2013/10/20
The 2nd LEGEND SPIRITS

第2回 LEGEND SPIRITS Report

 

_S3Q55412012年に引き続き、株式会社グローバルレーシングマネージメントは、世界耐久選手権2013 FIA World Endurance Championship(通称WEC)の 第6戦 “6 Hours of Fuji(富士6時間耐久レース)”のサブイベントとして10月19日~20日、第2回目LEGEND SPIRITSを開催いたしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

IMG_51071923年にスタートし、90年の節目を迎えたル・マン24時間。その歴史と伝統は脈々と後継者達によってWECへと発展。現代のテクノロジーを駆使したスポーツカーレースへと進化を続けています。その礎となったル・マン24時間にまつわるヒストリックカーによる走行会が”LEGEND SPIRITS(レジェンド スピリッツ)“です。

 

 

 

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今回は2日間にわたり日産グループCカー2台(長谷見昌弘氏ドライビングによるR91CP及び星野一樹氏ドライビングによるR92CP)による先導のもと、各オーナー自ら、雄大な富士山麓にて優雅な、かつ果敢なドライビングを多くの観客の前で披露されました。

(観客動員数:土曜12,000人、日曜23,700人)

 

 

 

 

_S3Q5548歴史を刻み、今でもその美しさとパフォーマンスを誇る貴重なヒストリックカーを多くのモータースポーツファンへご披露して頂く機会となれば誠に幸いに存じます。

 

 

 

 

 

 

 

第2回LEGEND SPIRITS参加車輌のご紹介

 

_N3P7211ゼッケン ①/ 1963年 アルピーヌ M63 (フランス)

オーナー:加藤 仁(かとう ひとし)氏

 

創始者ジャン・レデレが率いたアルピーヌ社。1950年代後半から60年ラリーで大成功を収め、1971年74年にはWRCの世界チャンピオンに輝いたことで一躍その名を世界に広めた。

今回走行するマシンはルマン用に作られたプロトタイプ、ALPINE M63。1963年6月15日のルマン24時間を初め、数々のレースに出場した世界的にも貴重なオリジナルマシン。

 

 

 

 

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ゼッケン ③ / 1971年 ポルシェ 911S (ドイツ)

オーナー: 齋藤 稔(さいとう みのる)氏

 

ポルシェ 911は量産開始翌年の1966年にはル・マン24時間レースに初参加し、以後毎年複数台数の参加している。齋藤氏所有のタイプは、1970/71の911Sで、排気量増大やワイドフェンダー等の車体形状の変化が激しくなる前の初期の911レーサーの形態を維持している。
この当時の911はラリーでも活躍しており、1969/70の2年連続モンテ・カルロ・ラリーで優勝。現在もヒストリックカーレースに参戦している現役のレーシングカー。

 

 

 

_N3P7941ゼッケン ⑤/ 1964年 ポルシェ904 GTS (ドイツ)

オーナー: 藤田 一夫(ふじた かずお)氏

 

このポルシェ904GTSは1964~65年に優れた実績を残し、最も魅力にあふれた一台と評価されたレーシングカーで、116台作られた中のシャシーNo.102。

最初のオーナーはRolf Stommelen(ロルフ シュトメレン)で、この904GTSをドライブしてニュルブルックリンクなどのドイツ国内のレースへ出場。彼はその後にポルシェ・ワークスドライバーを経てF1へ参戦した。

また同型車は、64-65年ル・マン24時間にクラス優勝などの実績を残し、モンテ・カルロラリーでは総合二位に。また日本では、1964年第2回日本グランプリGT-IIクラスで式場壮吉が優勝。プリンス・スカイラインGTIに乗る生沢徹との名勝負「スカイライン伝説」は今でも語り継がれている。

 

 

_N3P8300ゼッケン ⑥/ 1965年 ロータス レーシング エラン26 (イギリス)

オーナー: 鬼頭 正人(きとう まさと)氏

 

エランは、初のロータス製GTカーとして作られた初代ロータス・エリートの後継車として設計された。ただしエリートの特色であったFRPモノコックボディは生産性の低さやこもり音などの問題があり、販売上オープンモデルの生産が必要であったため採用されず、プレス鋼板を溶接して組み立てた強固なバックボーンシャシーにFRPのボディを架装する方式を採用した。エンジンは英国フォード・コルチナのものがベースで、DOHC1500cc(今回走行する6号車、シリーズ2以降は1600cc)。ロータス創業者コーリン・チャプマンが考案した独特な後輪独立サスペンションを備えていた。ロータス車の大半はバックボーンフレームを持つが、エランはその構造を最初に使った車である。

ルマン・24時間では、LOTUS 26Rは1964年にゼッケン38番で初参加した歴史がある。

エランがデビューした当時の日本は、1963年第1回日本グランプリが開催されるなどモータースポーツの勃興期だった。エランは浮谷東次郎、瀧進太郎、三保敬太郎のレーシングドライバーの手により1960年代半ばのレースで活躍した。

 

_N3P7873ゼッケン ⑦/ 1962年 ルノー4CV PA62 (日本)

オーナー: 鈴木 陽一郎(すずき よういちろう)氏

 

