2014/10/12
The 3rd LEGEND SPIRITS

第3回 LEGEND SPIRITS Report

 

LS Cars10月11-12日、2014 FIA世界耐久選手権(World Endurance Championship 通称WEC)第5戦「富士6時間耐久レース」と共に第3回LEGEND SPIRITSを開催いたしました。(観客動員数:10/11土曜 13,000人、10/12 日曜 32,000人)

 

FIA世界選手権のサブイベントとしてサーキットを快走頂くLEGEND SPIRITSは、パレードランに留まらない、レジェンドカーの晴れ舞台。今年もル・マン24時間耐久レースを彷彿とさせるル・マンカーを中心に、今なお美しく、素晴らしいエンジンサウンドを放つマシンが出走、その勇士を富士スピードウェイに来場の多くのお客様へご披露くださいました。

LS集合

 

 

第3回LEGEND SPIRITSには、フランスの代表、アルピーヌM63やA110に加え、美しいアバルトOT1300、ジャガーEタイプ、更にミニ・マーコスが登場。そして大変貴重な戦前車、ブガッティ40(1928) が彩りを添えました。また、今シーズンからWEC(LMP1)復帰を果たしたポルシェワークスを祝すように、3台のポルシェもエントリーされました。

 

 

 

 

第3回 LEGEND SPIRITS エントラント 

 

 

1ゼッケン ①/ 1963年 アルピーヌ M63(フランス)

オーナー:加藤 仁 氏、ドライバー:前田 育男 氏

 

創始者ジャン・レデレが率いたアルピーヌ社。1950年代後半から60年ラリーで大成功を収め、1971年74年にはWRCの世界チャンピオンに輝いたことで一躍その名を世界に広めました。

今回走行したマシンはル・マン24時間レース用に作られたプロトタイプ、ALPINE M63。1963年6月15日のル・マン24時間を初め、数々のレースに出場した世界的にも貴重なオリジナルマシン。オーナーはアルピニストとしても国内外でも有名な加藤仁氏。そして、ご友人の前田育男氏がドライビングを楽しまれました。

 

2ゼッケン ③ / 1971年 ポルシェ 911S(ドイツ)

オーナー/ドライバー: 齋藤 稔 氏

 

ポルシェ 911は量産開始翌年の1966年にはル・マン24時間レースに初参加し、以後毎年複数台数の参加。齋藤オーナーが走行された1970/71の911Sは、排気量増大やワイドフェンダー等の車体形状の変化が激しくなる前の初期の911レーサーの形態を維持しています。
この当時の911はラリーでも活躍しており、1969/70の2年連続モンテ・カルロ・ラリーで優勝。現在もヒストリックカーレースに参戦している現役のレーシングカーです。

 

 

3ゼッケン ③/ 1964年 ポルシェ904 GTS(ドイツ)

オーナー: 藤田 一夫 氏、ドライバー:加藤 仁 氏

 

このポルシェ904GTSは1964~65年に優れた実績を残し、最も魅力にあふれた一台と評価されたレーシングカーで、116台作られた中のシャシーNo.102。

最初のオーナーはRolf_Stommelen(ロルフ シュトメレン)で、この904GTSをドライブしてニュルブルックリンクなどのドイツ国内のレースへ出場。また同型車は、64-65年ル・マン24時間にクラス優勝などの実績を残し、モンテ・カルロラリーでは総合2位フィニッシュとなりました。今年のLEGEND SPIRITSでは、オーナーの藤田一夫(ふした かずお)氏に代わり、加藤 仁(かとうひとし)氏がドライビングされました。

 

 

5ゼッケン ⑤/ 1971年 アルピーヌ ルノー A110(フランス)

オーナー/ドライバー: 柏木 龍馬 氏

 

フランスからドイツ、イギリスを経て日本へと移ったこのA110は “V85” と呼ばれ、 1300ccのE/Gを載せたフランスが誇るGr.4コンペティシオン、アルピーヌ。この仕様のA110はRRのE/Gレイアウトが生み出す強烈なトラクションと軽量シャシー、また大きなネガティブキャンバーの組み合わせによりコーナリングが卓越しており、最高のドライバビリティが楽しめるモータースポーツ好きにはたまらないマシン。正に、その魅力は優雅なエクステリア・デザインだけではなく、勝つためのマシンとして柏木オーナーは絶賛されています。

 

 

6ゼッケン ⑥/ 1974年 アルピーヌ ルノー A110 (フランス)

オーナー/ドライバー: 渋谷 太一 氏

 

