー等の車体形状の変化が激しくなる前の初期の911レーサーの形態を維持している。
この当時の911はラリーでも活躍しており、1969/70の2年連続モンテ・カルロ・ラリーで優勝。現在もヒストリックカーレースに参戦している現役のレーシングカー。

 

 

 

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ゼッケン ⑤/ 1964年 ポルシェ904 GTS (ドイツ)

オーナー: 藤田 一夫(ふじた かずお)氏

 

このポルシェ904GTSは1964~65年に優れた実績を残し、最も魅力にあふれた一台と評価されたレーシングカーで、116台作られた中のシャシーNo.102。

最初のオーナーはRolf_Stommelen(ロルフ シュトメレン)で、この904GTSをドライブしてニュルブルックリンクなどのドイツ国内のレースへ出場。彼はその後にポルシェ・ワークスドライバーを経てF1へ参戦した。

また同型車は、64-65年ル・マン24時間にクラス優勝などの実績を残し、モンテ・カルロラリーでは総合二位に。また日本では、1964年第2回日本グランプリGT-IIクラスで式場壮吉が優勝。プリンス・スカイラインGTに乗る生沢徹との名勝負「スカイライン伝説」は今でも語り継がれている。

 

 

12ls_isaji_1ゼッケン ⑥/ 1961年 ロータス 23 (イギリス)

オーナー: 伊佐治 義行(いさじ よしゆき)氏

 

初期型のロータス23(その後ロータス23B→23Cに続く)。当時ルマンを目的に作られた車両で、フロントカウルの内側にスペアタイヤをのせることができる丸みを帯びたデザインが特徴。

1963年の日本GPで優勝したマシンと同一のクルマで、元ドライバーでロータスなどのF1チームを率いた故ピーター・ウォーが乗り、サインを残した貴重な一台。また、2010年のF1GPのドライバーズパレードでは、このロータス23のオーナーがステアリングを握り、バリチェロが同乗した。

 

 

 

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ゼッケン ⑦/ 1969年 トライアンフ GT6 (イギリス)

オーナー: 池田敏治(いけだ としはる)氏

ドライバー: 鈴木 陽一郎(すずき よういちろう)氏

 

ジョバンニ・ミケロッティのデザインによる小型オープンスポーツカー。トライアンフ・スピットファイアをクローズドボディに仕立て直したプロトタイプが1964年、’65年のルマン24時間レースに参戦して好成績をおさめているが、このクローズドボディにトライアンフ・ビテス用の2リッター直列6気筒エンジンを搭載した市販版がこのGT6である。オーナーは、このGT6の他にも数々のクルマ所有し、メカニズム~歴史まで自動車全般に関する知識豊富な真のエンスージャスト。

ドライバーは、1978年のダートトライアル総合優勝を始め、インターナショナル鈴鹿1000km、ジャパン・ルマン・チャレンジ in 岡山、更にはモンテ・カルロ・ヒストリックなどにも参戦しているモータースポーツ参戦歴36年の鈴木氏が担当した。

 

12ls_sugahara_1ゼッケン ⑧/ 1960年 フィアット アバルト 850SS (イタリア)

オーナー: 菅原 章(すがはら あきら)氏

 

創業者であるカルロ・アバルトの肝入りでフィアット600のシャシにまったく異なるアルミボディをのせた小型ベルリネッタ。勝ち取った勝利数は数知れず。
ザガートによるボディは小型車とは思えないパーフェクトバランスの美しいデザイン。リアの吸入バルジは、アバルトの蠍の尻尾を彷彿とさせるともいわれる。
850CCのエンジンは、極度にチューンされておりとてつもない高圧縮比。エンジン音をきけばその高性能ぶりがわかる。最高速は180kmにおよぶ。

 

 

12ls_sugiura_1ゼッケン ⑩/ 1954 マセラッティ オスカー MT4 (イタリア)

オーナー: 杉浦 康之(すぎうら やすゆき)氏

 

オスカーは、マセラティ兄弟が、マセラティの名前を棄てて、自らの設計で、第2次世界大戦後に生み出したレーシングカー。今回のオスカーMT4は1954年にミッレ・ミリアに参加、1956年にはモント・ヴァントゥーのレースを制した有名なオリジナルマシン。日本にあるオスカーの中でも最も強力なDOHC1500ccツイン・プラグのモデル。同型車は1954-55年に、ル・マン24時間に出場している(55年には総合11位)。

 

 

 

 

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ゼッケン ②/ 1966年 アルピーヌ A210 (フランス)

オーナー: 加藤 仁(かとう ひとし)氏

 

ジャン・レデレ氏が1966年に製作したプロトタイプ A210の7台中の1台。1966,67,68にル・マン24時間に参戦した貴重な一台。オーナーはアルピーヌ M63(ゼッケン①)をドライビングする加藤仁氏。残念ながらマシントラブルにより急遽走行を見合わせることになったが、ピットにて展示されたこの名車は多くの注目を集めた。

 

 

 (Photos Gallery > http://grm-co.com/archives/929 )

 

Photos by M.Hirata

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