1949~1954年のル・マン24時間に6年連続出場したルノー4CVの同型車。オーナーが幼少の頃に乗った父親の日野ルノーへの思い出から、2006年に新たに入手した固体をレストアし、今日の姿に仕立てた。日本の日野製で、また日本独自のチューニングを施されたコンペティチブな1台。そのオーナーは、1978年のダートトライアル総合優勝を始め、インターナショナル鈴鹿1000km、ジャパン・ルマン・チャレンジ in 岡山、更にはモンテ・カルロ・ヒストリックなどにも参戦しているモータースポーツ参戦歴37年の鈴木氏。

 

 

_N3P8092ゼッケン ⑧/ 1960年 フィアット アバルト 850SS (イタリア)

オーナー: 菅原 章(すがはら あきら)氏

 

創業者であるカルロ・アバルトの肝入りでフィアット600のシャシにまったく異なるアルミボディをのせた小型ベルリネッタ。勝ち取った勝利数は数知れず。ザガートによるボディは小型車とは思えないパーフェクトバランスの美しいデザイン。リアの吸入バルジは、アバルトの蠍の尻尾を彷彿とさせるともいわれる。
850CCのエンジンは、極度にチューンされておりとてつもない高圧縮比。エンジン音をきけばその高性能ぶりがわかる。最高速は180kmにおよぶ。

 

 

_N3P7512ゼッケン ⑩/ 1971 アルピーヌ A110 (フランス)

オーナー: 柏木 龍馬(かしわぎ りょうま)氏

 

フランスからドイツ、イギリスを経て日本へと移ったこのA110は “V85” と呼ばれ、 1300ccのE/Gを載せたアルピーヌの中ではベーシックなモデルにあたる。唯一ターンフローしか存在しない、非力なパワーユニットを搭載したこのA110だが、イギリスではラリーに使用されていた車輛で、E/Gルームには消化剤を噴射するノズルが残ってる。

 

FRP製のボディはチューブラーを擁したバックボーンフレームに懸架されており、乾燥重量は680Kg。V85アルピーヌの公称馬力は81〜85仏PS、世界ラリー選手権で勇名を馳せた1600Sの最終形態とは違うスイング・アクスル式のサスペンションを有しているため、独特のフィーリングを持っているが、RRのE/Gレイアウトが生み出す強烈なトラクションと軽量シャシー、また大きなネガティブキャンバーの組み合わせは他に比肩しうる存在はなく、コーナリングの猛者が卓越したアクセルワークを披露すればA110のドライバビリティは勝利への最大の武器となる。

 

IMG_5245ツール・ド・コルスなどのターマックラリーでは度々目にすることのあるフロントスポイラーやリヤウィング、またバルーンと呼ばれるオーバーフェンダーは1800ccのGr.5ワークスアルピーヌの代名詞的な存在。しかしながら、この固体のように1300ccのA110のルックスでは珍しく、大きな違いはフロント部ラジエターインテークの有無にある。1300/V85ではラジエターが車体の最後部に存在するために、1600Sのスポイラー装着車とは違い大きな開口部は存在しない。

フランスの誇るGr.4コンペティシオン、アルピーヌ。

その魅力は優雅なエクステリア・デザインだけではなく、勝つためのマシンレイアウトにある。

 

 

 

 

_N3P7976ゼッケン ⑪/ 1966 フォード GT40 (アメリカ)

オーナー: 鈴木 幸典(すずき ゆきのり)氏

 

アメリカのフォード・モーターが開発したスポーツプロトタイプのレーシングカー。1964~60年ル・マン24時間に参戦した。当時フェラーリの独壇場ともなっていたル・マン24時間だったが、1966年、ブルース・マクラーレンの手によって、アメリカンマシン初となる優勝を見事に飾った。その後3連勝記録を打ち立てた。今回はその栄光のFORD GT40と同型のマシンをオーナー自らドライビングする。

 

 

 

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ゼッケン ⑫/ 1956 ロータス マークXI Sr.1 Le Mans (イギリス)

オーナー: 遠矢 工(とおや たくみ)氏

 

1956~58にル・マン24時間レース参戦車両。チームロータスのトム・ディクソン氏が所有し、スコットランドのスプリントレースで56-57年、2年間で14戦7勝をあげる大活躍し、1958年にはチームロータスにてワークスカーのLotus Elevenでル・マン24時間に出場した。当時のカラーはブリティッシュ・グリーンだったが、現在はスコットランドでの活躍に因んで、スコットランド・ブルーとなり、美しいラインが一層引き立っている。

 

 

 

_N3P6962*展示車両/ 1966年 アルピーヌ A210 (フランス) 

オーナー: 加藤 仁(かとう ひとし)氏

 

ジャン・レデレ氏が1966年に製作したプロトタイプ A210の7台中の1台。1966(Guy Verrier/Robert Bouharde),1967(Gerard Larrousse/Patrick Depailler),1968(Bob Wollek/Christien Ethuin)にル・マン24時間に参戦した大変貴重なオリジナルマシン。

 

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*展示車両/ 1965年 アバルト OT1300 (イタリア)

オーナー: 菅原 章(すがはら あきら)氏

 

創業者であるカルロ・アバルト氏の夢の集大成の一つ、アバルトの頂点の一角をなす素晴らしい名車。
OT1300は1965~67年まで、3年連続国際スポーツカー選手権のDivision 1チャンピオンカー。

アバルトは1962~1967まで同Division 1では6年連続チャンプとして君臨し、圧倒的なレーシングコンストラクターであった。

 

(Photos Gallery > http://grm-co.com/archives/1757 )

 

Photos by MASARU HIRATA

 

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