アルピーヌA110は、ラリーのみならず1965,67,68年のル・マン24時間耐久レースに参戦。フランスのモータースポーツに大きな歴史に足跡を残しました。「アルピニスト」と呼ばれるアルピーヌ愛好家は今なお世界中に多く、今回LEGEND SPIRITSに初参加の渋谷氏もその一人。愛車のA110は「オレンジ・アクロポリス」と呼ばれるカラーが印象的でした。

 

 

 

7ゼッケン ⑦/ 1962年 日野ルノー (日本)

オーナー/ドライバー:鈴木 陽一郎 氏

 

1949~1954年のル・マン24時間に6年連続出場したルノー4CVの同型車。鈴木オーナーが幼少の頃に乗った父親の日野ルノーへの思い出から、2006年に新たに入手した固体をレストアし、今日の姿に仕立てられました。日本の日野製で、また日本独自のチューニングを施されたコンペティチブな1台。WEC関係者からも注目を浴びた1台でした。オーナーの鈴木氏は、1978年のダートトライアル総合優勝を始め、インターナショナル鈴鹿1000km、ジャパン・ルマン・チャレンジ in 岡山、更にはモンテ・カルロ・ヒストリックなどにも参戦しているモータースポーツ参戦歴36年のベテランドライバーです。

 

 

8ゼッケン ⑧ 1965年 アバルト OT1300 (イタリア)

オーナー/ドライバー: 菅原 章 氏

 

創業者であるカルロ・アバルト氏の夢の集大成の一つ、アバルトの頂点の一角をなす素晴らしい名車。
OT1300は1965~67年まで、3年連続国際スポーツカー選手権のDivision 1チャンピオンカー。

アバルトは1962~1967まで同Division 1では6年連続チャンプとして君臨し、圧倒的なレーシングコンストラクターでした。

オーナーの菅原氏は、この優美なOT1300のほか、Fiat Abarth 850SS Record Monzaも所有し、過去2回のLEGEND SPIRITSにも参加されています。

 

10ゼッケン ⑩ 1966 ジャガー Eタイプ (イギリス)

オーナー/ドライバー: 堀 主知 ロバート氏

 

ル・マン24時間に1962-64年に参戦した気品あふれる英国車、ジャガーEタイプ(シリーズ1)。コンバーティブルのホワイトボディーが美しい愛車をドライビングされた堀氏は、スーパー耐久シリーズに参戦されているドライバーでもあり、LEGEND SPIRITSでも果敢な走りを披露されました。

 

 

 

 

 

11ゼッケン ⑪  1971年 ポルシェ 911S (ドイツ)

オーナー/ドライバー: 小林 義昭 氏

 

ポルシェのルマンへの挑戦は1951年から356でスタート、20年目の1970年に初めての総合優勝を遂げ、以来、ポルシェはルマンの主役となってゆきました。。

911は356に続くモデルで、1965年に登場。67年にルマン初参戦、翌年の68年に見事クラス優勝を飾った歴史があります。オーナーはこの他にも数々のヒストリックカーをご所有されている小林氏。

 

 

 

12ゼッケン ⑫/ 1928年 ブガッティ タイプ40 (フランス)

オーナー/ドライバー: 冨安 金治 氏

 

グランプリ・レースで活躍したブガッティは、1923の第1回目ル・マン24時間耐久レースから出場。

今回LEGEND SPIRITSに唯一の戦前車として出走したBUGATTI  T40 は1930年のルマンでは、2名の女性ドライバーで総合7位・1500ccクラスのクラス優勝車の同型車。1932年では6位へと成績を上げ、遂にワークス体制で出場した1937,39年には見事優勝を飾った1台。

オーナーの冨安氏は、「近年若者の車離れを良く耳にしますが、こうした場所で歴史的な車を見て感じて頂き、一人でも多くの車好きが増えれば・・・」との思いで、LEGEND SPIRITSへご参加下さいました。

 

 

14ゼッケン ⑭/ 1967年 マーコス ミニ・マーコス (イギリス)

オーナー/ドライバー: 奥村 純一 氏

1966年のル・マン24時間レースに参戦し完走を遂げた英国車として一躍注目を浴びたマーコス。翌1967年にはマーコス・レーシングとして参加。1993年にルマン24時間レースに復帰し、LM400、LM500を投入したヒストリーもあります。

今回のLEGEND SPIRITSでは、やや小型なボディーにも関わらず、そのパフォーマンスの高さは見事で、奥村オーナーの果敢なスタートダッシュはとても印象的でした。

 

 

 

 

第4回LEGEND SPIRITSはFIA 世界耐久選手権 “6 hours of Fuji”と共に2015年10月10日(土)、11日(日)を予定しております。

 

Photos by MASARU HIRATA

 

 

LEGEND SPIRITS